セフピロム硫酸塩

成分名

セフピロム硫酸塩

適応症状

〈適応菌種〉
セフピロムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、エンテロコッカス・フェカーリス、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属

〈適応症〉
敗血症、感染性心内膜炎、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎

簡易説明

セフピロム硫酸塩は、細菌の細胞壁合成を阻害して抗菌作用を示す特性を持つものです。細菌の外膜透過性が高く、またペニシリン結合タンパク質への親和性が強いため、殺菌的な作用を持ちます。特にβ-ラクタマーゼという酵素に対しても安定的であり、親和性が低いので、β-ラクタマーゼを産生する菌に対しても強い抗菌力を示します。

処方可能な診療科目

総合内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

現在発売されておりません。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2006年7月

国内のジェネリック認可

現在発売されておりません。

関連製品(先発薬)

現在発売されておりません。

関連製品(ジェネリック)

現在発売されておりません。

効果・作用

セフピロム硫酸塩は、細菌の細胞壁の合成を阻害することにより殺菌的抗菌作用を示すとされています。一般的な感染症に適応を取得しており、グラム陽性・陰性の好気性や嫌気性菌に幅広い抗菌スペクトルを示します。特に各種β-ラクタマーゼに対して安定的で、それらの酵素に対する親和性が低いため、β-ラクタマーゼ産生菌に対しても強い抗菌力を示すことが特徴の1つとされています。

本剤は腎臓から排泄されるとされており、健康成人に静注もしくは点滴静注したとき、いずれの場合も 24時間後までに 80%以上が腎から排泄されました。フランスにあるルセル・ユクラフ社とドイツにあるヘキスト社が開発したセフェム系抗生物質で、国内では日本ルセル社とヘキストジャパンが販売権を取得しておりました。

臨床試験に関する情報は現在公的な文書には記載されておりませんが、試験管内において行われた試験で、どの菌種に本剤の効果があるのか調べた結果、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、エンテロコッカス・フェカーリス、ペプトストレプトコッカス属などのグラム陽性菌やブランハメラ属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ属、プロビデンシア属、シュードモナス属、インフルエンザ菌、アシネトバクター属、バクテロイデス属などのグラム陰性菌などに効果があることが示されております。

使用方法

成人の場合、1日1~ 2 gを 2 回に分けて静脈内に注射します。なお、難治性もしくは重症感染症には症状に応じて1日4gまで増量し、 2 ~ 4 回に分割投与します。
小児の場合、 1 日60~80mg/kgを3~4 回に分けて静脈内に注射しますが、年齢、症状にあわせて増減が可能です。

難治性もしくは重症感染症には160mg/kgまで増量し、3 ~ 4 回に分割投与しますが、化膿性髄膜炎には 1 日200mg/kgまで増量が可能です。
静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液もしくは日局ブドウ糖注射液に溶解し、ゆっくりと投与します。また、点滴静注に関しましては、日局生理食塩液、日局ブドウ糖注射液又は補液に溶解してください。

副作用

主な副作用
過敏症・・発疹、発熱、リンパ節腫脹等(頻度不明)
肝臓・・ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、黄疸等(頻度不明)
血液・・貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少)、好酸球増多、血小板増多等(頻度不明)
腎臓・・BUN上昇、クレアチニン上昇等(頻度不明)
消化器・・下痢、嘔気、食欲不振、嘔吐、腹痛等(頻度不明)
ビタミン欠乏症・・ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)(頻度不明)
菌交代症・・カンジダ症、口内炎(頻度不明)
その他・・頭痛、ほてり、悪寒、倦怠感、発汗、口渇、血管痛、めまい、味覚異常、浮腫、血圧上昇(頻度不明)

重大な副作用
<ショック>
ショックを起こすことがあるので、異常が出た場合には投与を中止してください。
<アナフィラキシー>
呼吸困難、発赤、胸痛などのアナフィラキシーがあらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止してください。
<急性腎障害>
急性腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行ってください。
<偽膜性大腸炎>
偽膜性大腸炎などの血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあります。腹痛、頻回の下痢などの症状が出た場合には、すぐに投与を中止してください。
<汎血球減少症、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少症>
汎血球減少症、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少症などがあらわれることがあるので、定期的に検査を行ってください。
<間質性肺炎>
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常などを伴う間質性肺炎があらわれることがあります。の症状があらわれた際は投与を中止して、副腎皮質ホルモン剤の投与を行ってください。
<中毒性表皮壊死融解症、スティーブンジョンソン症候群>
症状があらわれた場合には投与を中止し、近くの医療機関を受診してください。
<痙攣>
意識障害を伴う痙攣発作を誘発することがありますので、注意をしてください。
<肝機能障害、黄疸>
AST、ALT、Al-Pなどの上昇、黄疸があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。

類薬の事例ですが、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多などを伴うPIE症候群があらわれることが報告されています。症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与などを検討してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■セフピロム硫酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼セフピロム硫酸塩の有効成分
セフピロム硫酸塩
▼代表薬の添加物
乾燥炭酸、ナトリウム
・以前、セフピロム硫酸塩を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・ペニシリン系抗生物質に対して、以前過敏症となったことのある方
・本人もしくは両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質のある方
・高度の腎障害のある方は、血中濃度が持続する恐れがあるので、減量もしくは投与間隔をあけて投与してください。
・経口摂取の不良な方もしくは非経口栄養の患者、全身状態の悪い方はビタミンK欠乏症状があらわれることがあります。
・高齢者は、体内薬物動態試験で、高齢者ではない人と比較し、血中濃度半減期の延長が認められているため、1 回0.5gから投与を開始してください。

上記にあてはまる方は、セフピロム硫酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
セフピロム硫酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
<利尿剤(フロセミドなど)>
構造が似ている他のセフェム系抗生物質において、腎障害増強作用が報告されているので、腎機能の値に注意してください。

上記を使用している方は、セフピロム硫酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
セフピロム硫酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

セフピロム硫酸塩に関する
よくある質問
過量投与するとどうなりますか?

意識障害や不随意運動、痙攣などの症状があらわれてまいります。血液透析などによって本剤の血中濃度を下げてください。

過量投与

【上記引用元:注射用セフピロム硫酸塩 添付文書】

注射する際に気を付けることはありますか?

静脈内に大量に本剤を投与すると、静脈炎を稀に起こすことがあります。注射部位や注射方法、注射スピードなどには注意をして投与してください。

適用上の注意

【上記引用元:注射用セフピロム硫酸塩 添付文書】

参考元一覧

セフピロム硫酸塩 添付文書】

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。