成分名 |
ポサコナゾール |
適応症状 |
・造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における深在性真菌症の予防
・侵襲性アスペルギルス症、フサリウム症、ムーコル症、コクシジオイデス症、クロモブラストミコーシス、菌腫の治療 |
簡易説明 |
ポサコナゾールは、アゾール系抗真菌薬としてMSDが開発したもので、真菌細胞膜のエルゴステロール生合成を阻害し、様々な酵母類や糸状菌に対抗します。経口懸濁液、錠剤、静注用製剤の3つの剤形があり、既に多くの国や地域で承認されています。錠剤や静注液は食事の影響を受けず、経口投与が難しい患者にも適しているため、緊急の治療に使用されます。 |
処方可能な診療科目 |
総合内科/消化器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
本剤は処方薬ではありません。
薬代1錠あたりの目安:100mg約2901.4円
薬代1瓶あたりの目安:300mg約27105円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2020年4月【ノクサフィル錠100mg】
発売年月日:2020年7月発売【ノクサフィル点滴静注300mg】 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ノクサフィル錠100mg/ノクサフィル点滴静注300mg【製薬メーカー:MSD】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
アメリカやドイツ、フランス、オーストラリアなどで販売されています。 |
効果・作用 |
ポサコナゾールは、MSDによって開発されたアゾール系抗真菌薬です。機序としては、真菌細胞の細胞膜を構成するエルゴステロールの生合成を阻害することによって、さまざまな酵母様真菌や糸状菌に対して効果を発揮します。経口薬では1日何回も服用する必要があったため、点滴静注を開発することで最低限の投与での治療が可能となりました。
侵襲性アスペルギルス症患者を対象とした、海外第3相試験を実施しています。ポサコナゾールの一次治療における有効性及び安全性を評価することを目的としており、患者は、死亡と予後不良のリスクによって層別され、1:1の比で本剤群もしくはボリコナゾール群に無作為に割り付けられました。投与開始時の製剤(経口剤又は注射剤)は、患者の状態に応じて選択し、本剤群については初日に1回300mgを1日2回、2日目以降は300mgを1日1回、錠剤では経口投与、静注液では中心静脈ラインから点滴静注しました。ボリコナゾール群については注射剤では初日に1回6mg/kgを1日2回、2日目以降は1回4mg/kgを1日2回中心静脈ラインから点滴静注、経口剤では初日に1回300mgを1日2回、2日目以降は1回200mgを1日2回経口投与しました。結果、主要有効性評価項目として設定したITT集団における治験薬投与42日後までの全死亡率において、ボリコナゾール群に対する本剤群の非劣性が示されました。 |
使用方法 |
【ノクサフィル錠100mg】
初日は1回300mgを1日2回、2日目以降は300mgを1日1回経口投与します。
【ノクサフィル点滴静注300mg】
初日は1回300mgを1日2回、2日目以降は300mgを1日1回、中心静脈ラインからおよそ90分間かけてゆっくりと点滴静注します。 |
副作用 |
主な副作用
主に5%以上発現している悪心や下痢などがあげられます。
重大な副作用
肝機能障害やQT延長、低カリウム血症、急性腎障害などがあげられます。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ポサコナゾールを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ノクサフィルの有効成分
ポサコナゾール
▼代表薬の添加物
ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、酸化チタン、マクロゴール4000、タルク、三二酸化鉄
・以前、ポサコナゾールを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミン、メチルエルゴメトリン、エルゴメトリン、シンバスタチン、アトルバスタチン、ピモジド、キニジン、ベネトクラクス[再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期]、スボレキサント、ルラシドン塩酸塩、ブロナンセリン、トリアゾラムを投与中の方は使用できません。
使用に注意が必要な方 ・他のアゾール系抗真菌剤に対し薬物過敏症の既往歴となったことのある方は、本剤と化学構造が似ており、交差過敏反応を起こすおそれがあります。
・血液悪性腫瘍など重篤な基礎疾患のある方は、重度の肝機能障害が発現し、致死的な転帰となる可能性があるため使用には注意をしてください。
・体重120kgを超える方は、本剤投与中、真菌症の発症がないかどうかを注意深く確認してください。
・eGFR<20mL/min/1.73m2など、重度の腎機能障害のある方は、本剤投与中は、真菌症の発症がないかどうかを注意深く確認してください。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与するメリットが上回るとされる場合にのみ投与を検討してください。
・小児を対象とした試験は実施していません。
上記にあてはまる方は、ポサコナゾールを使用する事が出来ない可能性があります。 ポサコナゾールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <リファブチン、フェニトイン>
原則は投与せずに、投与するメリットが上回るとされる場合にのみ投与を検討してください。もし投与する場合は、真菌症の発症の有無、全血球数の推移とリファブチンの血漿中濃度上昇に伴うぶどう膜炎などの副作用に注意をしてください。
<ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤(ビンクリスチン/ビンブラスチンなど)>
神経毒性、痙攣発作、末梢性ニューロパチー、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、麻痺性イレウスなどの重大な副作用を起こすリスクがあります。
<ベネトクラクス[再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病]>
併用する場合はベネトクラクスを減量するとともに、副作用などの発現に注意をしてください。
<免疫抑制剤(シクロスポリン/タクロリムス/シロリムス)>
併用する場合は、薬剤の減量を考慮してください。
鎮静の延長や呼吸抑制のリスクがあります。併用する場合は、薬剤の用量調節を行ってください。
併用する場合はそれぞれの薬剤に関連した副作用に注意をしてください。
<抗HIV剤(エファビレンツ/ホスアンプレナビル)>
原則は投与せずに、投与するメリットが上回るとされる場合にのみ投与を検討してください。もし投与する場合は、真菌症の発症の有無に注意をしてください。
<ジゴキシン>
併用薬の血中濃度が上昇するリスクがありますので、血中濃度をモニタリングしてください。
<ワルファリン>
ワルファリンの作用が強まり、著しいINR上昇が起こる可能性があります。
上記を使用している方は、ポサコナゾールを使用する事が出来ない可能性があります。 ポサコナゾールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 <エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン配合錠)、ジヒドロエルゴタミンメチルエルゴメトリン(パルタンM)エルゴメトリン>
麦角中毒を起こすリスクがあります。
<シンバスタチン(リポバス)、アトルバスタチン(リピトール)>
横紋筋融解症を引き起こすリスクがあります。
<ピモジド(オーラップ)、キニジン(硫酸キニジン)>
QT延長、心室頻拍などの心血管系の重篤な副作用を引き起こすリスクがあります。
<ベネトクラクス[再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期](ベネクレクスタ)>
腫瘍崩壊症候群の発現を強めてしまうリスクがあります。
<スボレキサント(ベルソムラ)>
ベルソムラの作用を増強する恐れがあります。
<ルラシドン塩酸塩(ラツーダ)、ブロナンセリン(ロナセン)>
併用薬の作用を強めてしまう恐れがあります。
<トリアゾラム(ハルシオン)>
併用薬の作用増強と作用時間を延ばしてしまう恐れがあります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ポサコナゾールに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ポサコナゾール 添付文書
ポサコナゾール 添付文書 |
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