リファンピシン

成分名

リファンピシン

適応症状

結核症/肺結核/ハンセン病/非結核性抗酸菌症/マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス症/MAC症

簡易説明

リファンピシンは、結核やハンセン病の治療に用いられる成分です。
各疾患の原因菌に作用して、その増殖や生命維持に必要なタンパク質の合成を阻害することで体内から原因菌を排除し、症状改善に貢献します。
特に結核の治療に於いて大きな効果を発揮しますが、反面、副作用発現の可能性や併用禁忌薬・注意薬も多くありますので、服用にあたっては医師の指示を元にした十分な注意が必要です。

処方可能な診療科目

内科/呼吸器内科/結核内科/感染症内科/皮膚科/小児科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約4,000円~5,000円
薬代1カプセルあたりの目安:150mg 19.8円
薬代後発薬1カプセルの目安:150mg 12.1円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要です。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1971年8月(発売)

国内のジェネリック認可

ジェネリック医薬品あり

関連製品(先発薬)

リファジンカプセル150mg【製薬会社:第一三共株式会社】

関連製品(ジェネリック)

リファンピシンカプセル150mg「サンド」【製薬会社:サンド株式会社】

効果・作用

リファンピシンを主成分とする医薬品は「RNAポリメラーゼ阻害薬」という種類に属していて、特に結核の治療において絶大な効果を発揮します。
結核は、その原因菌である結核菌が体内に存在することで生じる疾患ですので、治療にあたっては結核菌を増殖させないこと、排除することが得策です。
結核菌は細菌の一種なのですが、細菌が増殖や生命活動を行う際、遺伝子に書かれている情報を元にしたタンパク質を合成することが必須となります。
遺伝子としてはDNAがよく知られていますが、実際にはDNAそのものは生命情報の元であるため外に持ち出すことが出来ません。
そこで、DNAの中で遺伝子情報の要となる部分だけを外に持ち出せる形に変換する仕組みが備わっていて、その変換された形のものは「RNA」と呼ばれています。
つまり結核菌(細菌)は、
DNAをRNAに変換→RNAの情報を元にタンパク質を合成
の工程を以って増殖や生命活動を維持しています。
ここで、DNAはRNAに変換されるとき「RNAポリメラーゼ」という酵素を必要とします。
冒頭の記述通り、本成分リファンピシンには(主に結核菌に特化した)RNAポリメラーゼのはたらきを阻害する作用がありますので、その摂取により、結果的に結核菌の増殖を抑えることが出来るのです。

使用方法

使用方法は疾患によって異なります。(以下すべて通常時の成人の場合です。)

■肺結核及びその他の結核症
リファンピシンとして1回450mgを1日1回、原則として朝食前の空腹時に服用します。年齢や症状によって適宜増減します。

■MAC症を含む非結核性抗酸菌症
リファンピシンとして1回450mgを1日1回、原則として朝食前の空腹時に服用します。年齢や症状によって適宜増減しますが、1日量が600mgを超えてはいけません。
また服用にあたっては、開始時期、期間、併用薬等について国内外の各種学会ガイドラインなど最新の情報を確認して参考にする必要があります。

■ハンセン病
リファンピシンとして1回600mgを1ヶ月に1~2回、もしくは1回450mgを1日1回、原則として朝食前の空腹時に服用します。年齢や症状によって適宜増減します。

副作用

主な副作用
下痢 、 胃腸障害 、 食欲不振 、 悪心 、 嘔吐 、 胃痛 、 胃不快感 、 AST上昇 、 ALT上昇 、 発疹 、 尿蛋白

重大な副作用
劇症肝炎 、 重篤な肝機能障害 、 ショック 、 アナフィラキシー 、 悪寒 、 顔面潮紅 、 呼吸困難 、 腎不全 、 間質性腎炎 、 ネフローゼ症候群 、 溶血性貧血 、 無顆粒球症 、 血小板減少 、 偽膜性大腸炎 、 血便 、 重篤な大腸炎 、 腹痛 、 頻回の下痢 、 中毒性表皮壊死融解症 、 Toxic Epidermal Necrolysis 、 TEN 、 皮膚粘膜眼症候群 、 Stevens−Johnson症候群 、 扁平苔癬型皮疹 、 天疱瘡様皮疹 、 類天疱瘡様皮疹 、 紅皮症 、 剥脱性皮膚炎 、 間質性肺炎

その他の副作用
頭痛 、 めまい 、 しびれ感 、 黄疸 、 過敏症 、 発熱 、 かぜ様症候群 、 蕁麻疹 、 血尿 、 顆粒球減少 、 出血傾向 、 好酸球増多 、 出血性びらん性胃炎 、 不眠 、 いらいら感 、 傾眠 、 錯乱 、 月経異常 、 甲状腺機能低下症 、 副腎機能不全 、 全身倦怠感 、 筋脱力 、 手指のこわばり 、 浮腫 、 運動失調 、 尿着色 、 便着色

