アルテメテル/ルメファントリン

成分名

アルテメテル/ルメファントリン

適応症状

マラリア

簡易説明

本剤は抗マラリア薬である。主成分はアルテメテルとルメファントリンの配合錠となっている。マラリアはマラリア原虫という寄生虫が原因の疾患である。蚊を媒介してヒトに感染する。感染症法では、4類感染症に分類される。日本では、ほとんど気にする必要はないが、海外への渡航する時の目的地によっては注意が必要なことがある。令和3年の日本での発症件数は0である。

処方可能な診療科目

内科/呼吸器/消化器/小児科など

健康保険の適応

健康保険の適応あり

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約3,000円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:246.80円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

リアメット配合錠 販売開始 2017年3月

国内のジェネリック認可

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関連製品(先発薬)

リアメット配合錠

関連製品(ジェネリック)

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効果・作用

マラリアは、マラリア原虫を原因とする感染症で、亜熱帯・熱帯地域を中心に感染者が多い。世界的に注意の必要な感染症である。臨床的に問題になるのは4種類あり、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、四日熱マラリア原虫があげられる。三日熱マラリア原虫と卵形マラリア原虫の場合には、肝細胞内で休眠体(ヒプノゾイト)が形成された後、長期間経過してから分裂を開始して血中に放出され、症状が再発することがある。本剤は、このヒプノゾイトが形成される三日熱マラリア、卵形マラリアには効果を示さない。また、意識障害や臓器不全などの重篤な症状の患者に対して使用を検討する場合、本剤は十分な効果を得られない可能性がある。そのため、他の治療法を考慮する必要がある。

本剤は、アルテメテル及びルメファントリンを1:6の比率で含有する配合剤である。どちらの成分も抗マラリア活性を発揮する。アルテメテル及びルメファントリンは、マラリア原虫の食胞内でそれぞれ作用する。アルテメテルは、赤血球のヘム鉄と反応することで、効果を発揮する。ルメファントリンは、食胞でヘモグロビンの分解に関与することで、抗マラリア活性を発揮する。

使用方法

通常、体重に応じて1回1錠〜4錠を初回、初回投与後8時間、その後は朝夕1日2回2日間(計6回)、食直後に経口投与する。
5kg以上15kg未満:1錠
15kg以上25kg未満:2錠
25kg以上35kg未満:3錠
35kg以上:4錠

副作用

QT延長/アナフィラキシー/代謝及び栄養障害/食欲減退/精神障害/睡眠障害/頭痛/浮動性めまい/傾眠/感覚鈍麻/運動失調/心臓障害/動悸/咳嗽/胃腸障害/嘔吐/腹痛/悪心/下痢/発疹/そう痒症/関節痛/筋肉痛など

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
▼本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
▼妊婦(妊娠14週未満)又は妊娠している可能性のある女性
動物実験により、胎児に影響を与える可能性が示唆されている。特に胎児の器官形成器での本剤の投与は、先天性の欠損が生じる可能性がある。他にもアルテメテル及びルメファントリン曝露量における胚や胎児に与える影響を調べる動物試験が行われており、いずれにしても妊娠期間の延長、着床後胚死亡率の増加、生存胎児数の減少などが確認されている。このような試験結果からも妊婦・妊娠の可能性に対する本剤の使用は禁忌となっている。
▼リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファブチン、セイヨウオトギリソウ含有食品、 ホスフェニトインを投与中の患者
本剤はCYP3Aによって代謝されるため、上記薬剤によりCYP3Aが誘導されるため、本剤の作用が減弱する可能性があるため。

使用に注意が必要な方
▼合併症又は既往歴等のある患者
▼先天性QT延長症候群のある患者、心疾患のある患者、低カリウム血症や低マグネシウム血症のある患者等のQT延長を起こしやすい患者
QT延長を起こす可能性があるため。
▼生殖能を有する者
▼妊婦
本剤の器官形成期の投与により重篤な先天性欠損が起こる可能性が動物実験から示唆されている。そのため、妊娠14週以降の妊婦には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとなっている。
▼授乳婦
乳汁中への移行が示唆されているため、授乳を回避する必要がある。
▼小児等
▼高齢者
高齢者では、生理機能が低下している可能性があるため、注意が必要。

上記にあてはまる方は、アルテメテル/ルメファントリンを使用する事が出来ない可能性があります。
アルテメテル/ルメファントリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
▼QT延長を起こすことが知られている薬剤:クラスIa、クラス IIIの抗不整脈剤、抗うつ剤、マクロライド系抗菌剤、フルオロキノロン系抗菌剤、アゾール系抗真菌剤
QT延長が起きる可能性があるため注意が必要。
▼メフロキン
メフロキンによる胆汁生成の低下により、ルメファントリンの吸収が低下するおそれがある。
つまり、本剤との併用によりルメファントリンの血中濃度が低下する可能性がある。
▼CYP3A阻害剤
代謝が阻害されるため、本剤の血中濃度が上昇しQT延長などの副作用発現の可能性があるため注意。
▼グレープフルーツジュース
グレープフルーツジュー スに含まれる成分のCYP3A阻害作用により、 本剤の代謝が阻害されるため、本剤の血中濃度が上昇し副作用の発現リスクが高まるため注意が必要。
▼エトラビリン
これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、アルテメテル及びルメファント リンの代謝が促進されるため、本剤の血中濃度が低下して抗マラリア作用が減弱する可能性があるため。
▼モダフィニル
▼エファビレンツ
▼ボセンタン
アルテメテル及びルメファントリンの血中濃度が低下し、抗マラリア作用が減弱する可能性がある。
▼CYP3Aで代謝される薬剤
これらの薬剤の血中濃度が低下し、効果が減弱する可能性があるため。

上記を使用している方は、アルテメテル/ルメファントリンを使用する事が出来ない可能性があります。
アルテメテル/ルメファントリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
▼リファンピシン
▼カルバマゼピン
▼フェノバルビタール
▼フェニトイン
▼リファブチン
▼セイヨウオトギリソウ含有食品
▼ホスフェニトイン
本剤はCYP3Aによって代謝されるため、上記薬剤と併用することでCYP3Aが誘導されて本剤の作用が減弱する可能性があるため。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
本剤の保管方法を教えてください。

室温保存の薬剤になります。夏場などで室温が高くなり過ぎる場合は注意してください。引き出しの中などで保存するのがいいかもしれません。小さい子どもの手の届かないところで管理してください。また、体重に応じて用量が決められているため、絶対に他の人に内服させないようにしてください。

薬を飲んですぐ嘔吐してしまいました。どうしたらいいですか?

投与後1時間以内に嘔吐してしまった場合は、もう一度内服してください。嘔吐や下痢などの急性マラリア症状がある患者の場合は、本剤の吸収が低下する可能性があり、代替の治療を検討すべきとされています。本剤も使用する場合は、血液中のマラリア原虫の数をモニタリングしながら慎重に投与することとなっています。

1回に4錠飲むのが難しいのですがどうしたらいいですか?

口の中に一気に4錠いれて内服する必要はありません。1錠ずつでも構いませんので、しっかり内服することが重要です。

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