成分名 |
クロファジミン |
適応症状 |
ハンセン病 |
簡易説明 |
クロファジミンはハンセン病に適応のある医薬品です。
ハンセン病とはらい菌という抗酸菌が起こす感染症になります。らい菌を発見した医師ハンセンにちなんで、ハンセン病という病名が名づけられました。主に皮膚、末梢神経を侵しますが、眼、鼻・のど・くちなどの粘膜や一部の内臓にも病変が生じる事があります。
感染経路ははっきりとは分かっておらず、治療を受けていない患者との頻繁な接触により、飛沫を介し感染するものと考えらえています。
治療方法が見つからなった時代においてはハンセン病患者は隔離した施設へ追いやられ、社会から疎外された状態で生涯を過ごすことを余儀なくされていました。今は治療薬もあり完治する疾患ではありますがその名残がまだ残っているようです。
高齢の医師、高齢の看護師、一部の皮膚科医を除くと、ハンセン病患者を診察した経験のある医師及び看護師はほとんどないに等しいようです。
ハンセン病を主体的に診療するのは皮膚科の医師です。しかし、その皮膚科医であってもハンセン病の患者を一度も診たことがないと言う先生がほとんどです。 |
処方可能な診療科目 |
皮膚科/眼科/歯科/内科/神経内科/胃腸科/整形外科/精神科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
ハンセン病そのものの診療を希望する場合、あるいは受診する診療科が分からない場合には、まず皮膚科を受診してください。さらに高度で専門的な治療を必要とする時には、大病院や大学病院を紹介されることがあります。
病院によっても若干前後しますがおおよそ以下の通りですが、検査する項目が多ければさらに加算されます。
症状の如何によっては入院により治療を行います。病室は相部屋になります。差額料金(1日5000円~50000円程度)を支払うことで個室になることも可能です。付き添いについては、各病院の方針があり、不可能な場合もあります。
診察料としては3500円~5000円
入院費としては20000円~
薬剤料としては190円(1日分)~ |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1996年11月12日製造販売承認
1996年11月12日薬価基準収載
1996年12月8日発売 |
国内のジェネリック認可 |
国内においてジェネリック医薬品の販売はありません |
関連製品(先発薬) |
ランプレンカプセル50mg【製薬メーカー:サンド株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
クロファジミン (ランプレン ジェネリック)【製薬メーカー:Abbott】
ハンセプラン (クロファジミン)【製薬メーカー:Abbot】 |
効果・作用 |
クロファジミンの効能効果は、適応菌種として、「本剤に感性のらい菌」、適応症としては「ハンセン病」を治療する医薬品として、日本においてランプレンカプセル50mgが承認されております。
【作用機序】
クロファジミンはイミノフェナジン系の染料である。マクロファージのライソゾーム酵素の活性化、らい菌(Mycobacterium leprae)のDNA複製阻害をして静菌作用と弱い殺菌作用を示すとの報告がありますが、その正確な作用は明らかにはされておりません。
またクロファジミンには抗炎症作用を有する事から、らい性結節性紅斑患者の治療にも用いられております。
【ハンセン病とは】
ハンセン病は、抗酸菌の一種でらい菌によって引き起こされ、皮膚と末梢神経に主病変の現れる慢性疾患である。現在は非常に有効な治療法があり、外来で治療可能で、治癒する病気であるとされます。
世界保健機関(WHO)では、以下の3項目を一つ以上見たし、かつ(WHOの方法による一定期間の)治療を完了していないものをハンセン病と定義しています。
①明らかな知覚脱失を伴う、脱色素あるいは紅色皮疹(単発あるいは多発)
②末梢神経の障害で、知覚脱失を伴う明らかな末梢神経肥厚がある。
③皮膚からの抗酸菌塗抹検査が陽性
初発症状としては、顔面・上下肢などの露出部位、特にその仲間等の低体温部位に起こる皮疹と、末梢神経炎の結果生じる知覚障害が多いが、運動障害を伴うこともあります。
【治療法】
ハンセン病治療薬としては、主にリファンピシン、クロファジミン、ジアフェニルスルホン、オフロキサシンが使用されます。多剤併用が原則です。多剤併用療法によって治療期間が短くなり、耐性の出現が抑えられ、再発はまれになっております。また保険適応外ですが、レボフロキサシン、スパルフロキサシン、モキシフロキサシン、クラリスロマイシン、ミノサイクリン、リファプチン等の使用例もあります。 |
使用方法 |
【ハンセン病(多菌型)】
通常成人には、クロファジミンとして50mgを1日1回または200~300mgを週2~3回に分割して、食直後に経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。投与期間は最低2年とし、可能であれば皮膚塗抹陰性になるまで投与すること。
