成分名 |
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物 |
適応症状 |
A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の治療およびその予防 |
簡易説明 |
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物は、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の治療およびその予防に使用します。具体的には、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物はインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼの活性化中間体に結合し、その活性をブロックします。これによってインフルエンザウイルスは宿主細胞からの脱出ができず、増殖が停止します。 |
処方可能な診療科目 |
内科/小児科/耳鼻咽喉科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約800円~1,000円
薬代1キットあたりの目安:20mg約2,180円
薬代後発薬1キットの目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2010年10月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
イナビル吸入粉末剤20mg(第一三共) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物は、インフルエンザウイルスに感染した細胞内でのインフルエンザウイルスの増殖を防止する効果を持つ抗ウイルス薬です。
インフルエンザウイルスは、ヒトの呼吸器上皮細胞に付着し宿主への感染をスタートします。インフルエンザウイルスは、宿主細胞の表面にある特定の受容体(シアル酸受容体)に結合し、細胞内に侵入していきます。インフルエンザウイルスは、細胞内での増殖のために宿主細胞のリソソームに存在する膜貫通タンパク質であるノイラミニダーゼを利用します。ノイラミニダーゼは、インフルエンザウイルスの脱出を可能にするために、ウイルスと細胞表面のシアル酸の結合を切断するために必要です。
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物は、ノイラミニダーゼを阻害することによって、ウイルスの脱出を防止します。具体的には、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物はインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼの活性化中間体に結合し、その活性をブロックします。これによってインフルエンザウイルスは宿主細胞からの脱出ができず、増殖が停止します。
上記の作用を活かし、インフルエンザ発症後はもちろんのこと予防目的で使用することが可能です。 |
使用方法 |
■治療に用いる場合
・成人(15歳以上)、小児(10歳以上)の場合:ラニナミビルオクタン酸エステルとして40ミリグラムを1回で吸入します。
・小児(10歳未満):ラニナミビルオクタン酸エステルとして20ミリグラムを1回で吸入します。
■予防に用いる場合
・成人(15歳以上)、小児(10歳以上)の場合:ラニナミビルオクタン酸エステルとして40ミリグラムを1回で吸入します。また20ミリグラムを1日1回、2日間で吸入することも可能です。
・小児(10歳未満):ラニナミビルオクタン酸エステルとして20ミリグラムを1回で吸入します。
※予防に関しては、原則としてインフルエンザウイルス感染症を発症している方の同居家族または共同生活者である以下の方を対象としています。
・腎機能が障害されている方
・慢性呼吸器疾患または慢性心疾患を患っている方
・高齢者(65歳以上)
・糖尿病などの代謝性疾患を患っている方 |
副作用 |
重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。服用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には服用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・異常行動
※ラニナミビルオクタン酸エステル水和物の吸入との因果関係は不明ですが、インフルエンザ発症時には、転落などにつながる可能性のある異常行動(急に走り出したり徘徊したりする行動など)が引き起こされる可能性があります。
・ショック、アナフィラキシー
※冷汗、失神、じんましん、呼吸困難、著しい血圧の低下、顔面蒼白などが引き起こされる可能性があります。ラニナミビルオクタン酸エステル水和物を吸入後に、失神やショック症状が引き起こされた場合には、仰向けになり安静を保ってください。
・中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンスジョンソン症候群)、多形紅斑
・気管支けいれん、呼吸困難
その他の副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。
・消化器系:下痢、胃腸炎、お腹のハリ、腹痛、悪心、口内炎、嘔吐、食欲の減退、腹部不快感
・過敏症:かゆみ、じんましん、発疹、紅斑
・精神神経系:めまい、ふらつき、頭痛
・血液系:白血球数の増加
・呼吸器系:咳(むせかえり)
・泌尿器系:尿タンパク
・肝臓系:肝機能の異常、γ-GTP値の上昇 ALT値の上昇、AST値の上昇
・その他:尿中ブドウ糖陽性、CRP上昇
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・ラニナミビルオクタン酸エステル水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、イナビル吸入粉末剤20mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼イナビル吸入粉末剤20mgの有効成分
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物
▼代表薬の添加物
乳糖水和物
・ラニナミビルオクタン酸エステル水和物に対し過敏症の経験のある方
使用に注意が必要な方 ・乳製品に対して過敏症の経験のある方
※イナビル吸入粉末剤20mgは、乳タンパクを含む乳糖水和物を使用しているためアナフィラキシーが発症したという報告があります。
・慢性腎機能障害、糖尿病をふくむ慢性代謝性疾患、慢性心疾患などの基礎疾患を患っている方、あるいは免疫機能が低下している方
※上記の方への使用経験が少ないため注意が必要とされています。。
・慢性呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患および気管支ぜんそくなど)を患っている方
※インフルエンザウイルス感染症によって気道の過敏性が亢進していることがあり、気管支けいれんや呼吸機能の低下があらわれたケースが報告されています。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
※動物実験(ラット):ラニナミビルオクタン酸エステル水和物が乳汁中に移行することが報告されています。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(ラット):ラニナミビルオクタン酸エステル水和物が胎盤を通過することが報告されています。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら服用してください。
・小児
※小児に対する有効性および安全性を指標としている臨床試験が実施されていません。
上記にあてはまる方は、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 ラニナミビルオクタン酸エステル水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
イナビル 【イナビル 添付文書】 |
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