ビアペネム

成分名

ビアペネム

適応症状

〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、エンテロコッカス・フェシウムを除く腸球菌属、モラクセラ属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属、フソバクテリウム属

〈適応症〉
敗血症、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、子宮旁結合織炎

簡易説明

ビアペネムは、カルバペネム系の抗菌薬で、今のファイザーである日本ワイスレダリー株式会社によって開発されました。その特徴は、DHP-Iに対する安定性で、これによりDHP-Iの分解を阻害する薬剤や腎毒性を軽減する薬剤の配合が不要となりました。ビアペネムはグラム陽性菌、グラム陰性菌、嫌気性菌に対して幅広い抗菌スペクトルを持ち、特に緑膿菌に対しては強い抗菌力を示します。これらの特性により、医療現場での中等症・重症感染症の治療において効果を発揮し、患者の身体的負担を軽減する可能性があります。製品は2001年に承認され、2008年には現在のMeiji Seika ファルマ株式会社が製造販売承認を承継しました。

処方可能な診療科目

総合内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:0.3g約1378円
薬代1キットあたりの目安:0.3g約1656円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

オメガシン点滴用0.3g:2002年3月発売
オメガシン点滴用0.3gバッグ:2002年5月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

オメガシン点滴用0.3g/オメガシン点滴用0.3gバッグ【製薬メーカー:Meiji Seikaファルマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ビアペネムは、グラム陽性菌やグラム陰性菌・嫌気性菌に広い範囲でスペクトルをもつカルバペネム系薬剤です。本剤が開発される前のカルバペネム系抗菌薬は有効性が強いメリットがありましたが、体内にあるDHP-Iによってすぐに分解されてしまうため、分解と腎尿細管細胞への取り込みを阻害する薬剤を追加することが求められていました。また、高齢化の進行から、合併症のある方や免疫力が低下した方の中度・重度の感染症症状の改善に対応するため、より低用量、より短い投与期間で、患者の身体的負担を軽減できる薬剤が望まれていました。このような中でファイザーが、DHP-Iに対して安定的かつ強い有効性を持つ本剤を開発し、2001年に販売が承認されました。本剤は、DHP-I による分解を阻害する薬剤や腎尿細管細胞への取り込みを阻害する薬剤の配合が不要な安定性に強みを持つ単一製剤です。緑膿菌に適用のあるβ-ラクタム系薬、ニューキノロン系薬及びアミノグリコシド系薬に耐性を示す緑膿菌に対して強い抗菌力を示すことが特徴の1つです。

国内の患者296名を対象に臨床試験を実施しています。疾患別の臨床効果としては、有効率はそれぞれ敗血症が92.3%、慢性呼吸器病変の二次感染は92.7%、肺炎・肺膿瘍は92.1%、腎盂腎炎は86.4%、子宮旁結合織炎は100%でした。

使用方法

1日0.6gを2回に分けて、30~60分かけて点滴静脈内注射します。年齢や症状にあわせて増減が可能です。ただし、投与量の上限は1日1.2gまでとしてください。

なお、血液透析を行っている患者は1日1回投与が望ましいとされています。
また、本剤によるショックやアナフィラキシーを事前に防ぐため、過去に起こしたことがあるか患者に質問し、投与開始したら終了するまで必ず安静状態を保ってもらうようお願いいたします。

副作用

主な副作用
ALT上昇や血清アミラーゼ上昇などがあげられます。

重大な副作用
ショックやアナフィラキシー、間質性肺炎、PIE症候群、痙攣や意識障害、急性腎障害、スティーブンジョンソン症候群、TEN、無顆粒球症、汎血球減少症、白血球減少、血小板減少、溶血性貧血などにご注意ください。
ショックやアナフィラキシーの症状としては、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗などがあらわれます。異常があらわれた場合には投与を中止してください。
特に、間質性肺炎は0.1~5%未満の発現率が報告されております。発熱、咳嗽、労作時息切れ、呼吸困難などの異常があらわれた場合にはすぐに胸部X線検査などを実施してください。間質性肺炎もしくはPIE症候群が疑われる場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与を検討してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ビアペネムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼オメガシンの有効成分
ビアペネム

・以前、ビアペネムを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・バルプロ酸ナトリウムを投与中の方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・カルバペネム系、ペニシリン系もしくはセフェム系抗生物質に対し過敏症となったことのある方
・本人もしくは両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質のある方
・経口摂取の不良な患者もしくは非経口栄養の患者、全身状態の悪い方はビタミン K欠乏症状があらわれることがあります。
・てんかんにかかったことのある方、あるいは脳血管障害等の中枢神経障害を有する方は痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすいとされています。
・高度の腎機能障害のある方は、痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすいため、投与量を減らすか、投与間隔をあけるなどして、慎重に投与してください。
・軽度もしくは中等度の腎障害のある方は痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすいとされています。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性は、投与するメリットが上回るとされる場合にのみ投与を検討してください。
・小児を対象とした臨床試験は実施していませんので、注意をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、副作用が出やすいとされています。特にビタミンK欠乏による出血傾向には注意をしてください。

上記にあてはまる方は、ビアペネムを使用する事が出来ない可能性があります。
ビアペネムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
<バルプロ酸ナトリウム(デパケン、バレリン)>
機序は不明ですが、バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかん発作が再発するおそれがあります。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ビアペネムに関する
よくある質問
本剤は調整後どのくらいまで保存できますか?

溶解後は基本的に速やかに使用してください。保存を必要とする場合は、室温で保存し、6時間以内に注射終了させてください。ただし、8℃以下の冷蔵庫で保存した場合は、24字かに内に注射を終了させてください。

適用上の注意

【上記引用元:オメガシン点滴用 添付文書】

本剤の使用が検査結果に影響を与えることはありますか?

テステープ反応を除くベネディクト試薬,フェーリング試薬,クリニテストによる尿糖検査では偽陽性が出る場合がございます。また、直接クームス試験では陽性となる可能性がありますので気を付けてください。

臨床結果に及ぼす影響

【上記引用元:オメガシン点滴用 添付文書】

参考元一覧

オメガシン点滴用 添付文書

オメガシン点滴用バッグ 添付文書

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