ラミブジン

成分名

ラミブジン

適応症状

HIV感染症

簡易説明

ラミブジンは、エイズウイルスの増殖をおさえる抗ウイルス薬です。エイズとは、エイズウイルスの感染により発症する病気のことで、血液や精液を介してうつります。エイズウイルスが体内に入り、白血球の一種のCD4リンパ球(免疫系の細胞)を壊し、だんだんと増殖していきます。やがて、体の免疫力が低下し、数年から十数年後と時間をかけてに発症します。重度の感染症に感染したり、リンパ腫などの悪性腫瘍になったり生命の危機にかかわることもあります。

処方可能な診療科目

内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約10,000円~
薬代1錠150mgあたりの目安:150mg約677.3円/(薬価)
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。
▽指定難病の場合の対象となる場合の記載方法は下記の文面を参考にお願い致します。
指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。性症は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 1997年2月

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

エピビル錠150/300【製薬メーカー:ヴィーブヘルスケア】
ゼフィックス錠100【製薬メーカー:グラクソ・スミスクライン】

関連製品(ジェネリック)

EPIVIR HBV tablet, film coated 100 mg (NDA)【製薬メーカー:GlaxoSmithKline LLC】
EPIVIR HBV solution 5 mg/mL (NDA)【製薬メーカー:GlaxoSmithKline LLC】
EPIVIR tablet, film coated 150mg/300mg (NDA)【製薬メーカー:ViiV Healthcare Company】
EPIVIR solution 10 mg/mL (NDA)【製薬メーカー:ViiV Healthcare Company】
LAMIVUDINE tablet, film coated 150mg/300mg (ANDA)【製薬メーカー:Apotex Corp./Aurobindo Pharma Limited】
Lamivudine tablet, film coated 100mg/150mg/300mg (ANDA)【製薬メーカー:American Health Packaging】
lamivudine tablet, film coated 100 mg (ANDA)【製薬メーカー:Camber Pharmaceuticals, Inc.】
LAMIVUDINE tablet 150mg/300mg (ANDA)【製薬メーカー:Cipla USA Inc.】
Lamivudine tablet 150mg/300mg (ANDA)【製薬メーカー:Ingenus Pharmaceuticals, LLC/Lannett Company, Inc.】
Lamivudine solution 10 mg/mL (ANDA)【製薬メーカー:Rising Health, LLC】

効果・作用

エイズウイルスの増殖をおさえる抗ウイルス薬で、ヌクレオシド系の逆転写酵素阻害薬の部類です。ウイルスの遺伝子の複製を阻害する作用があります。免疫力が回復し、病状の改善が期待できます。また、エイズの発症や進行を遅らせます。ただし、エイズウイルスを完全に死滅させることは困難で、生涯にわたり治療を続けなければなりません。
※エイズ:後天性免疫不全症候群
※エイズウイルス:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)

▼作用機序
ラミブジンは、細胞内でリン酸化されます。HIVを感染させた細胞内での半減期が、約12時間の活性化型の三リン酸化体に変換されます。ラミブジン−三リン酸化体は、HIVの逆転写酵素により、デオキシシチジン三リン酸の代わりにウイルスDNA鎖に取り込まれ、DNA鎖の伸長を停止させることでHIVの複製を阻害します。ラミブジン三リン酸化体はHIVの逆転写酵素を競合的に阻害します。in vitroで、リンパ球系・単球−マクロファージ系、ヒト末梢血リンパ球の株化細胞または、様々なヒト骨髄前駆細胞に対するラミブジンの細胞毒性は弱いです。

▼特徴
ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)です。B型肝炎ウイルスにも有効で、合併している場合に使用されることもあります。副作用が少なく、服用しやすいのも特徴の一つです。
単独では効果が弱く、同系の1種類を加えて基礎薬とし、さらに別系統の主要薬を組み合わせる3剤併用療法が標準的です。例として、3TCと同系のジドブジンを基礎薬とし、これにエファビレンツを加える組み合わせです。また、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬のかわりに、インテグラーゼ阻害薬または、プロテアーゼ阻害薬を使用することも可能です。

▼HIVとは
Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)のことです。ヒトの体をさまざまな細菌、カビやウイルスなどの病原体から守るのに大変重要な細胞である、Tリンパ球やマクロファージなどに感染するウイルスです。HIVは、HIV1型とHIV2型があります。

▼エイズとは
HIVが、Tリンパ球やマクロファージなどに感染し、これらの細胞の中でHIVが増殖します。これにより、免疫に大切なこれらの細胞が体の中から減っていき、普段は感染しない病原体にも感染しやすくなり、さまざまな病気を発症します。この病気の状態をエイズと言います。基準としては、代表的な23の疾患があり、発症した時点でエイズと診断されます。

