クロキサシリンナトリウム

成分名

クロキサシリンナトリウム

適応症状

敗血症/肺炎/肺膿瘍/慢性呼吸器病変の二次感染/膀胱炎/腎盂腎炎/中耳炎/副鼻腔炎/歯周組織炎/歯冠周囲炎/顎炎/抜歯創・口腔手術創の二次感染 など

簡易説明

「クロキサシリンナトリウム」はペニシリン系の代表的な抗生物質で、中耳炎、副鼻腔炎、敗血症、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎などの治療に用いられます。
日本では、Meiji Seikaファルマがビクシリンの商品名で販売しています。
「クロキサシリンナトリウム」は細菌感染症の治療に用いられ、グラム陽性菌を中心に、大腸菌、インフルエンザ菌などグラム陰性菌の一部に対して特に抗菌活性を持ちますが、緑膿菌やセラチアには効果がありません。
「クロキサシリンナトリウム」は様々な細菌に有効であることから、耳鼻科や呼吸器科を中心に各科で用いられることや、発熱をともなう風邪などの症状にも処方されます。

処方可能な診療科目

内科/耳鼻咽喉科/呼吸器科/循環器科/泌尿器科/口腔外科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
注射用ビクシリンS500 219円/瓶(薬価)
注射用ビクシリンS1000 396円/瓶(薬価)
*病院によって差が有り。初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1970年8月認可

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

注射用ビクシリンS500【製薬メーカー:Meiji Seikaファルマ】
注射用ビクシリンS1000【製薬メーカー:Meiji Seikaファルマ】
注射用ビクシリンS100【製薬メーカー:Meiji Seikaファルマ】

関連製品(ジェネリック)

ビクシリンS配合錠【製薬メーカー:Meiji Seikaファルマ】

効果・作用

「クロキサシリンナトリウム」はペニシリン系の代表的な抗生物質で、細菌の細胞壁合成を阻害する作用を持ち、細菌の成長・分裂・増殖を妨げる効果を持ちます。
細菌は細胞壁とよばれる防御壁をもちますが、細菌の細胞壁の合成に深く関わるタンパク質にペニシリン結合タンパク質(PBP)があります。
「クロキサシリンナトリウム」はペニシリン結合タンパク質(PBP)に作用して、細菌の細胞壁合成を阻害して細菌を殺すことにより殺菌的に作用します。
「クロキサシリンナトリウム」は、グラム陽性菌を中心に、大腸菌、インフルエンザ菌などグラム陰性菌の一部に対して強い抗菌活性を持ちます。
しかし、緑膿菌やセラチアには効果がありません。
「クロキサシリンナトリウム」は、インフルエンザを含めて一般的なウイルス性の風邪の症状に対しては効果はないのですが、細菌による二次感染時やその予防のために用いることがあります。
「クロキサシリンナトリウム」は安全性の高い抗生物質で、呼吸器や耳鼻科領域を中心に中耳炎、副鼻腔炎、敗血症、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎など感染症に用いられます。
「クロキサシリンナトリウム」の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐために、原則として感受性を確認して疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめることが推奨されています。

使用方法

[筋注の場合]
・成人には合剤(アンピシリンナトリウム・クロキサシリンナトリウム水和物)として、1日量1.5~3.0g(力価)を3~4回に分け筋肉内注射します。
・小児には合剤(アンピシリンナトリウム・クロキサシリンナトリウム水和物)として、1日量50~100mg(力価)/kgを3~4回に分け筋肉内注射します。

[点滴静注の場合]
・用時溶解し、成人には合剤(アンピシリンナトリウム・クロキサシリンナトリウム水和物)として、1回量1.0~2.0g(力価)を250mL~500mLの輸液中に溶解して、1日2回1~2時間かけて点滴静注します。なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減します。

副作用

副作用発現状況の概要について、全国の医療機関より寄せられた主に点滴静注による症例報告8,994例中、副作用発現症例は147例1.63%で、延件数169件の副作用が確認されています。

重大な副作用
・ショック、アナフィラキシー(0.1%未満)
・中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
・無顆粒球症、溶血性貧血(0.1%未満)
・急性腎障害等の重篤な腎障害(0.1%未満)
・偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)

その他の副作用
・発熱、発疹、蕁麻疹等
・好酸球増多、顆粒球減少、血小板減少、貧血
・AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P上昇、黄疸
・下痢、悪心、食欲不振等
・痙攣等の神経症状(腎不全の患者に大量投与時)
・口内炎、カンジダ症
・ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
・悪寒、全身倦怠感、頭痛等

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

■伝染性単核症のある患者
伝染性単核症のある患者(アンピシリン)は発疹の発現頻度を高めることがあります。投与しないでください。

■ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者には慎重に投与してください。

■本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者には慎重に投与してください。

■高度の腎障害のある患者
高度の腎障害のある患者は血中濃度が持続します。慎重に投与してください。

■高齢者
高齢者では生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいことから、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある為、慎重に投与してください。

■経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者(アンピシリン)は、ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行い、慎重に投与してください。

■妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいですが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させてください。

上記にあてはまる方は、クロキサシリンナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
クロキサシリンナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・経口避妊薬(経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。)

上記を使用している方は、クロキサシリンナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
クロキサシリンナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
診察時に医師に伝えておくことはありますか?

アレルギーや喘息、じん麻疹、腎臓病などの持病がある場合は医師に必ず伝えてください。

授乳婦に「クロキサシリンナトリウム」を使って良いですか?

授乳中の婦人には投与しないことが望ましく、やむを得ず投与する場合には授乳を中止してください。

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