イセパマイシン

成分名

イセパマイシン

適応症状

敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎

簡易説明

アミノグリコシド系の抗生物質で、細菌のタンパク質の合成を阻害し殺菌的な抗菌作用を示す医薬品です。
飲み薬ではなく、無色アンプル入りの注射液で主に筋肉注射または、点滴静注で使用します。

敗血症、外傷・熱傷(やけど)および手術創などの二次感染、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎の治療に使用される殺菌的な抗菌作用のお薬です。

処方可能な診療科目

皮膚科/内科など

健康保険の適応

保険適用あり

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:
薬代1本あたりの目安 :200㎎約535円/400mg約1048円(薬価)
薬代後発薬1本の目安 :200㎎約398円/400㎎約767円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

承認年月日:2007年3月14日
販売年月日:2007年7月6日

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

イセパマイシン注射液200【製薬メーカー:MSD(メルク・アンド・カンパニー)】
イセパマイシン注射液400【製薬メーカー:MSD(メルク・アンド・カンパニー)】
エクサシン注射液200【製薬メーカー:旭化成ファーマ】
エクサシン注射液400【製薬メーカー:旭化成ファーマ】

関連製品(ジェネリック)

イセパマイシン硫酸塩注射200mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】
イセパマイシン硫酸塩注射400mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】
シオセシン注射液200【製薬メーカー:シオノケミカル】
シオセシン注射液400【製薬メーカー:シオノケミカル】
イセパマイシン硫酸塩注射液200mg「日医工」【製薬メーカー:日医工】
イセパマイシン硫酸塩注射液400mg「日医工」【製薬メーカー:日医工】

効果・作用

アミノグリコシド系の抗生物質で、細菌の蛋白合成を阻害することにより、殺菌的な抗菌作用を示します。
臨床分離株の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌に強い抗菌作用を示します。
通常、血液に細菌が入り全身に回り、重い症状になる敗血症や、外傷・熱傷(やけど)および手術創などの二次感染、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎の治療に使用されます。

安定性の試験では、イセパマイシン硫酸塩注射液200mg「日医工」及びイセパマイシン硫酸塩注射液400mg「日医工」は通常の市場流通下において2年間安定であることが確認されました。

<適用症状>以下がイセパマイシン注射液の適用症状になります。
・外傷の二次感染
・手術創の二次感染
・腎盂腎炎
・熱傷の二次感染
・肺炎
・敗血症
・腹膜炎
・膀胱炎
・慢性呼吸器病変の二次感染

<適応菌種>以下がイセパマイシン注射液の適用菌種になります。
・イセパマイシンに感性の大腸菌
・シトロバクター属
・クレブシエラ属
・エンテロバクター属
・セラチア属
・プロテウス属
・モルガネラ・モルガニー
・プロビデンシア属
・緑膿菌

使用方法

通常,成人ではイセパマイシン硫酸塩として1日400mg(力価)を1~2回に分け筋肉内注射又は点滴静注する。
点滴静注においては以下のとおりとする。
1日1回投与の場合:1時間かけて注入する。
1日2回投与の場合:30分~1時間かけて注入する。
なお年齢・症状により適宜増減する。

副作用

■イセパマイシンの主な副作用
イセパマイシンには、副作用が起こる可能性があります。
イセパマイシンを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

▼過敏症
蕁麻疹、発疹、そう痒、発熱等
▼腎臓
腎機能障害(BUN・クレアチニン上昇、尿所見異常、乏尿等)、浮腫、血尿、カリウム等電解質の異常
▼肝臓
肝機能障害(AST(GOT)・ALT(GPT)・Al-P・LDH・血清ビリルビンの上昇等)
▼神経
四肢等のしびれ感、脱力感
▼血液
貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増多、血小板増多
▼消化器
下痢、悪心、嘔吐、食欲不振
▼ビタミン欠乏症
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
▼注射部位
発赤、潰瘍形成、疼痛、硬結等
▼その他
けん怠感、ほてり、頭痛、悪寒

■イセパマイシンの副作用(重度)
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
▼ショック
ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、血圧低下等の症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
▼急性腎障害
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
▼第8脳神経障害
眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与すること。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■禁忌
▼本剤の成分並びに他のアミノグリコシド系抗生物質及びバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者

■原則禁忌※次の患者には投与しないことを原則とするが,特に必要とする場合には慎重に投与すること
▼本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者
難聴が発現又は増悪するおそれがある。

上記にあてはまる方は、イセパマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。
イセパマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

使用に注意が必要な方
■イセパマイシンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(2㎎の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
【使用に注意が必要な方】
▼腎障害のある患者
高い血中濃度が持続し、腎障害が悪化するおそれがあり、また、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。
▼肝障害のある患者
肝障害を悪化させるおそれがある。
▼重症筋無力症の患者
神経筋遮断作用がある。
▼高齢者への投与
イセパマイシンは腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用があらわれやすい。
高齢者では,ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
▼妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。また、動物実験(モルモット)で新生仔に外有毛細胞の消失がみられたとの報告がある。
▼小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない。)

上記にあてはまる方は、イセパマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。
イセパマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

該当記載事項なし

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
どれぐらいの期間、使用するものなのですか?

各患者の症状を見ながら使用期間が決定されます。

この前妊娠が発覚しました。現在、通院してイセパマイシン注射液を使用してもらっているのですが、このままで大丈夫なのでしょうか?

新生児に第8脳神経障害(難聴など)があらわれるおそれがあります。
使用期間中に妊娠に気づいたら担当の医師または薬剤師に伝えてください。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。