成分名 |
ゲンタマイシン |
適応症状 |
表在性皮膚感染症/慢性膿皮症/びらん・潰瘍の二次感染/敗血症/外傷・熱傷及び手術創等の二次感染/肺炎/膀胱炎/腎盂腎炎/腹膜炎/中耳炎 など |
簡易説明 |
「ゲンタマイシン」はアミノ糖を含む配糖体抗生物質の総称であるアミノグリコシド系の熱に安定した抗生物質の一つで、高温高圧滅菌後においても活性を持つことから、ある種の微生物培地の調製などに使われたりします。
日本では、高田製薬がゲンタシンの商品名で販売し、また日医工がゲンタマイシン硫酸塩の商品名で販売しています。
「ゲンタマイシン」は殺菌性の抗生物質で、蛋白合成を阻害する効果があり、緑膿菌、大腸菌、インフルエンザ桿菌、クレブシエラ菌、セラチア菌、アシネトバクター、シトロバクター、エンテロバクターなど血液感染の原因となるようなグラム陰性桿菌に対して特に抗菌活性を持ちます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/皮膚科/呼吸器科/消化器科/循環器科/耳鼻咽喉科/泌尿器科/口腔外科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
ゲンタシン軟膏0.1% 11円/g(薬価)
ゲンタシンクリーム0.1% 11円/g(薬価)
ゲンタシン注10 116円/管(薬価)
ゲンタシン注40 291円/管(薬価)
ゲンタシン注60 307円/管(薬価)
*病院によって差が有り。初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1970年6月認可 |
国内のジェネリック認可 |
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関連製品(先発薬) |
ゲンタシン軟膏0.1%【製薬メーカー:高田製薬】
ゲンタシンクリーム0.1%【製薬メーカー:高田製薬】
ゲンタシン注10【製薬メーカー:高田製薬】
ゲンタシン注40【製薬メーカー:高田製薬】
ゲンタシン注60【製薬メーカー:高田製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
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効果・作用 |
「ゲンタマイシン」はアミノ糖を含む配糖体抗生物質の総称であるアミノグリコシド系抗生物質で、塩基性・可溶性であり、酸素依存性に細胞膜から細菌細胞内へ輸送されて、真正細菌のリボソームに作用することで蛋白質の合成を阻害します。
「ゲンタマイシン」は他のアミノグリコシド系抗生物質と同様に、小腸で吸収された後、門脈を経由して肝臓で到達して不活化されることから、経口投与での効果はありません。
そのため、軟膏による皮膚への塗布や、静脈注射、筋肉注射、局所投与などの方法で利用されています。
「ゲンタマイシン」は抗菌力が強くて殺菌的であり、なおかつ抗菌スペクトルが広い特徴を持っており、緑膿菌、大腸菌、インフルエンザ桿菌、クレブシエラ菌、セラチア菌、アシネトバクター、シトロバクター、エンテロバクターなど血液感染の原因となるようなグラム陰性桿菌に対して強い抗菌活性を持ちます。
しかし、黄色ブドウ球菌などのグラム陽性菌や、淋菌・髄膜炎菌のようなグラム陰性球菌、またレジオネラ菌による感染症には効果がありません。
副作用は少ないですが長期間にわたって服用する場合は注意が必要で、「ゲンタマイシン」を含むアミノグリコシド系抗生物質は耳に対し毒性を持ち、前庭神経に対する毒性は平衡感覚障害をきたすことがあり、また高い腎毒性を持つことから、場合によっては急性腎不全に至ることがあります。
「ゲンタマイシン」の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐために、原則として感受性を確認して疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが推奨されています。 |
使用方法 |
▼表在性皮膚感染症、慢性膿皮症、びらん・潰瘍の二次感染での用法用量
・1日1回から数回患部に塗布します。またはガーゼなどにのばしたものを患部に貼付します。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認して、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめてください。
▼敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、中耳炎での用法用量
・成人ではゲンタマイシン硫酸塩として1日3mg(力価)/kgを3回に分割して筋肉内注射または点滴静注します。増量する場合は、1日5mg(力価)/kgを限度とし、3回から4回に分割して投与します。
・小児では、1回2.0mgから2.5mg(力価)/kgを1日2回から3回筋肉内注射または点滴静注します。点滴静注においては30分から2時間かけて注入します。なお、年齢、症状により適宜減量します。
・本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐために原則として感受性を確認して、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめてください。
・腎障害のある患者には、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用してください。
・成人に1日最大5mg(力価)/kgまで増量した場合、副作用の発現を防ぐために臨床的改善が認められた場合は、速やかに減量してください。 |
副作用 |
副作用発現状況の概要について、筋肉内注射については、使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していません。点滴静注については、副作用集計の対象となった5,403例中145例(2.68%)で副作用が確認されており、その主な種類は肝機能異常29例(0.54%)、腎機能異常27例(0.50%)、ALT(GPT)上昇25例(0.46%)、AST(GOT)上昇21例(0.39%)等となっています。
