セフェピム塩酸塩水和物

成分名

セフェピム塩酸塩水和物

適応症状

・一般感染症
<適応菌種>
セフェピムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ・ビビアを除いたプレボテラ属
<適応症>
敗血症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍、扁桃炎(扁桃周囲膿瘍を含む)、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、複雑性膀胱炎、
腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎、子宮内感染、子宮旁結合織炎、中耳炎、副鼻腔炎

・発熱性好中球減少症

簡易説明

セフェピム塩酸塩水和物は1995年にブリストル・マイヤーズスクイブから販売された薬剤で感染症に使用されます。さまざまな部位の感染や、さまざまな菌種に適応を持っており、感染が分かった時から3日ほどは継続して必ず注射をします。その後効果が出ていれば投与を続けます。先発品はすでに販売を中止しており、2社から後発品が販売されており処方することが可能です。

処方可能な診療科目

総合内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

本剤は処方薬ではありません。
先発品はすでに販売中止となっております。
薬代後発薬1瓶あたりの目安:0.5g約406円/1g約480円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:1995年8月

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

注射用マキシピーム0.5g/注射用マキシピーム1g【製薬メーカー:ブリストル・マイヤーズスクイブ】(現在は販売しておりません。)

関連製品(ジェネリック)

セフェピム塩酸塩静注用0.5g「サンド」/セフェピム塩酸塩静注用1g「サンド」【製薬メーカー:サンド】
セフェピム塩酸塩静注用0.5g「CMX」/セフェピム塩酸塩静注用1g「CMX」【製薬メーカー:ケミックス】

効果・作用

セフェピム塩酸塩は、細菌が細胞壁を合成することを阻害し、強い殺菌作用を示します。大腸菌ではペニシリン結合タンパクのうち、特にPBP 1Bs、2と3に親和性が高く、黄色ブドウ球菌ではPBP 1と2に親和性が高いとされています。
本剤は、グラム陽性菌、陰性菌や嫌気性菌に対して幅広く抗菌スペクトルをもっています。特に、グラム陽性菌ではブドウ球菌属、レンサ球菌属に対して効果が高いとされています。グラム陰性菌では大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、インフルエンザ菌やブランハメラ・カタラーリスに対して強い抗菌力を示し、またセラチア属、シュードモナス属、アシネトバクター属に対しても優れた抗菌力が認められています。
各種細菌の産生する染色体性のβ-ラクタマーゼに対し安定しており、これらの酵素を産生する菌株に対しても強い抗菌力を示し、耐性菌も出現しにくい特徴を持っています。

1556名を対象とした試験において、感染症別で有効性を検討しています。
ブドウ球菌属、レンサ球菌属、シュードモナス属による敗血症に対する有効率は66.7%で6名中4名の症状が改善しました。
ブドウ球菌属、大腸菌、ペプトストレプトコッカス属等による子宮内感染、骨盤死腔炎及び子宮旁結合織炎に対する有効率は91.5%でした。

使用方法

本剤は、投与開始後3日を目安に、さらに継続投与が必要か判定し、投与中止もしくはより適切な他剤に切り替えるべきか検討を行ってください。本剤の投与期間は、14日以内にとどめてください。

一般感染症に使用する場合、症状により 1日1〜2gを2回に分割し、静脈内注射もしくは点滴静注します。なお、難治性もしくは重症感染症には、症状に合わせて1日量を 4 gまで増量し分割投与してください。

発熱性好中球減少症に使用する場合、1日4gを2回に分割し、静脈内注射もしくは点滴静注します。
静脈内注射で投与する場合は、日局注射用水、日局生理食塩液もしくは日局ブドウ糖注射液に溶解し、ゆるやかに注射します。
点滴静注で投与する場合は、糖液、電解質液もしくはアミノ酸製剤などの補液に加えて30分〜 1 時間かけて点滴静注します。

副作用

主な副作用
15316名のうち、副作用の発現率は8.82%でした。主に、はALT上昇、AST上昇、肝機能障害、好酸球増多(症)、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、発疹、BUN上昇、貧血などがあげられます。

項目別の発現頻度は以下の通りです。

過敏症・・発疹(0.1~5%未満)、蕁麻疹/紅斑/瘙痒/発熱(0.1%未満)
血液・・貧血/顆粒球減少/好酸球増多/血小板増多(0.1~5%未満)
腎臓・・BUN上昇/クレアチニン上昇/蛋白尿(0.1~5%未満)、血清カリウム上昇(0.1%未満)
肝臓・・AST(GOT)上昇/ALT(GPT)上昇/Al-P上昇/LDH上昇/γ-GTP上昇/ビリルビン上昇(0.1~5%未満)、LAP上昇(0.1%未満)
消化器・・下痢/悪心(0.1~5%未満)、嘔吐/食欲不振/腹痛/便秘(0.1%未満)
精神神経系・・めまい/しびれ(0.1%未満)
菌交代症・・カンジダ症/口内炎(0.1%未満)
ビタミン欠乏症・・ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症/出血傾向等)/ビタミンB群欠乏症状(舌炎/口内炎/食欲不振/神経炎等)(0.1%未満)
その他・・頭痛/点滴中の気分不良/血圧低下/顔面紅潮/悪寒/味覚異常(0.1%未満)

重大な副作用
ショックやアナフィラキシー、急性腎不全や間質性肺炎、TENやスティーブンジョンソン症候群などに注意をしてください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■セフェピム塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼セフェピム塩酸塩の有効成分
セフェピム塩酸塩
▼代表薬の添加物
L-アルギニン

・以前、セフェピム塩酸塩を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・ペニシリン系抗生物質を使用して以前、過敏症になったことのある方は、使用には注意をしてください。
・本人もしくは両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質のある方は、注意をしてください。
・高度の腎障害のある方は、血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて投与してください。
・高度の肝障害のある方は、肝障害を増強させるおそれがあります。
・高齢者は腎機能が低下していることが多いため、血中濃度が高くなり過ぎないよう注意をしてください。実際に、発疹、発熱等のアレルギー症状並びに下痢等の消化器症状があらわれたとの報告があります。また、他のセフェム系抗生物質においてビタミンK欠乏による出血傾向があらわれたとの報告もあります。
・ 経口摂取の不良な患者もしくは非経口栄養の患者、全身状態の悪い方は、ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので注意をしてください。

併用禁忌薬

併用注意薬
<利尿剤(フロセミド等)>
構造が似ている他のセフェム系抗生物質で腎障害増強作用が報告されているため、併用する場合には腎機能の値に注意してください。

上記を使用している方は、セフェピム塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
セフェピム塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

セフェピム塩酸塩水和物に関する
よくある質問
発熱性好中球減少症に使用する際、投与してよい基準値はありますか?

①1回の検温で38℃以上の発熱、もしくは 1 時間以上持続する37.5℃以上の発熱があった場合②好中球数が500/mm3未満の場合、もしくは1、000/mm3未満で500/mm3未満に減少することが予測される場合
2点を満たすときに投与を検討してください。

効能・効果に関連する使用上の注意

【上記引用元:注射用マキシピーム 添付文書】

過量投与した場合、どのような症状が出ますか?

過量に投与すると、意識障害、痙攣などの精神神経症状を起こすことがあります。特に腎機能障害患者ではこのような症状があらわれやすいとされております。

過量投与

【上記引用元:注射用マキシピーム 添付文書】

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