成分名 |
フラジオマイシン硫酸塩 |
適応症状 |
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染に対して適応症を持ちます。
また適応菌種としてはフラジオマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属(肺炎球菌は除きます)になります。 |
簡易説明 |
フラジオマイシン硫酸塩を使用している医療用医薬品は軟膏からはじまり液剤、貼付剤、点眼・点鼻液、坐薬に至るまで多数存在します。そのほとんどが配合剤としての使用になりますが、ソフラチュール貼付剤だけは化膿性皮膚疾患用剤としてフラジオマイシン硫酸塩単剤使用薬剤になりますので今回はソフラチュール貼付剤をメインにその作用とメカニズムについて詳しく解説していきます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1枚あたりの目安:10cm約54円/30cm約130円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
ソフラチュール貼付剤10cm
1964年10月14日製造販売承認(旧販売名:ソフラチュール)
2009年6月26日製造販売承認(販売名変更による)
1965年12月1日薬価基準収載(旧販売名:ソフラチュール)
2009年9月25日薬価基準収載(販売名変更による)
1965年1月18日発売
ソフラチュール貼付剤30cm
1964年10月14日製造販売承認(旧販売名:ソフラチュール帯)
2009年6月26日製造販売承認(販売名変更による)
1981年9月1日薬価基準収載(旧販売名:ソフラチュール帯)
2009年9月25日薬価基準収載(販売名変更による)
1982年2月1日発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ソフラチュール貼付剤10cm/30cm【製薬メーカー:テイカ製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 | ソフラチュール貼付剤10cm/30cmはドイツ、イギリス、オーストリア、カナダ、オーストラリア、中国、韓国、香港など世界37ヵ国で発売されています。 |
効果・作用 |
フラジオマイシン硫酸塩は外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染に対して効果のある医薬品になります。
適応菌種としてはフラジオマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属(肺炎球菌は除く)になります。
フラジオマイシン硫酸塩を用いている医薬品は多数ありそのほとんどがステロイド剤や抗菌剤との配合剤として承認されているものがほとんどです。配合する事により相加的な効果を期待しておりますがその分副作用や禁忌も多く原因特定が困難になります。
その点ソフラチュール貼付剤はフラジオマイシン硫酸塩単剤の医薬品になり効果・副作用などの判定が明確で原因特定もしやすいのが特徴です。
フラジオマイシン硫酸塩の作用機序は、細菌細胞のリボソームの30S subunitと結合し、遺伝情報の誤読をおこさせる事によって、蛋白質合成を阻害する事で殺菌的に作用します。その作用はストレプトマイシンよりも強いと言われております。
グラム陰性菌及び一部のグラム陽性菌に抗菌スペクトルを示し、レンサ球菌や嫌気性菌に対する抗菌力は弱いとされております。水溶性が高く腸管から吸収されにくい性状を有し、経口投与による細菌性下痢症の治療に多く用いられています。
フラジオマイシン硫酸塩はアミノグリコシド系抗生物質と呼ばれる医薬品です。アミノグリコシド系とはアミノ糖を構成成分とする抗生物質の総称になります。同じアミノグリコシド系抗生物質にはストレプトマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、ジベカシン、アミカシン等があります。その為同じアミノグリコシド系抗生物質で過敏症の既往歴がある場合は同効薬でも出る可能性がある為禁忌に設定されております。
同じアミノグリコシド系抗生物質でも抗菌作用の範囲に違いがあり、淋菌やMRSA等に抗菌作用を示すものもあるとされております。 |
使用方法 |
本剤1枚から数枚を直接患部に当て、その上を無菌ガーゼで覆う事とされております。
また使用上の注意として1)本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の使用に留める事。2)広範囲な熱傷、潰瘍のある皮膚には長期間連用しない事とされております。 |
副作用 |
重大な副作用
腎障害・難聴:副作用回避の為にも長期連用を避ける事とされております。
腎障害の初期症状には発熱、皮疹、食欲不振、嘔吐、下痢、腹痛、体重減少、血尿、尿量減少、関節痛、倦怠感、手足のむくみ、目が腫れぼったいなどが見られます。
また難聴の初期症状には耳鳴り、耳閉感、聴力の低下、めまい、口周のしびれ感、顔面のほてりなどが見られます。
初期症状と思われる症状が現れた場合は直ちに使用を注意するようにしましょう。
その他の副作用
過敏症の副作用が挙げられます。
発生頻度は以下の通りです。
1)過敏症:発疹、接触性皮膚炎等(頻度不明)
過敏症と思われる症状がみられる場合には使用を中止する事とされております。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 アミノグリコシド系抗生物質であるストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、フラジオマイシン等及びポリペプチド系抗菌薬であるバシトラシンに対して過敏症の既往歴のある患者はソフラチュール貼付剤10cm/30cmの使用はできません。
使用に注意が必要な方 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人については妊娠中の投与に関する安全性は確立していないため投与には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、フラジオマイシン硫酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 フラジオマイシン硫酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
相互作用の記載はありませんので併用を気にすることなく使用する事ができます。現時点において多剤服用している方でも安心して使用する事ができます。
但し、感作される恐れがある為、観察を十分に行い感作されたことを示す兆候(掻痒、発赤、腫脹、丘疹、小水疱等)が現れた場合には、直ちに使用を中止する事とされております。
使用により症状が改善したら漫然と使用せず主治医の指示に従い剝がすようにしましょう。 |
よくある質問 |
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