成分名 |
ファロペネムナトリウム水和物 |
適応症状 |
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎など |
簡易説明 |
細菌などの増殖を阻害することにより抗菌作用を示します。細菌が原因となるさまざまな病気、感染症の治療に用いるペネム系の抗生物質です。皮膚感染症、呼吸器感染症、耳鼻科感染症など広い範囲の感染症の治療に使用されます。白色の錠剤を服薬します。小児用(ファロムドライシロップ小児用10%)も存在します。 |
処方可能な診療科目 |
形成外科、皮膚科、内科、呼吸器内科、眼科、産婦人科、泌尿器科、肛門科、耳鼻咽喉科、歯科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
91.8円/1錠(150mg)、116円/1錠(200mg)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
製造販売承認年月日:1997年4月22日
薬価基準収載年月日:1997年6月20日
発売年月日:1997年6月20日 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリック有り |
関連製品(先発薬) |
ファロム (マルホ株式会社) |
関連製品(ジェネリック) |
ファロバクト(シプラ社) |
効果・作用 |
ファロペネムナトリウム水和物は基本骨格にペネム環を有するペネム系経口抗生物質です。
最高血中濃度到達時間は1~1.4時間です。
▼抗生物質とは
病原微生物に対して殺菌作用、あるいは発育抑制作用(静菌作用)を持つ化合物のうち微生物が産生するもの。さらに、微生物が産生する抗がん、抗腫瘍活性を持つ化合物も抗生物質といわれています。これらは微生物が他の微生物の増殖を抑制するために生合成してい流者です。同様の作用を有し、化学的に合成されたものは化学療法薬と呼ばれています。
■適応菌種
ファロペネムに感性のあるブドウ球菌属/レンサ球菌属/肺炎球菌/腸球菌属/モラクセラ(ブランハメラ)/カタラーリス/大腸菌/シトロバクター属/クレブシエラ属/エンテロバクター属/プロテウス・ミラビリス/インフルエンザ菌/ペプトストレプトコッカス属/バクテロイデス属プレボテラ属/アクネ菌
■抗菌作用
ファロペネムは試験管内で好気性グラム陽性菌、好気性グラム陰性菌及び嫌気性菌に対し広範な抗菌スペクトル(*1)を有します。特に、好気性グラム陽性菌のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、好気性グラム陰性菌のシトロバクター属、エンテロバクター属、百日咳菌及び嫌気性菌のペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属等に対して強い抗菌力を示し、その作用は殺菌的です。
■作用機序
細菌の細胞壁合成阻害により殺菌作用を示します。各種ペニシリン結合蛋白質(PBPs)との親和性は高く、特に細菌の増殖に必須である高分子PBPとの親和性が高いです。
(*1)抗菌スペクトル:各抗菌性物質がどの細菌に有効であるかの範囲を示したものを抗菌スペクトル(または抗菌域)という。 |
使用方法 |
■ファロム錠
・皮膚感染症、扁桃炎、子宮内感染、気管支炎など:
通常、成人は主成分として1回150~200mg(力価)を1日3回服用します。
・肺炎、肺膿瘍、膀胱炎(単純性を除く)、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、中耳炎、副鼻腔炎など:
通常、成人は主成分として1回200~300mg(力価)を1日3回服用します。
※治療を受ける疾患や年齢・症状によって適宜増減されることがあります。必ず指示された服用方法に従ってください。
■ファロムドライシロップ小児用 10%
・小児に対して投与する場合は、ファロペネムナトリウム水和物として1回5mg(力価)/kgを1日3回、用時溶解して経口投与してください。
※年齢、体重及び症状に応じて適宜増減し、増量の場合は1回10mg(力価)/kgを上限としてください。
※本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめてください。
※患者の状態等によって投与量を増量する場合であっても、1回10mg(力価)/kgを超えないこととし、慎重に行ってください。
※年長児への投薬にあたっては、成人での上限用量の1回300mg(力価)、1日3回(1日900mg(力価))を超えないよう留意してください。 |
副作用 |
主な副作用
主な副作用として、下痢、腹痛、軟便、発疹、嘔気、かゆみ、蕁麻疹、発熱、発赤、紅斑などが報告されています。最も発現頻度が高い副作用は下痢、軟便で、本症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行ってください。下痢の予防に、乳酸菌の整腸薬と併用することがあります。特に高齢者では、下痢、軟便の発現が全身状態の悪化につながるおそれがあるので、このような症状があらわれた場合には直ちに医師の指示を受けるようにしてください。
重大な副作用
■アナフィラキシー様のショック
冷や汗が出る、気分が悪い、息苦しい
■肝機能障害、黄疸
体がだるい、食欲がない、皮膚や白目が黄色くなる
■中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群
高熱(38℃以上)、眼の充血、唇のただれ
■間質性肺炎
・階段を登ったり、少し無理をすると息切れがする
・息苦しくなる、空咳が出る、発熱する
■横紋筋融解症
手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む、手足がしびれる、手足に力が入らない
■偽膜性大腸炎など
血便を認める
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本成分に対し過敏症の既往歴のある方
■薬や食べ物を摂取して、痒み、発疹、かぶれなどのアレルギー症状が出たことがある方
■本人または家族に気管支喘息、発疹、蕁麻疹などのアレルギー症状を起こしやすい体質がある方
■腎臓の疾患を有する方
■妊娠中または授乳中の方
■高齢者
■経口摂取の不良な方、または非経口栄養の方、全身状態の悪い方(ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行ってください)
上記にあてはまる方は、ファロペネムナトリウム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 ファロペネムナトリウム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ■抗生物質のイミペネム・シラスタチンナトリウムは、動物実験(ラット)において、本剤の血中濃度が上昇させることが報告されています。チエナムなどを点滴注射している方は注意が必要ですので医師や薬剤師に相談してください。
■利尿薬のフロセミドは、動物実験(イヌ)において、本剤の腎毒性が増強させることが報告されています。フロセミド、ラシックスなどの利尿薬を服用中の方は注意が必要ですので医師や薬剤師に相談してください。
上記を使用している方は、ファロペネムナトリウム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 ファロペネムナトリウム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ■てんかん薬のバルプロ酸ナトリウム(デパケンなど)の作用を弱める可能性があります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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