成分名 |
セフォゾプラン塩酸塩 |
適応症状 |
<適応菌種>
セフォゾプランに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属
<適応症>
敗血症
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲膿瘍を含む)、肺炎、
肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染
複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)
腹膜炎、腹腔内膿瘍
胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍
子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎
化膿性髄膜炎
眼窩感染、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼内炎(全眼球炎を含む)
中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎 |
簡易説明 |
武田薬品工業が開発したセフォゾプランは、新しいセフェム系抗生物質で、広範囲の抗菌スペクトルと強い抗菌活性を持っています。これにより、黄色ブドウ球菌から緑膿菌まで、多くの感染症に対して効果が期待されます。また、これまでセフェム系抗生物質の弱点とされていたブドウ球菌等の厚い細胞壁の透過性を向上させました。これにより、敗血症、外科領域感染症、呼吸器感染症、肝・胆道感染症、尿路感染症など、多岐にわたる感染症に対して有用性が認められています。2016年10月には、武田テバ薬品が武田薬品工業より製造販売承認を承継し、販売しています。 |
処方可能な診療科目 |
総合内科/消化器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:0.5g約709円/1g約1007円
薬代1キットあたりの目安:1gS約1548円/1gG約1653円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
0.5g/1g:1995年8月発売
バッグS/バッグG:2001年1月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ファーストシン静注用0.5g/ファーストシン静注用1g/ファーストシン静注用1gバッグS/ファーストシン静注用1gバッグG【製薬メーカー:武田テバ薬品】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
セフォゾプラン塩酸塩は、感染症の症状改善に使用する薬剤です。細菌の細胞壁の合成を阻害することが主な作用機序となっており、グラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広く有効な、抗菌スペクトルと強い抗菌活性を有する新しいセフェム系抗生物質です。
本剤がグラム陽性菌や陰性菌に対して強い抗菌力を示すのは、β-ラクタマーゼに対して安定的かつ、黄色ブドウ球菌ではペニシリン結合蛋白質 1と2 に、大腸菌及び緑膿菌ではペニシリン結合蛋白質 3 に対する親和性が高いことが関連していると考えられており、細胞壁架橋の形成阻害作用が強いとされています。
成人の感染症に対しては、使用成績調査を行った4917名中3898名で改善が確認され、有効率は79.3%でした。疾患別でみると、敗血症では249名中159名で症状が改善し、有効率は63.9%、扁桃炎では203名中195名が改善し、96.1%の有効率でした。
小児の感染症を対象に行った使用成績調査では、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染は10名中10名で改善がみられ有効率100%でした。肺炎でも、490名中433名で改善がみられ、88.4%で、慢性呼吸器病変の二次感染では32名中27名で改善し、有効率84.4%でした。 |
使用方法 |
本剤は、投与開始後3日を目安にさらに継続投与が必要か判定し、投与中止もしくはより適切な他剤に切り替えるべきか検討を行ってください。また、本剤の投与期間は、基本的に14日以内としてください。
●成人の場合、1日1~2gを2回に分けて静脈内注射もしくは点滴静脈内注射します。なお、年齢や症状に応じて増やしたり減らしたりすることが可能ですが、難治性もしくは重症感染症には1日4gまで増量し、2~4回に分けて投与します。
●小児の場合、1日40~80㎎/kgを3~4回に分けて静脈内注射もしくは点滴静脈内注射します。なお、難治性もしくは重症感染症には1日160㎎/kgまで増量し、3~4回に分けて投与します。化膿性髄膜炎には1日200㎎/kgまで増量できます。成人における1日最大用量である4gを超えないこととします。
●低出生体重児を含む新生児の場合、通1回20㎎/kgを生後24時間未満は1日1~2回、生後24時間以降~7日齢は1日2~3回、8日齢以降は1日3~4回静脈内注射もしくは点滴静脈内注射します。なお、重症もしくは難治性感染症には1回40㎎/kgまで増量できます。
・静脈内注射で投与する際は、日局「注射用水」、日局「生理食塩液」もしくは日局「ブドウ糖注射液」に溶解して、ゆっくりとに静脈内に注射します。
・点滴静脈内注射で投与する際は、糖液、電解質液もしくはアミノ酸製剤などの輸液に加えて、30分~2時間かけて静脈内に点滴注射します。
・バッグで投与する際は、バッグSは生理食塩液側を、バッグGは5%ブドウ糖注射液側をそれぞれ手で圧迫して、隔壁を開通させて、本剤を溶解した後、30分~2時間かけて静脈内に点滴注射します。 |
副作用 |
主な副作用
2548例を対象とした臨床試験では447例、17.5%に副作用が認められております。主にAST上昇やALT上昇などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。
過敏症・・発疹、蕁麻疹、紅斑、瘙痒、発熱(0.1~5%未満)、リンパ腺腫脹、関節痛(0.1%未満)
血液・・貧血、好酸球増多、血小板増多(0.1~5%未満)
肝臓・・AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇(5%以上)、AL-P、LDH、γ-GTPの上昇(0.1~5%未満)
消化器・・悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢(0.1~5%未満)
菌交代症・・口内炎、カンジダ症(0.1%未満)
ビタミン欠乏症・・ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)(0.1%未満)
その他・・高カリウム血症、血清アミラーゼ上昇(0.1~5%未満)、頭痛、倦怠感(0.1%未満)
重大な副作用
ショックやアナフィラキシー、重篤な腎障害、間質性肺炎、スティーブンジョンソン症候群などに注意をしてください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■セフォゾプラン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ファーストシンの有効成分
セフォゾプラン塩酸塩
▼代表薬の添加物
無水炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム
・以前、セフォゾプラン塩酸塩を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
使用に注意が必要な方 【全製剤共通】
・ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある方
・本人もしくは両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質のある方
・高度の腎障害のある方は、本剤は腎臓排泄であるため、高度の腎機能障害のある方では高い血中濃度が持続することがあります。
・高度の肝障害のある方は、肝障害が悪化することがあります。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、副作用などが出やすいことに注意をしてください。
・経口摂取の不良な方もしくは非経口栄養の方、全身状態の悪い方は、ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので注意をしてください。
【5%ブドウ糖注射液添付のバッグGの場合】
・カリウム欠乏傾向のある方は、ブドウ糖がカリウムと共に細胞内に取り込まれ、カリウム欠乏傾向を助長することがあります。
・糖尿病の方は、静脈内へのブドウ糖の投与により血糖値が急速に上昇する可能性があります。
・尿崩症の方は、電解質を含まない糖液の投与により水分のみが負荷される恐れがあります。
・腎不全の方は、電解質を含まない糖液の投与により水分のみが負荷される恐れがあります。
【生理食塩液添付のバッグSの場合】
心臓、循環器系機能障害のある方は、ナトリウムの負荷により障害が悪化することがあります。
腎障害のある方は、ナトリウムの貯留を助長することがあります。
上記にあてはまる方は、セフォゾプラン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 セフォゾプラン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <利尿剤(フロセミド等)>
構造が似ている他のセフェム系抗生物質で腎障害増強作用が報告されているため、併用する場合には腎機能の値に注意してください。
上記を使用している方は、セフォゾプラン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 セフォゾプラン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
セフォゾプラン塩酸塩に関する よくある質問 |
|
参考元一覧 |
ファーストシン静注用 添付文書 |
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |