成分名 |
カスポファンギン酢酸塩 |
適応症状 |
・真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症
・カンジダ属又はアスペルギルス属による食道カンジダ症、侵襲性カンジダ症、侵襲性アスペルギルス症、慢性壊死性肺アスペルギルス症、肺アスペルギローマなどのアスペルギルス症 |
簡易説明 |
カスポファンギン酢酸塩は点滴静脈内注射用の抗真菌薬です。本剤は世界で初めて承認されたキャンディン系抗真菌薬で、真菌細胞壁の構成成分である1,3-β-D-グルカンの合成を阻害することで、カンジダ属やアスペルギルス属などの真菌に対抗します。さらに、他の抗真菌薬に耐性を持つカンジダ属に対しても有効です。2000年にメキシコで初めて承認され、その後、アメリカやヨーロッパでさまざまな真菌症への適応が追加されました。 |
処方可能な診療科目 |
婦人科/総合内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:50mg約17255円/70mg約23386円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2012年4月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
カンサイダス点滴静注用50mg/カンサイダス点滴静注用70mgg【製薬メーカー:MSD】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
適応症ごとに異なりますが、世界90か国以上で販売されています。 |
効果・作用 |
カスポファンギン酢酸塩は、MSDによって開発された世界で初めてのキャンディン系抗真菌薬です。真菌グラレア・ロゾエンシスに由来するリポペプチド発酵産物ニューモカンジン B0の半合成誘導体です。作用機序としては、真菌細胞壁の構成成分である 1,3-β-D-グルカンの合成を阻害することによって、カンジダ属もしくはアスペルギルス属に対して抗真菌作用を発揮します。
臨床試験としては、カンジダ属もしくはアスペルギルス属による真菌感染症の成人患者を対象とした国内第3相試験を実施しています。食道カンジダ症に対しては本剤50mgを、侵襲性カンジダ症とアスペルギルス症に対しては投与初日のみ70mgで以降は50mgを1日1回投与しました。本剤の投与期間の中央値は、食道カンジダ症では14日間、侵襲性カンジダ症では14日間、アスペルギルス症では29日間でした。結果は、カンジダ症に対しては9名中9名の症状が改善し有効率は100%でした。また、アスペルギルス症に対しては30名中14名の症状が改善し、有効率は46.7%でした。
小児に対しては外国第2相試験を実施しています。
真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症患者を対象に、本剤は50mg/m2(投与初日のみ70mg/m2)、アムホテリシンBリポソーム製剤は1kgあたり3㎎を1日1回投与し、効果を比較しました。投与期間の中央値は、本剤では9日間、アムホテリシンBリポソーム製剤では9日間であり、総合効果の有効率は本剤46.4%、アムホテリシンBリポソーム製剤32.0%でした。
また、食道カンジダ症、侵襲性カンジダ症及び他の抗真菌薬治療が無効又は不耐の侵襲性アスペルギルス症患者を対象に、本剤50mg/m2(投与初日のみ70mg/m2)の1日1回投与を行いました。本剤の投与期間の中央値は、食道カンジダ症では32日間、侵襲性カンジダ症では10日間、アスペルギルス症では
38日間でした。総合効果の有効率は、食道カンジダ症に対しては100%、侵襲性カンジダ症に対しては81.1%、侵襲性アスペルギルス症に対しては50.0%でした。 |
使用方法 |
<成人>
【真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症】
投与初日に70mgを、投与2日目以降は50mgを1日1回投与します。本剤は約1時間かけてゆっくりと点滴静注します。
【カンジダ属もしくはアスペルギルス属による下記の真菌感染症】
・食道カンジダ症
50mgを1日1回投与します。本剤は約1時間かけてゆっくりと点滴静注します。
・侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症
投与初日に70mgを、投与2日目以降は50mgを1日1回投与します。本剤は約1時間かけてゆっくりと点滴静注します。
<小児>
【真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症、カンジダ属もしくはアスペルギルス属による食道カンジダ症、侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症】
投与初日に体表面積あたり70mg/m2を、投与2日目以降は50mg/m2を1日1回投与します。本剤は約1時間かけてゆっくりと点滴静注します。なお、1日1回50mg/m2の投与で効果不十分の場合には、1日1回70mg/m2まで増量することができますが、1日最高70mgを超えないこととしてください。 |
副作用 |
主な副作用
5%以上発現する副作用として肝機能異常やAST/ALTの増加、γ-GTP増加などがあげられます。
重大な副作用
<アナフィラキシー>
発疹、顔面腫脹、血管浮腫、そう痒症、熱感、気管支痙攣、呼吸困難、潮紅などの症状があらわれた際には近くの医療機関を受診してください。
<肝機能障害>
AST、ALT、Al-Pの上昇や肝機能障害などがあらわれる可能性があります。
発現頻度は不明です。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■カスポファンギン酢酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼カンサイダスの有効成分
カスポファンギン酢酸塩
▼代表薬の添加物
精製白糖、D-マンニトール
・以前、カスポファンギン酢酸塩を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
使用に注意が必要な方 ・薬物過敏症に以前かかったことのある方、特に他のキャンディン系抗真菌剤に対し過敏症になったことのある方には注意してください。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与するメリットが上回るとされる場合にのみ投与を検討してください。
・小児は、臨床試験において成人と比較し、ALT増加、AST増加、肝機能異常の発現頻度が高いことが報告されています。また、低出生体重児、新生児及び3ヵ月未満の乳児を対象とした国内臨床試験は実施しておりませんので注意をしてください。
上記にあてはまる方は、カスポファンギン酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 カスポファンギン酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <シクロスポリン>
併用すると、本剤のAUCが増加することが報告されております。また、一過性のALT・AST増加が起こるため、併用する際は投与するメリットが上回るとされる場合にのみ検討してください。加えて、併用する際は肝酵素の綿密なモニタリングを行ってください。
<タクロリムス>
機序は不明ですが、併用するとタクロリムスの投与後12時間血中濃度が減少するとされています。併用する際は、血中濃度のモニタリングと用量調節を慎重に行ってください。
<リファンピシン>
単回投与と比較し、併用利他場合は本剤のAUCが増加しました。
<エファビレンツ、ネビラピン、フェニトイン、デキサメタゾン、カルバマゼピン>
併用すると本剤の血中濃度が減少する可能性があります。
上記を使用している方は、カスポファンギン酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 カスポファンギン酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
カスポファンギン酢酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
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