重大な副作用
▼ショック(頻度不明)
ショックを起こすことがあります。観察を十分に行って、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、心悸亢進、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止して適切な処置をおこなってください。
▼急性腎障害(0.1%未満)
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあります。定期的に検査を行うなど観察を十分に行って、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置をおこなってください。
▼第8脳神経障害(0.1%未満)
眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあります。観察を十分に行って、これら症状があらわれた場合には投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与してください。
その他の副作用
・発疹等
・腎障害、難聴
・そう痒等
・発疹、発熱等
・浮腫
・腎機能障害(BUN・クレアチニン上昇、尿所見異常、乏尿等)
・血尿、カリウム等電解質の異常
・ビリルビン上昇
・肝機能障害(AST(GOT)・ALT(GPT)・Al-Pの上昇等)
・四肢のしびれ感、幻覚、妄想、痙攣、意識障害
・頭痛
・好酸球増多
・貧血、白血球減少、血小板減少
・嘔吐、食欲不振
・悪心
・ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
・疼痛、硬結等
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤並びに他のアミノグリコシド系抗生物質及びバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
本剤並びに他のアミノグリコシド系抗生物質及びバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者
本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者は難聴が発現又は増悪するおそれがあります。原則として投与しないこととしますが、特に必要とする場合には慎重に投与してください。
■腎障害のある患者
腎障害のある患者は高い血中濃度が持続し、腎障害が悪化するおそれがあります。また、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがあります。慎重に投与してください。
■肝障害のある患者
肝障害のある患者は肝障害を悪化させるおそれがあります。慎重に投与してください。
■重症筋無力症の患者
重症筋無力症の患者は神経筋遮断作用があります。慎重に投与してください。
■高齢者
高齢者には用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
■経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者はビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行い、慎重に投与してください。
■妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。また、授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいですが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けてください。
■小児等への投与
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していません。低出生体重児や新生児では腎の発達が未熟であることから、血中濃度の半減期が延長し、高い血中濃度が長時間持続するおそれがあります。やむを得ず投与する場合には投与間隔を延長するなど慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、ゲンタマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。 ゲンタマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・腎障害を起こすおそれのある血液代用剤(デキストラン、ヒドロキシエチルデンプンなど)
・ループ利尿剤(エタクリン酸、アゾセミド、フロセミドなど)
・腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤(バンコマイシン塩酸塩、エンビオマイシン硫酸塩、白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)など)
上記を使用している方は、ゲンタマイシンを使用する事が出来ない可能性があります。 ゲンタマイシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・麻酔剤、筋弛緩剤(ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物、パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物、トルペリゾン塩酸塩、ボツリヌス毒素など)
・筋弛緩作用を有する薬剤(コリスチンメタンスルホン酸ナトリウムなど)
・腎毒性を有する薬剤(シクロスポリン、タクロリムス水和物、アムホテリシンB、ホスカルネットナトリウム水和物、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウムなど)
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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