成分名 |
モキシフロキサシン塩酸塩 |
適応症状 |
表在性皮膚感染症/深在性皮膚感染症/外傷・熱傷及び手術創等の二次感染/咽頭・喉頭炎/扁桃炎/急性気管支炎/肺炎/慢性呼吸器病変の二次感染/副鼻腔炎 |
簡易説明 |
モキシフロキサシン塩酸塩は細菌を殺菌する薬です。
細菌が原因の様々な病気に用いられます。
ニューキノロン系抗菌薬に分類される本剤は、細菌の遺伝情報物質(DNA)の複製を妨げることで、結果として殺菌作用が生じます。旧来の抗菌薬に比べ抗菌力が強く、いろいろな細菌に有効です。副作用も少ないほうです。
腎機能への負担が比較的少なく、腎機能障害がある患者でも比較的安全に投与できるとされています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器科/耳鼻科/眼科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約1,000円~3,000円
薬代1錠あたりの目安:291.3円(薬価)
病院によって差ががあります。また、診察料・薬代の他に、初診料・検査料などが必要になる場合があります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2005年12月【アベロックス錠400mg】 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
アベロックス錠400mg【製薬メーカー:バイエル製薬】
ベガモックス点眼液0.5%【製薬メーカー:ノバルティスファーマ】
※モキシフロキサシン塩酸塩を有効成分とする薬は錠剤と点眼液があります。本記事では錠剤について述べていますが、本項目にのみ、関連製品として点眼液を挙げています。 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
細菌やウイルス、真菌(カビ)などは、総じて病原微生物と呼ばれます。感染症は、病原微生物が人の体に侵入し悪さをする病気です。腫れや発赤を生じ、ときに化膿し、痛みや発熱により苦痛をもたらします。これは、病原微生物と戦うための体の防衛システムでもあります。
モキシフロキサシン塩酸塩が有効なのは、この中でも主に細菌による感染症です。グラム陽性菌・陰性菌をはじめ、クラミジアやレジオネラ、マイコプラズマなどにも有効です。これらの病原菌が死滅すれば、腫れや発赤がおさまり、痛みがとれ、熱があれば解熱します。
具体的には、気管支炎、肺炎などの呼吸器系の感染症を中心に用いられます。本来、インフルエンザを含めた一般的なウイルス性のかぜには無効ですが、細菌による二次感染時やその予防のために処方されることもあります。
細菌の増殖にはタンパク質の合成が必要であり、タンパク質合成には遺伝情報をもつDNAという物質が必要不可欠です。そしてDNAの複製にはDNAジャイレースやトポイソメラーゼIVといった酵素が必要となります。本剤はそういった酵素を阻害し殺菌的に抗菌作用をあらわします。
幅広い抗菌スペクトル(抗菌薬がもつ抗菌作用の範囲)をもち、尿路感染症、腸管感染症、呼吸器感染症、皮膚感染症など幅広い感染症に有用とされています。 |
使用方法 |
通常、成人にはモキシフロキサシンとして、1回400mgを1日1回経口投与して下さい。
※使用上の注意事項
・本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめて下さい。更に、本剤の投与期間は、原則として皮膚科領域感染症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎及び慢性呼吸器病変
の二次感染に対しては7日間以内、肺炎及び副鼻腔炎に対しては10日間以内として下さい。
・体重が40kg未満の患者では、低用量(200mg)を用いるなど慎重に投与して下さい。特に高齢者においては加齢に伴う生理機能の低下等も考えられることから、注意して下さい。 |
副作用 |
重大な副作用
ショック/アナフィラキシー(血管浮腫 等)/心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)/偽膜性大腸炎/アキレス腱炎・腱断裂等の腱障害/痙攣/錯乱・幻覚等の精神症状/失神/意識消失/中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)/皮膚粘膜眼症候群(StevensJohnson症候群)/劇症肝炎/肝炎(主に胆汁うっ滞性)/肝機能障害/黄疸/低血糖/重症筋無力症の悪化/)横紋筋融解症/大動脈瘤、大動脈解離
その他の副作用
アレルギー反応/発疹/蕁麻疹/頭痛/浮動性めまい/錯感覚/睡眠障害/振戦/傾眠/不安/精神運動亢進/感覚鈍麻/異常な夢/協調運動障害/注意力障害/会話障害/健忘/情動不安定/うつ病/離人症/精神病性反応/知覚過敏/多発ニューロパシー/動悸/不整脈/心室性頻脈性不整
脈/高血圧/低血圧/血管拡張/心停止/頻脈/悪心/嘔吐/腹痛/下痢/食欲不振/便秘/消化不良/鼓腸/胃腸炎/嚥下障害 口渇/口内炎/ALT(GPT)上昇/AST(GOT)上昇ビリルビン上昇/γ- G T P上昇/Al-P上昇/脱水/腎機能障害/貧血/白血球減少/好中球減少/血小板減少/血小板増加/好酸球増加/APTT延長/INR増加/INR減少/回転性めまい/味覚障害/視覚障害/嗅覚障害/耳鳴/一時的な視力喪失/聴覚障害/カンジダ症/発汗/瘙痒/無力症/疼痛/アミラーゼ上昇/高脂血症/関節痛/筋痛/呼吸困難/高血糖/高尿酸血症/末梢性浮腫/筋痙攣関節炎/歩行障害/筋力低下
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・本剤の成分又は他のキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者
・重度の肝障害のある患者〔重度の肝障害患者に対する安全性は確立していません。〕
・QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)〔心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長の増悪を起こすことがあります。〕
・低カリウム血症のある患者〔心室性頻拍(Torsades depointesを含む)、QT延長を起こすことがあります。〕
・クラスIA(キニジン、プロカインアミド等)又はクラスⅢ(アミオダロン、ソタロール等)の抗不整脈薬を投与中の患者〔本剤を併用した場合、相加的なQT延長がみられるおそれがあり、心室性頻拍(Torsadesde pointesを含む)、QT延長を起こすことがあります。〕
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。動物実験(サル、経口)で流産が報告されています。〕
・小児等〔小児等に対する安全性は確立していないので、投与しないで下さい。〕
■モキシフロキサシン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方。
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(アベロックス錠の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼アベロックスの有効成分
モキシフロキサシン塩酸塩
▼アベロックスの添加物
・結晶セルロース
・乳糖水和物
・クロスカルメロース
・ナトリウム
・ステアリン酸マグネシウム
・ヒプロメロース
・マクロゴール4000EP
・三二酸化鉄
・酸化チタン
慎重投与
・てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすことがあります。]
・高齢者[腱障害があらわれやすいとの報告があります。]
・重度の徐脈等の不整脈、急性心筋虚血等の不整脈を起こしやすい患者[心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長を起こすことがあります。]
・重症筋無力症の患者[症状を悪化させることがあります。]
・大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴もしくはリスク因子(マルファン症候群等)を有する患者[海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告があります。]
上記にあてはまる方は、モキシフロキサシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 モキシフロキサシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・チアジド系利尿剤/ループ系利尿剤/糖質副腎皮質/ホルモン剤/ACTH/グリチルリチン製剤
〔低カリウム血症のある患者に本剤を投与した場合、心室性頻拍(Torsadesde pointesを含む)、QT延長を起こすことがあります。
これらの薬剤が有するカリウム排泄作用により、低カリウム血症を発現することがあるためです。〕
・エリスロマイシン/抗精神病薬/三環系抗うつ薬
〔本剤を併用した場合、相加的なQT延長がみられるおそれがあります。これらの薬剤ではQT間隔を延長するとの報告があるためです。〕
・アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸剤 等/鉄剤
〔本剤の吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがあります。多価の金属イオン含有製剤を併用した場合、難溶性のキレートを形成し、本剤の消化管からの吸収を減少させ、血中濃度を低下させるためと考えられているためです。本剤服用後2 時間以上あけるなど注意して下さい。〕
・ワルファリン
〔ワルファリンの作用を増強し、プロトロンビン時間の延長があらわれることがあります。ワルファリンの肝代謝を抑制、又は蛋白結合部位での置換により遊離ワルファリンが増加する等と考えられているためです。本剤を併用する場合は、プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等を測定するなど、観察を十分に行って下さい。〕
・フェニル酢酸系又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(ロキソプロフェン 等)
〔本剤を併用した場合、痙攣を起こすおそれがあります。中枢神経系におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられているためです。〕
・副腎皮質ホルモン剤(経口剤及び注射剤)(プレドニゾロン/ヒドロコルチゾン 等)
〔腱障害のリスクが増大するとの報告があります。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとして下さい。〕
上記を使用している方は、モキシフロキサシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 モキシフロキサシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・クラスIA抗不整脈薬(キニジン/プロカインアミド 等)
・クラスⅢ抗不整脈薬(アミオダロン/ソタロール 等)
〔本剤を併用した場合、相加的なQT延長がみられるおそれがあり、心室性頻拍(Torsadesde pointesを含む)、QT延長を起こすこ
とがあります。これらの抗不整脈薬は単独投与でもQT延長作用がみられているためです。〕
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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