エプラジノン塩酸塩

成分名

エプラジノン塩酸塩

適応症状

風邪/喘息など

簡易説明

エプラジノン塩酸塩はフランスのCentre Europeen de Recherches Mauvernay社で開発されました。
日本国内では、中外製薬株式会社がエプラジノン塩酸塩を主成分とするレスプレン錠(以下、本剤)を咳止め作用と去痰作用を併せ持つ薬として、1973年に開発しました。
現在、本剤はは中外製薬株式会社から2018年に製造販売を承継(*)した太陽ファルマ株式会社が販売しています。
(*)製造販売の承継
薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)では医療用医薬品は第一種医薬品製造販売業の許可を得た者でなければ製造販売ができないとされています。その製造はそれぞれの製造所が許可を取得する必要があります。また、医療用医薬品は品目ごと製造販売の許可を得る必要があり、その許可を得た後で薬価基準に収載されます。これらの許可を取得するには安全管理、品質管理、薬の有効性・安全性の審査通過等の様々な要件を満たす必要があります。これらの許可は厚生労働省が定める様々な基準を満たす製造販売業者(製造所)に承継することができます。

処方可能な診療科目

内科/呼吸器内科など

健康保険の適応

下記の呼吸器疾患の鎮咳及び去痰
肺結核、肺炎、気管支拡張症、気管支喘息、急・慢性気管支炎、上気道炎、感冒

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:530円(30mg錠×1日3錠×30日)~3,190円(5mg錠×1日18錠×30日)
※成人の一般的用量で計算しています。なお、多くの地域では成人に1回30mgを3回投与する際に、30mg錠がある場合は、5mg錠で処方する(3錠で済むのに18錠処方する)ことはできません。
薬代1錠あたりの目安:5.90円(全規格同一薬価)
薬代後発品1錠の目安:後発品なし
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:1974年2月1日(錠30mgは1981年9月1日発売)

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

レスプレン錠【太陽ファルマ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

本剤は、鎮咳・気道粘液溶解剤、つまり、咳を止め痰の切れをよくする薬です。
咳や痰は生体防御反応の一つです。例えば、風邪をひいたときは、いわゆる風邪症状として、咳や痰の他に発熱、鼻水、のどの痛みなどの生体防御反応がおこります。これらは全て風邪の原因となる病原体から体を守る働きに伴う症状となります。これらは適応となっいる各種感染症でおこります。また気管支喘息も様々な要因によって気道に炎症がおこっている状態なので、生体防御反応と同様に咳や痰がおこります。
咳や痰は病原体などの異物を体内から排出し肺を守る反応となります。咳は気道粘膜などで感知した刺激に延髄の咳中枢が反応し、咳によって体外に異物を排出する働きです。また、痰は気道粘液に集められた病原体などの異物や体内の老廃物を体外に排泄する働きを持っています。この痰を伴わない咳を「から咳」と呼び、痰を伴う咳の多くは風邪などの感染症が原因となります。
なお、発熱は熱により病原体を攻撃する、鼻水は異物を排泄する、のどの痛みはのどの扁桃が病原体を防御した結果として炎症(扁桃腺炎)がおこるため生じます。
咳や痰に対しては、安静や誘因を避けることも重要となります。咳が続くと体力が消費されます。部屋全体を暖かくして十分な安静と休養をとることが大切です。また、上半身をやや高くして寝ると少し楽になるかもしれません。誘因を避けることはマスクなどの感染症対策の他、室内のほこり、タバコ、冷たい風などを避けることで原因を避けることにつながります。空気清浄機などの他、加湿器やぬれタオルなどで湿度を保つことも対策になります。マスクも呼吸器官の湿度を保つ効果が期待できます。

本剤の鎮咳作用(咳止め作用)は動物実験(モルモット、ネコ、イヌ等)で確認されています。様々な刺激実験を行い、リン酸コデインに匹敵する鎮咳作用が確認されています。
咳止め従来から用いられているリン酸コデインは一般用医薬品にも用いられいますが、麻薬性鎮咳成分となっています。このため、この鎮咳作用は非麻薬性の作用とされています。
また、去痰作用(痰の切れをよくする作用)は、慢性呼吸器疾患の患者さんの痰を用いて、粘液を溶かす作用や粘度を低下させる作用が確認されています。また、動物実験(マウス)で気道粘液を増やす作用が確認されました。
これらの薬理作用を持つ本剤の臨床試験として、風邪症候群、急性気管支炎、肺炎等による急性呼吸器疾患の患者さんを対象とした試験で、その臨床効果が確認されました(有効率:79.4%(85例/107例)。なお、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核による慢性呼吸器疾患による慢性呼吸器疾患の患者さんでの有効率は50.6%(41例/81例)でした。

使用方法

下記量を3回に分けて飲みます。
成人:5mg 12~18錠/20mg 3~4錠/30mg 3錠
3歳~6歳未満:5mg 4~6錠
6歳~10歳未満:5mg 6~9錠
※年齢、症状によりこの量より増減することがあります。

副作用

主な副作用
副作用発現率:2.74%(114例/4,155例)
食欲不振・悪心:1.32%(55件)、嘔気・嘔吐:0.36%(15件)、胃部不快感:0.26%(11件)、下痢(軟便を含む):0.26%(11件)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■エプラジノン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、レスプレン錠はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼レスプレン錠の有効成分
エプラジノン塩酸塩
▼レスプレン錠の添加物
(共通の添加物)
乳糖水和物、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、タルク、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、酸化チタン、グリセリン、白色セラック、カルナウバロウ、ステアリン酸
(5mg錠・20mg錠の添加物)
ステアリン酸マグネシウム、メタクリル酸コポリマーLD、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、マクロゴール6000
(30mg錠の添加物)
ステアリン酸カルシウム、グリセリン

使用に注意が必要な方
・高齢者:一般に生理機能が低下しているので減量するなどの注意をします。
・妊婦、産婦、授乳婦:これらの方への安全性情報がありません。

上記にあてはまる方は、エプラジノン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
エプラジノン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
主な副作用以外にはどのような副作用が報告されていますか。

過敏症状、頭痛、腹痛が添付文書に記載されています。発売後の調査(1973年10月~1977年3月)では副作用として、胃腸障害、胃のもたれ、上腹部痛、口喝、舌の異常感、頭のふらつきが報告されています。

効果はどのくらいであらわれますか。

2~3日目から咳の減少や消失した例が多くみられます。中には2~3日目から減少し始め、5日目に消失した例や7日目に軽快した例もあることから、少なくとも1週間くらいは飲み続けるべきという報告もあります。なお、咳発作時の用時使用では30分以内で効果があらわれた例が多く、1時間以内で消失した例が過半数に見られました。
また、小児気管支喘息の咳発作では24時間以内で消失した例が過半数であった一方、2~6時間で消失した例もありました。

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