原則として、他剤と併用して使用すること。
【ハンセン病(らい性結節性紅斑)】
通常成人には、クロファジミンとして100mgを1日1回、食直後に経口投与する。らい反応が安定した場合には100mgを週3回に減量する。
投与期間は3カ月以内とする。
【重要な基本的注意事項】
(1)『ハンセン病診断・治療指針』を用いて治療方針を立てる事とされております。
(2)全ての病院・診療所の医師は、クロファジミンによる治療を行う場合、患者又はその家族に十分な説明を行い、インフォームド・コンセントを得た上で治療を開始する事とされております。
(3)クロファジミンを高用量で長期投与した場合において、まれに腸閉塞、脾臓梗塞を起こすことが報告されている為、胃腸症状がみられた場合には、直ちにクロファジミンの減量、又は休薬などの処置を行う事が必要となります。
(4)クロファジミンの副作用に皮膚の着色(頻度不明)が報告されております。
皮膚の着色により、結果的に抑うつ症状を生じる可能性があるので、患者の精神状態には十分注意が必要となります。
クロファジミン使用による皮膚等の着色は可逆的ではありますが、本剤中止後、消失までに数ヵ月~数年かかる為、患者の状態を考慮しつつあらかじめその内容について説明しておく必要があります。
なお、皮膚の着色は日光暴露によって濃くなることが報告されている為、季節に関係なく肌の露出は控える様説明が必要となります。
(5)クロファジミン投与中にめまい、視力低下、疲労、頭痛が生じる場合がある為、自動車の運転等危険を伴う作業を行わないよう十分な説明が必要になります。 |
副作用 |
重大な副作用
1)腸閉塞(頻度不明)
2)脾臓梗塞(頻度不明)
3)血栓塞栓症(頻度不明)
このような副作用が現れることがある。このような場合には投与を中止し、適切な処置を行う事。
その他の副作用
1)皮膚
皮膚着色(皮膚病変及び皮膚が暗赤色~黒褐色に着色)、色素沈着障害、毛髪の着色、皮膚乾燥、光線過敏症、魚鱗癬、痤瘡様発疹、紅皮症、発疹、瘙痒、剥脱性皮膚炎(頻度不明)
2)消化器
胃腸出血、好酸球性腸炎、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘、食欲不振、胃不快感(頻度不明)
3)眼
結膜・角膜・涙液の着色、黄斑部・角膜上皮下の色素沈着、眼の乾燥・刺激・灼熱感、視力低下(頻度不明)
4)精神神経系
めまい、頭痛、嗜眠、神経痛、皮膚着色による抑うつ症状(頻度不明)
5)肝臓
肝炎、黄疸、肝腫大、AST(GOT)上昇、ビリルビン上昇(頻度不明)
6)血液
貧血、好酸球増多(頻度不明)
7)その他
汗・痰・尿・便・鼻汁・精液・母乳等の着色、リンパ節症、膀胱炎、骨痛、浮腫、疲労、発熱、血管痛、レイノー様現象、体重減少、味覚障害、モニリア口唇炎、低カリウム血症、血糖値上昇、血沈亢進、血清アルブミン増加(頻度不明)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
有効成分:クロファミジン
添加物:ナタネ油、ミツロウ、硬化油、大豆レシチン、ジブチルヒドロキシトルエン、無水クエン酸、プロピレングリコール
カプセル本体:ゼラチン、グリセリン、三二酸化鉄、黒酸化鉄、パラオキシ安息香酸エチルナトリ
ウム、パラオキシ安息香酸プロピルナトリウム、香料、エチルバニリン含有
使用に注意が必要な方 ①胃腸障害(頻回の下痢・腹痛等)のある患者
本剤の主な副作用である胃腸障害は、アメーバ感染や微生物感染による胃腸疾患を合併している患者でより頻繁にみられているため、胃腸障害のある患者では、症状が悪化する恐れがあります。
②高齢者への投与
一般的に高齢者では、生理機能が低下しているので減量するなど慎重に投与する事。
高齢者では肝機能、腎機能の生理機能が低下していることが多く、副作用も現れやすいので、慎重に投与する事とされております。
③妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する事。本剤はヒトの胎盤を通過します。妊娠中に本剤の投与を受けた患者から生まれた新生児に皮膚着色がみられたとの報告があります。
(2)妊娠中に投与した場合、胎盤を通過し、出生時に皮膚着色がみられたことがある。
(3)本剤投与中に妊娠が確認された場合には、継続治療の必要性について検討する事。
妊娠中はハンセン病の症状が悪化しやすいとの報告があります。
(4)授乳中の婦人に投与する事を避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。
ヒト母乳中平衡し、母乳及び乳児の皮膚が着色することがあります。
上記にあてはまる方は、クロファジミンを使用する事が出来ない可能性があります。 クロファジミンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬及び併用注意薬の該当はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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