スピラマイシン

成分名

スピラマイシン

適応症状

先天性トキソプラズマ症の発症抑制

簡易説明

スピラマイシンは、トキソプラズマ原虫に有効な抗トキソプラズマ原虫薬です。妊娠中にトキソプラズマに初感染したとき、またはその疑いが強い場合に使用します。治療目標は、胎児へのトキソプラズマ感染を防ぎ、先天性トキソプラズマ症の発症を抑制することです。治療にもかかわらず、胎児が感染した場合でも、重症度の低下が期待できます。

処方可能な診療科目

内科/循環器科/産婦人科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

病院で処方してもらう時の費用目安
診察料などの目安 :約2,000円~
スピラマイシン錠150万単位「サノフィ」 228.8円/錠(薬価)
※病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2018年9月認可

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

スピラマイシン錠150万単位「サノフィ」【製薬メーカー:サノフィ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

スピラマイシンは 1951年にRhône–Poulenc Research Laboratories にて単離され、1955年にフランスで承認されて以降、70ヵ国以上で細菌感染症治療薬として承認され、販売されています。
なお、米国ではスピラマイシンは承認されていないが、1991年にトキソプラズマ症に対する例外的使用プログラムが開始されました。

スピラマイシン錠150万単位「サノフィ」に関する資料・起原又は発見の経緯及び開発の経緯

【上記引用元:サノフィ株式会社】

効果・作用

「スピラマイシン」はマクロライドの定義に従った構造を有したマクロライド系抗菌薬の一つで、細菌のタンパク合成を阻害して、成長、分裂、増殖を妨げる効果を持ちます。
細菌は生命維持や増殖に必要なタンパク質合成が必要で、タンパク質合成をリボソームという器官で行うのですが、そのリボソームは30Sと50Sというサブユニットに分かれています。
リボソーム50Sサブユニットに作用することで、タンパク質合成を阻害することで細菌の増殖を抑えて殺菌的に作用します。
効能または効果としては、先天性トキソプラズマ症の発症抑制であり、見た目は白色~微黄色の粉末で、エタノール、メタノール、クロロホルム及びアセトンに溶けやすく、エーテルにやや溶けにくく、水に溶けにくい特徴があります。
抗原虫作用の作用機序については十分な解明がなされておらず、トキソプラズマの細胞小器官であるアピコプラストでのタンパク合成を阻害すること等が報告されています。
薬や食べ物で、かゆみや発疹などのアレルギー症状が出たことがある患者が「スピラマイシン」を使用する場合は注意が必要です。
また、他に薬などを使っている場合は、互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありことから、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意が必要です。

▼スピラマイシンとアセチルスピラマイシンの違い
2018年9月に先天性トキソプラズマ症の発症抑制を効能効果とし、保険収載されたスピラマイシンが本邦で発売されました。それまでは抗トキソプラズマ原虫剤として保険収載された薬剤はなく、やむを得ずアセチルスピラマイシンを使用していましたが、今後は保険収載されたスピラマイシンを使用します。

使用方法

▼用法用量
・妊婦には1回2錠(スピラマイシンとして300万国際単位)を1日3回経口投与します。

▼関連する使用上の注意
・妊娠成立後のトキソプラズマ初感染が疑われる場合は、速やかに投与を開始して胎児感染が確認されない場合には、分娩まで投与を継続してください。
・本剤投与中に、胎児へのトキソプラズマ感染が疑われる場合には、本剤の投与継続の適否について検討する等、適切に対応してください。

▼特定の背景を有する患者に関する注意
・QT延長を起こすおそれのある患者(電解質異常のある患者、先天性QT延長症候群の患者、心疾患のある患者)は、QT延長を起こすおそれがある為、注意が必要です。

副作用

主な副作用
蕁麻疹、血管浮腫、血圧低下、呼吸困難等があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
▼偽膜性大腸炎(頻度不明)
腹痛、頻回の下痢等が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。
▼中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症(いずれも頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症等があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
▼QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)、心室細動(いずれも頻度不明)
QT延長、心室頻拍、心室細動等があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
▼肝機能障害(頻度不明)
胆汁うっ滞性肝炎、混合型肝炎等の肝機能障害があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

その他の副作用
・IgA血管炎
・急性溶血、白血球減少症、好中球減少症
・発疹、蕁麻疹、そう痒症
・錯感覚、味覚異常
・腹痛、悪心、嘔吐、下痢
・肝機能検査異常
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■スピラマイシンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方スピラマイシン(スピラマイシン錠150万単位「サノフィ」の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼スピラマイシン錠150万単位「サノフィ」の有効成分
スピラマイシン150万国際単位
▼スピラマイシン錠150万単位「サノフィ」の添加物
結晶セルロース/部分アルファー化デンプン/低置換度ヒドロキシプロピルセルロース/クロスカルメロースナトリウム/ステアリン酸マグネシウム/軽質無水ケイ酸/ヒプロメロース/酸化チタン/マクロゴール6000EP
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■合併症・既往歴等のある患者
QT延長を起こすおそれのある患者(電解質異常のある患者、先天性QT延長症候群の患者、心疾患のある患者)はQT延長を起こすおそれがある為、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。ヒト母乳中に移行することが報告されています。

上記にあてはまる方は、スピラマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。
スピラマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

上記にあてはまる方は、スピラマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。
スピラマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・心電図のQT間隔を延長しやすい薬剤(プロカインアミド、シベンゾリン、アミオダロンなど)…QT延長や不整脈が発現する場合があります
・レボドパ・カルビドパ配合錠…作用を減弱させる可能性があります。

上記を使用している方は、スピラマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。
スピラマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
併用禁忌薬報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
スピラマイシンを服用する際、食事の影響はありますか?

食事と同時に投与しても、スピラマイシンの吸収に影響はないとの報告があります。

スピラマイシンは梅毒の治療薬となりますか?

梅毒の治療には基本的にペニシリンを用いますが、アレルギーの有無によって薬を変える場合があります。
その第三選択薬としてスピラマイシンが用いられる場合があります。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。