アモロルフィン塩酸塩

成分名

アモロルフィン塩酸塩

適応症状

主に真菌による皮膚症状。足白癬、手白癬、体部白癬、股部白癬、皮膚カンジダ症、癜風

簡易説明

真菌による皮膚疾患に対して使用されるクリーム剤である。水虫などでよく処方される。
水虫は医学的な疾患名では足白癬とされている。
日本人の5人に1人は足白癬と言われているが、夏になる病気くらいの認識の人が多いのではないだろうか。
本剤は、患部に塗布することによって真菌の細胞膜を破壊し効果を発揮する抗真菌薬である。

処方可能な診療科目

皮膚科/内科など

健康保険の適応

健康保険の適応あり

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約3,000円~10,000円
薬代1gあたりの目安:28.30円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ペキロンクリーム0.5% 販売開始 1994年2月

国内のジェネリック認可

-

関連製品(先発薬)

ペキロンクリーム0.5%

関連製品(ジェネリック)

-

効果・作用

本剤は抗真菌薬に分類される。主に足白癬、手白癬、体部白癬、股部白癬や皮膚カンジダなどに使用される。アモロルフィン塩酸塩は、皮膚糸状菌(Trichophyton属、Microsporum属、Epidermophyton属)、酵母類(Candida属)、 黒色真菌(Fonsecaea compactum等)及び癜風菌 (Malassezia furfur)に対して強い抗真菌作用を示したことから上記適応となっている。
アモロルフィン塩酸塩の作用機序としては、レダクターゼ反応(酸化還元反応)やイソメラーゼ反応(異性化酵素反応)に関与する。レダクターゼ反応やイソメラーゼ反応は、真菌の細胞膜を構成するエルゴステロールの生合成に関係する。つまり、アモロルフィン塩酸塩は、細胞膜構成要素であるエルゴステロールの生合成経路におけるレダクターゼ反応、イソメラーゼ反応を阻害することによって作用を示す。真菌の細胞膜の生合成を阻害することで、細胞膜の構造や細胞膜としての機能を障害することで真菌に対して活性を示している。
本剤は、クリーム剤であることより、やわらかめの製剤になっており色は白色である。においはわずかながら特異なにおいがある。

レダクダーゼ反応は、エルゴステロールが生合成される過程での4,4-ジメチルコレスタ-8,14,24-トリエノールから4,4-ジメチルチモステロールへの変換する反応である。この反応に関与するのが酵素であるレダクダーゼ。 本剤はこの4,4-ジメチルコレスタ-8,14,24-トリエノールから4,4-ジメチルチモステロールへの変換に必要な酵素レダクターゼの働きを阻害する。

イソメラーゼ反応は、同じくエルゴステロールの生合成される過程での反応で、フェコステロールからエビステロールへの変換反応である。この反応に関与するのが、イソメラーゼという酵素。本剤は、フェコステロールからエビステロールへの反応に必要なイソメラーゼの働きを阻害することでエルゴステロールの生合成を阻害する。
レダクターゼ阻害とイソメラーゼ阻害の2つの作用点がある薬剤になる。

使用方法

1日1回 患部に塗布

副作用

局所の剌激感/接触皮膚炎/糜爛/疼痛/発赤/そう痒/紅斑

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
▼本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

使用に注意が必要な方
▼妊婦又は妊娠している可能性のある女性
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

上記にあてはまる方は、アモロルフィン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
アモロルフィン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

特になし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
1日1回の薬を塗布するタイミングはいつでもいいですか?

基本的には薬を塗布するタイミングについてはいつでも問題ありません。しかし、塗布した直後にお風呂などに入ると薬剤が流れ落ちてしまう可能性もあるため、入浴後の方がいいかもしれません。医師より指示が出ている場合は、その通り使用するようにしてください。

保管方法はどうしたら良いですか?

チューブの製剤になるので、必要な分をチューブから出して使用することになります。チューブの中の薬に関しては、室温保存で問題ありません。夏場などで室温が30°Cを超える場合は注意が必要です。直射日光は避けて、引き出しの中などで保管するといいかもしれません。また、小さいお子さんの手の届かないところで保管してください。

水虫の薬でドラッグストアで買える薬はありますか?

アモロルフィン塩酸塩を有効成分とする一般用医薬品はありません。本剤は、白癬、皮膚カンジダ、癜風などが適応症になっています。皮膚カンジダや癜風を適応症とする一般用医薬品はないので、一般用医薬品での対応はできません。医療機関で医師に診察してもらいましょう。水虫(白癬)の場合は、一般用医薬品でも適応症となっている製品が存在します。一般用医薬品の場合は、抗真菌成分の他にも抗ヒスタミンなども配合されています。剤形も複数あり、クリーム剤、軟膏剤、ローション(液体)タイプなど種類が豊富です。患部の状態によって使い分けることができるので、購入の際に薬剤師に相談するのが良いと思います。水虫と似た症状の皮膚疾患もあるため、一般用医薬品で対応する場合にはしばらく使ってみて症状が改善しない場合や悪化した場合は、医療機関にて医師による診察を受けましょう。

水虫の予防はありますか?

皮膚を清潔な状態で保つということが大切です。そのためには、どんな予防策があるか紹介します。スリッパやサンダル、入浴後の足拭きマットなどの共有は避ける、普段履いている靴を清潔に保つ、湯船からあがった後、シャワーでしっかり流す、水虫の人と素肌で触れ合わない、入浴後、足の指の間などをしっかり拭いて濡れたままにしないなどの予防方法が挙げられます。
水虫の原因についても説明します。水虫の原因は、白癬菌という真菌が原因菌になります。水虫は足のイメージがあるかもしれませんが、手や体などでも感染します。しかし、実際には足で発症するのが約9割です。その理由としては、手や体などに比べて足は清潔を保つのが難しいからです。私たちは靴を履くため、足の指と指の間などで白癬菌が増殖しやすいのです。また、靴を履くことで蒸れるので白癬菌にとって増殖するのに都合の良い環境になっているのです。

皮膚カンジダについて教えてください。

皮膚カンジダはカンジダ菌が原因の皮膚疾患です。股部などの汗がかきやすく湿っていて擦れる場所に発症することがあります。症状はさまざまですが、発疹ができたり、水ぶくれや膿がでる場合もあります。痒みを伴うこともあります。治療は、カンジダ菌に効果を示す外用剤を使うのが一般的ですが、範囲が広い場合などは、内服薬を用いることもあります。カンジダ菌は、常在菌と言われ、常に人が保菌している菌になります。病原性が低い菌のため、普通ではなかなか発症しません。蒸れて温度が高かったり、湿度が高くなることによる環境要因やストレスや疲労、生活習慣病、ステロイド薬や抗がん剤、後天性免疫不全症候群(エイズ)などにより免疫機能が低下していると発症する可能性があります。また、水虫同様で皮膚の清潔を保つことも重要な要素になります。高齢者などでオムツを使用している場合などは注意が必要です。

1回にどれくらい塗ればいいですか?

患部の広さなどによって異なります。本剤は医療用医薬品なので医師の処方箋が必要な医薬品になります。その際に医師から指示があると思います。医師の指示に従ってください。

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