成分名 |
ジドブジン |
適応症状 |
HIV感染症 |
簡易説明 |
抗HIV薬はその作用機序により、NRTI(核酸系逆転写酵素阻害薬)、NNRTI(非核酸系逆転写酵素阻害薬)、PI(プロテアーゼ阻害薬)、INSTI(インテグラーゼ阻害薬)などに分かれ、ジドブジンは、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)になります。エイズウイルスの増殖をおさえる抑制し、エイズの治療に使用されます。
・逆転写反応に必要なHIVの逆転写酵素と競合、DNAに取り込まれた後にDNA鎖の伸長を停止し、HIV逆転写酵素の活性を妨害することでHIVの宿主細胞への感染を不成立にする作用があります。 |
処方可能な診療科目 |
内科、泌尿器科、など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~10,000円
【製薬メーカー:ヴィーブヘルスケア】
レトロビルカプセル100mg 266.3円/カプセル
コンビビル配合錠 1248.6円/錠
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始年月 : 1987年11月 |
国内のジェネリック認可 |
ありません(海外のみ) |
関連製品(先発薬) |
-【製薬メーカー:ヴィーブヘルスケア】
レトロビルカプセル100mg
コンビビル配合錠 |
関連製品(ジェネリック) |
【製薬メーカー:Cipla (シプラ)】
デュオビル(コンビビルジェネリック) |
効果・作用 |
▼ジドブジンの作用▼
・エイズウイルスの遺伝子RNAをDNAに逆転写する酵素の働きを妨害します。この働きにより遺伝子の複製が不可能となり、ウイルスの増殖が抑制されます。この作用により「逆転写酵素阻害薬」と呼ばれております。
・ジドブジンはHIV感染細胞内でリン酸化されることで「活性型の三リン酸化体」となります。ジドブジン三リン酸化体はデオキシチミジン三リン酸の代わりにウイルスDNA鎖に取り込まれ、DNA鎖伸長を停止させることによりHIVの複製を妨害いたします。
・HIV逆転写酵素を競合的に阻害します。
・ジドブジン三リン酸化体のHIV逆転写酵素に対する親和性は、正常細胞のDNAポリメラーゼに比べて約100倍高く、選択性の高い抗ウイルス作用があります。
・AZTを含むチミジンアナログに対する耐性は、HIV逆転写酵素の「41、67、70、210、215、219番目」のアミノ酸の変異により発生します。
・「41番目・215番目」の変異または、4個以上のアミノ酸の変異によりウイルスは表現型として耐性を示しています。これらのチミジンアナログの変異を有するウイルスは高度の交差耐性を示しません。
・「62、75、77、116、151番目」のアミノ酸の変異、「69番目」のアミノ酸のスレオニンからセリンへの変異、同じ箇所への6塩基対の挿入によって、ウイルスは核酸系逆転写酵素剤に対し多剤耐性を示します。
▼ヒト免疫不全ウイルス(HIV)▼
・HIVは宿主細胞に侵入した後、自身のRNA遺伝子を脱穀後、DNAに変換(逆転写反応)し、宿主の染色体に組み込むことで感染を成立させます。
・免疫の中心的な役割を担うリンパ球(主にCD4というタンパク質を発現しているリンパ球)やマクロファージに感染し、免疫系を徐々に破壊することでHIV感染症を引き起こします。エイズウイルスを完全に死滅させることは困難となっており、生涯にわたり治療を続けなければなりません。
※エイズ:後天性免疫不全症候群
※エイズウイルス:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
▼核酸系逆転写酵素阻害薬(抗HIV薬)の代表的な商品名▼
・コンビビル/ザイアジェン/ビリアード/エプジコム/エムトリバ/ツルバダ/デシコビ |
使用方法 |
・成人には他の抗HIV薬と併用して、ジドブジンとして1日量500~600mgを2~6回に分けて経口投与すること
※症状により適宜減量する
(用法及び用量に関連する注意)
・特に著しい好中球減少(750/mm3未満又は投与前値からの50%以上の減少)または、著しい貧血(Hb値7.5g/dL未満又は投与前値からの25%以上の減少)が認められた場合、骨髄機能が回復するまで休薬してください。
※これより軽度の貧血(Hb値が7.5~9.5g/dL)または、好中球減少(750~1000/mm3)の場合は、減量してください。
※著しい貧血がみられた場合、休薬及び減量を行っても輸血の必要な場合があります。
※休薬または、減量後に骨髄機能が回復した時、血液学的所見、患者の耐容性に応じて徐々に投与量に増量してください。