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■リファンピシンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、リファジンカプセル150mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼リファジンカプセル150mgの有効成分
リファンピシン
▼代表薬の添加物
・結晶セルロース
・低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
・ステアリン酸ポリオキシル40
・ステアリン酸マグネシウム
・ショ糖脂肪酸エステル
・ゼラチン
・ラウリル硝酸ナトリウム
・赤色102号
・黄色5号
・青色1号

■胆道閉塞又は重篤な肝機能障害のある方
症状が悪化するおそれがあります。

使用に注意が必要な方
■副腎皮質不全のある方
副腎(急性)クリーゼを誘発するおそれがあります。

■慢性甲状腺炎のある方
甲状腺機能低下症を憎悪または顕在化させるおそれがあります。

■肝機能障害、またその既往歴をお持ちの方
症状が悪化または再発する危険性があります。

■妊婦
ラット、マウスを用いた動物実験において催奇形作用が報告されていますので、服用しないことが望ましいです。

■授乳婦
本成分はヒト乳汁中に移行することが報告されています。治療上の有益性、母乳栄養の有益性を考慮し、授乳を継続するか否か判断することが必要です。

■高齢者
一般的に生理機能が低下していることが多いため、状況によって減量するなどの措置が必要です。

上記にあてはまる方は、リファンピシンを使用する事が出来ない可能性があります。
リファンピシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
■ローブレナ(ロルラチニブ)
ALT及びASTが上昇するおそれがあります。

■パルモディア(ペマフィブラート)
ペマフィブラートの血中濃度が上昇するおそれがあります。

■ビクタルビ(ビクテグラビルナトリウム、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)
ビクテグラビルの血漿中濃度が低下することで効果が減弱し、耐性が発現する場合があります。また、テノホビル アラフェナミドの血漿中濃度も低下するおそれがあります。

■グラジナ(グラゾプレビル水和物)
併用初期に、グラゾプレビルの血中濃度が上昇する場合があります。また併用継続により、グラゾプレビルの血中濃度が低下するおそれもあります。

■その他
以下の薬は、本成分リファンピシンを含む薬との併用によって成分の作用が減弱するおそれがあります。(カッコ内は成分名)
・ラツーダ(ルラシドン塩酸塩)
・アドシルカ(タダラフィル)
・オプスミット(マシテンタン)
・ブリリンタ(チカグレロル)
・ブイフェンド(ボリコナゾール)
・レクシヴァ(ホスアンプレナビルカルシウム水和物)
・レイアタッツ(アタザナビル硫酸塩)
・エジュラント(リルピビリン塩酸塩)
・コムプレラ(リルピビリン塩酸塩、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩、エムトリシタビン)

上記を使用している方は、リファンピシンを使用する事が出来ない可能性があります。
リファンピシンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
■アセトアミノフェン
肝薬物代謝酵素が誘導され、肝障害を生じやすくなるおそれがあります。

■セレキシパグ
セレキシパグの活性代謝物AUCが低下したとの報告があります。

■ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩
ダビガトランの血中濃度が低下することがあります。

■ロミデプシン
ロミデプシンの血中濃度が上昇するおそれがあります。

■ドルテグラビルナトリウム
ドルテグラビルの血漿中濃度が低下することがあります。

■その他
以下の薬は、本成分リファンピシンを含む薬との併用によって成分の作用が減弱するおそれがあります。(カッコ内は成分名)
・ジアゼパム、トリアゾラム、ミタゾラム
・ゾピクロン(ゾルピデム酒石酸塩)
・ラモトリギン
・カルバマゼピン(フェニトイン)
・イストラデフィリン
・ハロペリドール、ブロムペリドール、オランザピン、クロザピン(クエチアピンフマル酸塩)、ミルタザピン(ノルトリプチリン塩酸塩)
・スボレキサント(ドネペジル塩酸塩)
・トルバプタン

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
併用禁忌薬、併用注意薬が多数あるのはなぜですか?

リファンピシンには、肝臓において「薬を代謝する酵素」を増加させる作用があります。
これは、併用した薬の代謝を促進してその効果継続時間を短縮させることを意味しています。
つまり他の薬の効果を減弱させてしまうため、併用禁忌、併用禁忌とされている薬が多いのです。

リファンピシンの摂取にあたり、他に注意することはありますか?

最も注意が必要なのは、決められた期間内、決められた方法で確実に摂取することです。
本成分の適応症状である結核やハンセン病は、いずれも原因となる菌が引き起こす疾患で、摂取し忘れなどがあると耐性菌が生じるおそれがあるものです。
それを防ぐために確実な摂取が必要となります。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。