エチオナミド

成分名

エチオナミド

適応症状

肺結核および他の結核症

簡易説明

エチオナミドは結核の治療に用いられる抗生物質です。
具体的にはその他の抗結核薬とともに、活性多耐性肺結核の治療に、二次治療薬として用いられます。
食事の有無にかかわらず経口でよく吸収されるが、忍容性を高めるために食事と一緒に投与されることが多いです。
血液脳関門を通過し、脳脊髄液中で血漿と同等の濃度に達します。
エチオナミドは、非結核性マイコバクテリアに対してもまれに使用されます。
イソニアジドと同様の作用を持ち、両者はともにプロドラッグでありながら、異なる経路で活性化されるため、交差耐性は13%の菌株にしかみられません。
耐性は、薬の活性化に必要なethAや、ethAを抑制するために過剰に発現するethRの変異によって生じます。
また、inhAやinhAのプロモーターに変異があると、結合部位の変化や過剰発現により耐性が生じます。
動物実験で先天性障害を引き起こしたことから、FDAは妊娠カテゴリーCに分類しています。
エチオナミドが母乳中に排泄されるか否かは不明です。
エチオナミドの副作用の確率は高く、一般的な副作用は吐き気・下痢・腹痛・食欲不振があげられます。
重度の副作用は肝臓の炎症とうつ病があげられます。
エチオナミドはチオアミドに属する医薬品であり、作用機序はミコール酸の使用を阻害することによるものだと考えられています。

処方可能な診療科目

内科/呼吸器科など

健康保険の適応

健康保険適用

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料の目安:1,000~2,000円
薬価:ツベルミン100mg(1錠)あたり126.4円
診察料に関しては病院によって差があり、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ツベルミン錠(旧名):1967年1月30日認可

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ツベルミン錠100mg

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

エチオナミドは1956年に発見され、アメリカでは1965年に医薬品として承認されました。世界保健機関の必須医薬品リストに掲載される、最も効果的で安全な医療制度で必要とされる医薬品です。開発途上国での卸価格は1か月分で約$5.94~$24.12米ドルです。アメリカの添付文書では、精神病反応を誘発する可能性があるため、アルコールの過剰摂取に注意するよう喚起文が掲載されています。

効果・作用

エチオナミドは主に結核の治療薬として使用され、結核菌の増殖をおさえてくれる働きがあります。
1956年にイソニアジドの類似化合物の研究中に合成された結核化学療法剤であり、イソニアジド耐性菌に有効とされています。
ストレプトマイシン、イソニアジド、パラアミノサリチル酸等の抗結核薬との間に交差耐性がないことが認められています。
薬剤の特徴として、黄色の結晶または結晶性の粉末で、特異なにおいがあります。
溶解度については、メタノールまたは酢酸(100)にやや溶けやすく、エタノール(99.5)またはアセトンにやや溶けにくく、水にはほとんど溶けません。
保存期間は常温で1~3か月です。
通常成人は、最初1日0.3g、以後漸次増量して0.5~0.7gを1~3回に分けて経口投与します。
年齢・症状によって、適宜増減します。原則として他の抗結核薬と併用することとされています。
作用機序は明らかではないものの、DNAおよびタンパク合成を阻害すると考えられています。
マウスを用いた実験的結核症に対する効果は、エチオナミド0.2mg/マウス/Dayの経口投与で生存率および延命効果の延長において対照群と差がみられました。
モルモットにおいても、2mg/モルモット/Dayの経口投与で効果がみられたと報告されています。

使用方法

通常成人は、最初1日0.3g、以後漸次増量して0.5~0.7gを1~3回に分けて経口投与します。年齢・症状によって、適宜増減します。原則として他の抗結核薬と併用することとされています。

副作用

重大な副作用
重大な副作用と初期症状として、劇症肝炎や急性肝炎等の重篤な肝障害がみられることがあります。その他の副作用として、黄疸・発疹・食欲不振・胃部不快感・悪心・嘔吐・胸やけ・胃痛・下痢・頭痛・不眠・不安・めまい・抑うつ・興奮・四肢知覚異常・メランコリー・甲状腺機能低下・月経異常・インポテンツ・女性型乳房・脱毛など、多くの例が報告されています。
ただし、本剤との因果関係が明確でないものも多いです。
副作用で最も多く認められるものは胃腸症状であり、次いで精神神経症状、アレルギー・皮膚症状、肝症状、内分泌症状の順となっています。
観察を十分に行い、異常や症状が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うことが大切です。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用に注意が必要な方
・高齢者
 (肝障害等の副作用があらわれやすくなるため)
・妊娠している方
 (過去に妊娠中の投与によって奇形を有する児を出産したという報告があるため、
  基本投与はしない。必要のある場合は慎重に投与することとされている)
・肝障害のある方
 (肝障害を悪化させるおそれがあるため)
・腎障害のある方、または腎障害の疑いのある方
 (高い血中濃度が持続するため、投与間隔を空けて使用すること)

上記にあてはまる方は、エチオナミドを使用する事が出来ない可能性があります。
エチオナミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

・他の抗結核薬
 (重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと)
・サイクロセリン
 (神経系の副作用を増強することがある)

上記を使用している方は、エチオナミドを使用する事が出来ない可能性があります。
エチオナミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

よくある質問
過量投与するとどうなりますか?

最も普通の副効果は胃腸障害で、食欲不振・過大な流延・金属味覚・悪心・嘔吐・胃炎、そして下痢を伴います。報告されているその他の副効果には、アレルギー反応・脱毛・けいれん・難聴・皮膚 炎(光線性皮膚炎を含む)・複視・めまい・女性型乳房・頭痛・低血圧・陰萎・不眠・肝機能障害・月経障害・嗅覚異常・末梢性ニューロパシー、そしてリウマチ性の疼痛が含まれています。さらに低血糖に近づく傾向があり、これは真性糖尿病患者では臨床的意義があります。

上記の副作用などが出た場合、どうすればいいですか?

イソニアジド療法によって神経病を生じた既往歴のある方が、エチオナミドを経口摂取している場合には、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)の投与が示唆されます。重篤な悪心と嘔吐の治療には、プロクロルペラジンあるいはアリメマジン酒石酸塩の投与が価値があるとされています。詳しくは主治医または薬剤師までご相談ください。

エチオナミドに関する警告はありますか?

まずは他の抗菌薬と併用することが原則です。薬の作用が正常に機能するまでは通常6か月ほどかかります。胃の不調を避けるために、食べ物と一緒に服用してください。エチオナミドには血糖値を下げる作用があります。糖尿病の方は、血糖値を定期的に計測してください。医師はエチオナミドで治療している間、肝機能・視力・甲状腺機能を測定する場合があります。なお、エチオナミドの服用中はアルコールの摂取を避けてください。

途中で断薬するとどうなりますか?

気分がよくなったとしても、エチオナミドの服用をやめてはいけません。早期に中止すると治療が失敗し、薬剤耐性結核が発症する可能性があります。これは生命を脅かす可能性があり、他の深刻な健康上のリスクにつながる可能性があります。

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