成分名 |
クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウム |
適応症状 |
〈適応菌種〉
クロラムフェニコールに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、髄膜炎菌、大腸菌、サルモネラ属、チフス菌、パラチフス菌、クレブシエラ属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、軟性下疳菌、百日咳菌、野兎病菌、ガス壊疽菌群、リケッチア属、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)
〈適応症〉
敗血症、表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管
支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、淋菌感染症、軟性下疳、性病性(鼠径)リンパ肉芽腫、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、感染
性腸炎、腸チフス、パラチフス、子宮内感染、子宮付属器炎、化膿性髄膜炎、涙嚢炎、角膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、猩紅熱、百日咳、野兎病、ガス壊疽、発疹チフス、発疹熱、つつが虫病 |
簡易説明 |
クロラムフェニコールは、1947年にファイザー社から発表された広範囲抗生物質です。当初は発酵法で製造されていましたが、現在は化学合成により製造されています。特に、グラム陽性・陰性菌、レプトスピラ、リケッチア、クラミジアなど幅広い作用範囲から高い価値を持つとされています。ただし、水への溶解性が低いという問題があり、これを解消するためにクロロマイセチンサクシネートという誘導体が開発され、1960年に承認されました。本剤は髄液に高濃度で移行し、クロラムフェニコール感受性インフルエンザ菌性化膿性髄膜炎や嫌気性菌性化膿性髄膜炎の治療に有効です。また、体内で迅速にクロラムフェニコールに分解され、その効力を発揮します。 |
処方可能な診療科目 |
総合内科/消化器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:1g約611円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1959年10月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
クロロマイセチンサクシネート静注用1g【製薬メーカー:アルフレッサファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
アメリカやイギリス、カナダやオーストラリアで販売されています。 |
効果・作用 |
クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウムは、1947年にファイザーで開発された感染症治療薬です。ペニシリン、ストレプトマイシン硫酸塩の次に開発され、本剤はこれまでの薬剤と比較し、グラム陽性・陰性菌、レプトスピラ、リケッチア、クラミジアなど広い範囲に作用することが特徴でした。本剤は高濃度のまま髄液に移行することがわかっており、そのため、クロラムフェニコールに感受性のあるインフルエンザ菌性化膿性髄膜炎や嫌気性菌性化膿性髄膜炎への有効性が特に期待されています。
また、水に対する溶解性が高く、経口投与が難しい方に対しても注射で投与することが可能です。
作用機序としては、細菌の蛋白合成を阻害することによって、静菌的に効果を発揮すると考えられています。
本剤に関する臨床試験結果は添付文書に記載されておりませんが、参考情報として、クロラムフェニコールやパルミチン酸エステル、コハク酸エステル、ステアロイルグリコール酸エステルの各誘導体を含む薬剤による報文382編の結果は報告されています。結果、クロラムフェニコール製剤の全身的投与総数 11241 例中 9606 例が有効であり、有効率は 85.5%でした。 |
使用方法 |
成人1回 0.5~1gを1日2回静脈内注射します小児には、1回体重1kg あたり、15~25mgを1日2回静脈内注射します。
年齢や症状に合わせて増減が可能です。 |
副作用 |
主な副作用
・肝障害
・菌交代症
重大な副作用
血液・・顆粒球減少、血小板減少症(頻度不明)
肝臓・・肝障害(頻度不明)
消化器・・胃部圧迫感、悪心、嘔吐、軟便、下痢、腸炎(頻度不明)
過敏症・・過敏症状(頻度不明)
菌交代症・・菌交代症(頻度不明)
ビタミン欠乏症・・ビタミン K 欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)/ビタミン B 群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)(頻度不明)
<再生不良性貧血>
血液検査を行うなどして患者の状態を観察してください。
(腹部膨張に始まる嘔吐、下痢、皮膚蒼白、虚脱、呼吸停止などの症状が発症し、予後が重篤になる可能性がありますので注意をしてください。
<視神経炎、末梢神経炎>
長期投与によって、視神経炎もしくは末梢神経炎があらわれることがあります。もし、視覚の異常、四肢のしびれや異常感等があらわれた場合にはすぐに投与を中止し、適切な処置を行ってください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼クロロマイセチンサクシネートの有効成分
クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウム
・以前、クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウムを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・造血機能の低下している方は、クロラムフェニコール投与後に再生不良性貧血、顆粒球減少、血小板減少等の重篤で致命的な血液障害の発生が報告されていますので使用できません。
・低出生体重児、新生児は、過量投与によりって腹部膨張に始まる嘔吐、下痢、皮膚蒼白、虚脱、呼吸停止などの症状を伴うGray syndromeが発症し、その予後が重篤であることがわかっているため、使用できません。
・骨髄抑制を起こす可能性のある薬剤を投与中の方は、本剤との併用によって骨髄抑制作用が増強されることがあるため使用できません。
使用に注意が必要な方 ・経口摂取のできない方もしくは非経口栄養の方、全身状態の悪い方は、抗生物質投与中にビタミン K 欠乏による出血傾向を認めた症例が報告されています。
・腎機能障害のある方は、クロラムフェニコールの血中濃度が高くなるため、副作用発現の危険性が増加する恐れがあります。
・肝機能障害のある方は、クロラムフェニコールの血中濃度が高くなるため、副作用発現の危険性が増加する恐れがあります。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性は、投与するメリットが上回るとされる場合にのみ投与を検討してください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、副作用などに注意をしてください。ビタミンK欠乏によって出血傾向があらわれることがあります。
上記にあてはまる方は、クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)>
クマリン系抗凝血剤の作用を強めてしまうリスクがあります。
<スルホニル尿素系経口血糖降下薬(クロルプロパミド/グリメピリド等)、インスリン製剤>
経口血糖降下薬、インスリン製剤の血糖降下作用を増強させてしまう恐れがあります。
<リファンピシン>
本剤の血中濃度が減少する可能性があります。
<シクロフォスファミド水和物>
シクロフォスファミドの作用を弱めてしまうリスクがあります。
<メトトレキサート>
メトトレキサートの作用を強めてしまう可能性があります。
<バルビツール酸誘導体(フェノバルビタール等)>
本剤の血中濃度が減少することがあります。
<シクロスポリン>
シクロスポリンの血中濃度を上昇させてしまう可能性があります。
上記を使用している方は、クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 <骨髄抑制を起こす可能性のある薬剤>
骨髄抑制作用が強まってしまう可能性があります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウムに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
クロロマイセチンサクシネート 添付文書 |
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