イノシンプラノベクス

成分名

イノシンプラノベクス

適応症状

亜急性硬化性全脳炎患者における生存期間の延長

簡易説明

イノシンプラノベクスの作用は大きく2つあります。
①ウイルス感染に対する防御機能を高めます。おもに患者さんの免疫細胞(Tリンパ球、マクロファージ)に作用するものと考えられています。ウイルスを除去する「抗体」と飛ばれる物質を産生する機能を高めます。②ウイルス自体への直接的な抗ウイルス作用を発揮します。高濃度のイノシンプラノベクスによって亜急性硬化性全脳炎(SSPE)ウイルスの増殖を抑制します。また、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)ウイルスだけでなく、ワクチニアウイルス、単純ヘルペスウイルスなどのDNAウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルス、などのRNAウイルスの増殖も抑制することができ、多くのウイルスに対して効果を発揮します。

処方可能な診療科目

外科/脳外科/脳神経外科/神経内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円~2000円
薬代1錠あたりの目安:400mg 171.3円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はイソプリノシン錠400mgの薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1988年9月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

イソプリノシン錠400mg【製薬メーカー:持田製薬株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

イノシンプラノベクスは「亜急性硬化性全脳炎」治療中の患者さんにおける生存期間を延長させる目的で使用します。
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は、麻疹(はしか)に感染してから、数年のあいだウイルスが身体に潜伏した後に発病します。発病した後は、数ヶ月から数年の経過(亜急性)で神経系の症状が進行していきます。明確な治療方針、治療薬は未だ確立されていないので、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)を発症した後の症状回復が難しい病気です。多くのウイルス感染は数日間から数週間のあいだに発症するのですが、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の場合、潜伏期間が数年間と非常に長くゆっくりと進行、増悪するウイルス感染です(遅発性ウイルス感染)。
イノシンプラノベクスの作用は「ウイルス感染に対する防御機能を高める」、「ウイルス自体への直接的な抗ウイルス作用」の2つがあります。前者は、おもに患者さんの免疫細胞(Tリンパ球、マクロファージ)に作用するものと考えられています。ウイルスを除去する「抗体」と飛ばれる物質を産生する機能を高めます。後者は、高濃度のイノシンプラノベクスによって亜急性硬化性全脳炎(SSPE)ウイルスの増殖を抑制すると考えられています。亜急性硬化性全脳炎(SSPE)ウイルスだけでなく、ワクチニアウイルス、単純ヘルペスウイルスなどのDNAウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルス、などのRNAウイルスの増殖も抑制することができ、多くのウイルスに対して効果を発揮すると考えられています。

使用方法

イノシンプラノベクスとして、体重(㎏)あたり1日50~100ミリグラムを3~4回に分けて服用します。年齢や症状によって医師の指示のもと、適宜増量、減量することができます。
※イノシンプラノベクスがイノシンから尿酸に変換されることで、血液中及び尿中の尿酸値の上昇がみられることがあります。定期的に血液検査等の臨床検査(腎臓の機能検査、尿酸値など)を行い、十分体調の変化を観察するよう注意喚起がされています。

副作用

■イノシンプラノベクスの再審査終了時の副作用報告は以下の通りでした(総症例202例中)。
・高尿酸血症(18.8%の患者で発症)
・AST(GOT)、ALT(GPT)上昇などの肝臓の機能異常(10.4%の患者で発症)
・赤血球の増加(2.0%の患者で発症)
・血小板増加(2.0%の患者で発症)
・消化管からの出血(2.0%の患者で発症)
・尿路結石(1.5%の患者で発症)
・白血球減少(1.5%の患者で発症)

その他の副作用
・消化器系:消化管からの出血、嘔気、嘔吐、胃痛
・代謝系:高尿酸血症、尿路結石
・肝臓系:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P、LDHの上昇など
・血液系、赤血球増加、白血球減少、血小板増加など
・過敏症:発疹
・その他:間質性肺炎

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用に注意が必要な方
・「痛風」または血液中の尿酸値が上昇している方
※血液中の尿酸値が上昇し、痛風などの症状が増悪する可能性があります。
・「尿路結石」または「腎結石」のある方
※血液中および尿中の尿酸値が上昇し、尿路結石、腎結石の症状が増悪する可能性があります。
・重篤な腎臓の障害がある方
※尿酸の体外への排泄が遅れてしまい、副作用が起こる可能性があります。
・妊娠している方
※妊娠中の使用に関する安全性が確立していません。妊娠している方、または妊娠している可能性のある方には治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用することとされています。
・授乳している方
※授乳中の方には使用しないことが望ましいとされています。やむを得ず使用する場合には、必ず授乳を避けるようにしてください。
※ラットによる動物実験:乳汁中にイノシンプラノベクスが移行する可能性があるといるデータがあります。
・幼児など
※幼児などの服用に際して、イノシンプラノベクスが喉につかえることがないよう注意して服用してください。

上記にあてはまる方は、イノシンプラノベクスを使用する事が出来ない可能性があります。
イノシンプラノベクスを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
イノシンプラノベクスを服用後どのくらいで効果がでますか?

イノシンプラノベクスを構成しているPAcBA、DIPという成分に関して、PAcBAは服用後30分~1時間、DIPは服用後1~2時間で血液中の濃度が最高になったというデータがあります。しかしながら、服用後24時間には体内からほぼ消失するため、用法用量を守って服用し血液中の濃度を一定に保つ必要があります。イソプリノシン錠400mg 【イソプリノシン錠400mg 添付文書】

イノシンプラノベクスの効果は「亜急性硬化性全脳炎患者における生存期間の延長」とありますが、どのくらいの割合で薬の効果がでますか?

イノシンプラノベクスの服用よって、亜急性硬化性全脳炎患者さんの生存期間が延長したことがデータとしても明らかになっています。臨床試験の総合的な判定において、86人の患者さんのうち、「経過良好」以上の結果が出た患者さんの割合は27人(31.4%)だったというデータがあります。イソプリノシン錠400mg 【イソプリノシン錠400mg 添付文書】

動物実験では亜急性硬化性全脳炎(SSPE)ウイルスだけでなく、ワクチニアウイルス、単純ヘルペスウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスなどにも効果があると記載がありますが人間でも効果はありますか?

現在日本では致死率の高い病気である「亜急性硬化性全脳炎」の患者さんの病態の進行・悪化を遅らせることによって生存期間を延長させる目的でのみ使用が許可されています。それ以外の使い方では万が一副作用が起こった際の救済措置がなかったり、そもそも動物実験での結果がすべて人間に当てはまるわけではないので、医師の指示のもと適切な疾患にのみ使用するようにしてください。イソプリノシン錠400mg 【イソプリノシン錠400mg 添付文書】

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