チゲサイクリン

成分名

チゲサイクリン

適応症状

深在性皮膚感染症/慢性膿皮症/外傷・熱傷及び手術創等の二次感染/びらん・潰瘍の二次感染/腹膜炎/腹腔内膿瘍/胆嚢炎 など

簡易説明

「チゲサイクリン」はグリシルサイクリン系に属する抗菌薬で、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎などの治療に用いられます。
日本では、ファイザーがタイガシルの商品名で販売しています。
「チゲサイクリン」は抗菌スペクトルが広く、グラム陽性菌、緑膿菌を除くグラム陰性菌、非定型菌、嫌気性菌に対して抗菌活性を示し、ESBL産生菌、AmpC型β-ラクタマーゼ産生菌、カルバペネマーゼまたはメタロ-β-ラクタマーゼ産生腸内細菌科、NDM-1産生腸内細菌、多剤耐性のアシネトバクター属およびその他の耐性菌を含むグラム陰性菌に抗菌活性を持ちます。
しかし、緑膿菌、プロテウス属、プロビデンシア属などに対しては効果がありません。

処方可能な診療科目

内科/外科/皮膚科/消化器科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
タイガシル点滴静注用50mg 12664円/瓶(薬価)
*病院によって差が有り。初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2012年11月認可

国内のジェネリック認可

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関連製品(先発薬)

タイガシル点滴静注用50mg【製薬メーカー:ファイザー】

関連製品(ジェネリック)

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効果・作用

「チゲサイクリン」はミノサイクリンの9位をグリシルアミド基に置換させたグリシルサイクリン系に属する抗菌薬で、細菌の生命維持や増殖に必要なタンパク質合成を行うリボソームという器官を阻害することで抗菌作用を発揮します。
「チゲサイクリン」は、グラム陽性菌、緑膿菌を除くグラム陰性菌、非定型菌、嫌気性菌に対して抗菌活性を示し、ESBL産生菌、AmpC型β-ラクタマーゼ産生菌、カルバペネマーゼまたはメタロ-β-ラクタマーゼ産生腸内細菌科、NDM-1産生腸内細菌、多剤耐性のアシネトバクター属およびその他の耐性菌を含むグラム陰性菌に抗菌活性を持ちますが、緑膿菌、プロテウス属、プロビデンシア属などに対しては効果がありません。
そのため、「チゲサイクリン」は緑膿菌との重複感染が明らかである場合、抗緑膿菌作用を有する抗菌薬と併用することが奨励されています。
「チゲサイクリン」の作用機序としては、細菌のタンパク合成阻害であり静菌的に抗菌作用を示しますが、他のテトラサイクリン系と結合部位が異なることから、従来のテトラサイクリン系と交叉耐性を示しにくい特徴を持っています。
「チゲサイクリン」は、静脈内投与後組織へ分布した後、血清中濃度は速やかに低下して、その後緩やかに消失することから、半減期は約56時間となっています。
「チゲサイクリン」の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐために、感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うことや、原則として感受性を確認して疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが推奨されています。

使用方法

▼用法用量
・成人には、チゲサイクリンとして初回用量100mgを30~60分かけて点滴静脈内投与して、以後12時間ごとに50mgを30~60分かけて点滴静脈内投与します。

▼用法及び用量に関連する注意
・本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため本剤の投与期間は5日から14日間が推奨されていますが、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に本剤の継続投与が必要か否かを判定して、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめてください。
・28日間を超えて投与した場合の本剤の有効性及び安全性は確立されていません。

副作用

重大な副作用
▼ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
ショックやアナフィラキシーを起こすことがあります。蕁麻疹、血管浮腫等の異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

▼重篤な肝障害(頻度不明)
肝不全、黄疸、AST・ALT・Al-Pの著しい上昇等重篤な肝障害があらわれることがあります。

▼血小板減少症(頻度不明)
重篤な血小板減少症があらわれることがあります。

▼急性膵炎(0.2%)
急性膵炎を起こすことがあります。剤投与中は患者の状態を十分に観察して、腹痛、嘔吐、アミラーゼ等の膵酵素の上昇等の症状に注意してください。

▼偽膜性大腸炎(頻度不明)
偽膜性大腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがあります。

▼皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)を起こすことがあります。

その他の副作用
・プロトロンビン時間延長、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)延長
・プロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)増加
・低フィブリノゲン血症
・低蛋白血症、低血糖
・頭痛、浮動性めまい
・静脈炎
・血栓性静脈炎
・肺炎
・ALT上昇、AST上昇、ビリルビン血症
・黄疸
・胆汁うっ滞
・悪心、嘔吐、下痢
・血清中アミラーゼ増加、腹痛、食欲不振、消化不良
・BUN増加
・発疹、そう痒
・重症皮膚反応
・注射部位炎症、注射部位疼痛、注射部位反応、注射部位浮腫、注射部位静脈炎
・治癒異常

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■合併症・既往歴等のある患者
テトラサイクリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者には慎重に投与してください。ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

■肝機能障害のある患者
肝機能障害のある患者に投与する場合は注意が必要です。

■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。動物実験において、骨の着色、胎児の体重減少(骨化遅延を伴う)、生存胎児数の減少が認められています。また、骨格異常の発現率の増加(ラットでは12mg/kg/日:臨床曝露量の3.4倍に相当、ウサギでは4mg/kg/日:臨床曝露量の0.8倍に相当)が認められています。
なお、胎児の歯牙形成期に本剤を投与した場合、歯牙の着色を起こすおそれがあります。

■授乳婦
授乳しないことが望ましいです。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められています。

■小児等
小児等(18歳以下)を対象とした臨床試験は実施していません。小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがあります。

■高齢者
高齢者は一般的に生理機能が低下していることから、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。

上記にあてはまる方は、チゲサイクリンを使用する事が出来ない可能性があります。
チゲサイクリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・抗凝血剤(ワルファリンなど)
・経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオールなど)

上記を使用している方は、チゲサイクリンを使用する事が出来ない可能性があります。
チゲサイクリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
「チゲサイクリン」は子供にも使えますか?

18歳以下を対象とした臨床試験は行わていません。

「チゲサイクリン」はどのような系統の抗生物質ですか?

グリシルサイクリン系の抗生物質になります。

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