・他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定されない重篤な副作用があらわれ、治療の継続が困難であると判断された場合、併用している他の抗HIV薬を原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止してください。
・1日量が400mg(1回100mg、1日4回投与)による有効性、安全性の報告はありますが、1日量が400mg未満の用量による有効性は確認されておりません。
・HIVは感染初期から多種多様な変異株が生まれ、薬剤耐性を発現しやすいので、他の抗HIV薬と併用すること。
・「血液透析で病状を維持している重度腎疾患」もしくは「腹膜透析で病状を維持している重度腎疾患患者」には、1回100mgを6~8時間毎に投与することが望ましいとされております。 |
副作用 |
主な副作用
・食欲不振、鼓腸、嘔気、頭痛、発熱下痢、嘔吐、腹痛、便秘、倦怠感、肝機能検査値異常
重大な副作用
・てんかん様発作、赤芽球癆、貧血、白血球減少、血小板減少、重篤な血液障害、膵炎、重篤な乳酸アシドーシス再生不良性貧血、汎血球減少、乳酸アシドーシス、脂肪沈着による重度肝腫大、脂肪肝、全身倦怠、肝毒性、肝毒性が疑われる臨床症状、肝毒性が疑われる検査値異常、急な体重減少、胃腸障害、頻呼吸、膵炎、好中球減少、うっ血性心不全、呼吸困難
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
その他の副作用
・歯肉出血、リンパ節腫脹、体脂肪再分布、胃炎、うつ状態、AST上昇、過敏症、排尿障害、腎不全、眩暈、皮膚色素沈着、発疹、じん麻疹、消化不良、嚥下困難、舌浮腫、曖気、無力症、感冒症状、背痛、疲労感、体脂肪蓄積、顔面脂肪減少、血清脂質増加、血糖増加、インフルエンザ様疾患、無尿、筋肉痛、不眠症、手足のしびれ感、不安感、筋痙攣、振戦、神経過敏症、過敏症、失神、健忘症、嗄声、空間の広がり感、、心筋症、咽頭炎、副鼻腔炎、ざ瘡、発汗、爪色素沈着、味覚倒錯、弱視、難聴、女性化乳房、高乳酸塩血症、頻尿、ALT上昇、ミオパシー、傾眠、そう痒感、羞明、野牛肩、全身痛、痛覚過敏、情緒不安、鼻出血、錯乱、攣縮、末梢部脂肪減少、関節、健忘症、ストレス反応、咳、直腸出血、錯感覚、口内潰瘍、悪寒、胸痛、胸部脂肪増加、見当識障害、霧視、鼻炎、体臭変化、血管拡張、多尿、口唇浮腫、口腔粘膜色素沈着
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・妊婦・産婦
・過敏症/イブプロフェン投与中/Hb値7.5g/dL未満<HIV感染起因でHIV薬治療経験無しを除く>/好中球数750/mm3未満<HIV感染起因でHIV薬治療経験無しを除く>/他の抗HIV薬で治療経験無くHIV感染でヘモグロビン値7.5g/dL未満/他の抗HIV薬で治療経験無くHIV感染で好中球数750/mm3未満/本剤で治療経験無くHIV感染で好中球数750/mm3未満/本剤で治療経験無くHIV感染でヘモグロビン値7.5g/dL未満
使用に注意が必要な方 ・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・高齢者
・肝機能障害/AIDS/ビタミンB12欠乏/肝疾患の危険因子を有する/成人AIDS/HIVによる神経機能障害/ヘモグロビン値7.5g/dL以上9.5g/dL未満/ヘモグロビン値7.5g/dL未満<HIV感染起因でHIV薬治療経験無し>/血液透析で病状を維持している重度腎疾患/好中球数750/mm3以上1000/mm3未満/好中球数750/mm3未満<HIV感染起因でHIV薬治療経験無し>/腎機能障害<血液透析又は腹膜透析で病状を維持している重度腎疾患を除く>/投与前CD4リンパ球数500/mm3以上/腹膜透析で病状を維持している重度腎疾患/血液透析で病状を維持している重度腎疾患
/腹膜透析で病状を維持している重度腎疾患
上記にあてはまる方は、ジドブジンを使用する事が出来ない可能性があります。 ジドブジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 イブプロフェン/イセチオン酸ペンタミジン/ピリメタミン/スルファメトキサゾール/トリメトプリム/フルシトシン/ガンシクロビル/インターフェロン/ビンクリスチン硫酸塩/硫酸ビンブラスチン/ドキソルビシン塩酸塩/プロベネシド/フルコナゾール/ホスフルコナゾール/リトナビル/リファンピシン類/フェニトイン/サニルブジン/リバビリン/アトバコン
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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