▼HIVの感染
性的感染、血液感染、母子感染などがあげられます。
性的感染⇒主に女性は膣粘膜から、男性は性交によって生じる亀頭部分の細かい傷から、精液、膣分泌液に含まれるHIVが侵入し感染します。男性同性間の性的接触では、腸管粘膜から精液中のHIVが侵入します。膣性交よりも感染リスクが高いです。
血液感染⇒医療現場による針刺し事故、輸血、注射器や注射針の共用による回し打ちなど、血液が他のヒトの血管中に侵入することにより感染します。注射器・注射針を共用して回し打ちをすることは、C型肝炎の感染率が高くなります。
母子感染⇒出産時の産道感染、母乳哺育による感染、胎内感染があげられます。

▼HIVの治療法
現在、HIVを体内から完全に排除できる治療法はありません。抗HIV薬によってウイルスの増殖を抑制し、エイズの発症を防ぐことで、健常時と変わらない日常生活を送ることができます。早い段階で抗HIV療法を開始することがすすめられており、インテグラ―ゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、核酸系逆転写酵素阻害剤、非核酸系逆転写酵素阻害剤があり、3剤以上併用して服薬します。服用することで、HIVの血中ウイルス量が検出限界未満に抑制され、他の人へHIVを感染させる可能性が低くなります。

他の核酸系逆転写酵素阻害薬(抗HIV薬)
コンビビル
ザイアジェン
ビリアード
エプジコム
エムトリバ
ツルバダ
デシコビ

使用方法

成人は他の抗HIV薬と併用して、ラミブジンとして1日量300mgを1日1回又は2回(150mg×2)に分けて経口服用してください。
※年齢、体重、症状により適宜増減してください。

副作用

主な副作用
ラミブジンには、副作用が起こる可能性があります。
ラミブジンを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

トリグリセリド上昇、腹痛、下痢、嘔気、体脂肪再分布、体脂肪蓄積、胸部脂肪増加、体幹部脂肪増加、末梢部脂肪減少、顔面脂肪減少、野牛肩

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

重篤な血液障害、頻呼吸、貧血、汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、膵炎、血清アミラーゼ上昇、血清リパーゼ上昇、嘔吐、乳酸アシドーシス、急な体重減少、横紋筋融解症、ニューロパシー、痙攣、心不全、重度腹痛、悪心、脂肪沈着による重度肝腫大、脂肪肝、胃腸障害、肝毒性、肝毒性が疑われる臨床症状、肝毒性が疑われる検査値異常、重篤な乳酸アシドーシス、全身倦怠、食欲不振、呼吸困難、錯乱、赤芽球癆

その他の副作用
血清脂質増加、血糖増加、筋肉痛、肝機能検査値異常、AST上昇、末梢神経障害、血中尿酸上昇、高乳酸塩血症、発疹、皮膚炎、湿疹、鼻炎、皮疹、血糖値上昇、血清コレステロール上昇、アミラーゼ上昇、ALT上昇、体重減少、リンパ節症、平均赤血球容積増加、MCV増加、発汗、胃炎、消化不良、上気道炎、鼓腸放屁、倦怠感、発熱、頭痛、疼痛、疲労、無力症、血清クレアチニン上昇、関節痛、筋痙直、めまい、うつ病、睡眠障害、不安感、咳、肺炎、咽頭痛、気管支炎、脱毛、皮膚そう痒、ざ瘡、敗血症、毛嚢炎、CK上昇、リンパ球減少、痔核、腹部痙直、体温調節障害、骨痛、感情障害、錯感覚、脱水症、脱水、心筋症、耳管炎、呼吸障害、過敏症、アレルギー反応、重炭酸塩上昇、重炭酸塩低下、血糖値低下、総蛋白上昇、副鼻腔炎、総蛋白低下

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ラミブジンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方コンビビルは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼エピビルの有効成分
ラミブジン
▼代表薬の添加物
結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン、黒酸化鉄、ヒプロメロース、マクロゴール400、ポリソルベート80

妊婦/産婦
幼児/小児
過敏症
膵炎の既往歴のある小児
膵炎を発症する可能性のある小児

使用に注意が必要な方
授乳婦
新生児(低出生体重児を含む)
乳児
幼児・小児
B型慢性肝炎
腎機能障害
腎機能低下
透析
B型肝炎ウイルス感染
肝疾患の危険因子を有する
非代償性B型慢性肝炎
Ccr<5mL/分
Ccr≧50mL/分
Ccr15〜29mL/分
Ccr30〜49mL/分
Ccr5〜14mL/分
Ccrが50mL/min未満
腎機能障害
Ccr<5mL/分
Ccr≧50mL/分
Ccr15〜29mL/分
Ccr30〜49mL/分
Ccr5〜14mL/分
Ccrが50mL/min未満

上記にあてはまる方は、ラミブジンを使用する事が出来ない可能性があります。
ラミブジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
アルコールを含むもの<ジン、ウオッカ、ラム、ウイスキー、ブランデー など>
ソルビトールを含むもの

上記を使用している方は、ラミブジンを使用する事が出来ない可能性があります。
ラミブジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
B型肝炎ウイルス感染してる場合の注意事項はありますか?

投与を中止すると、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあり、特に非代償性の場合、重症化することもあるので注意が必要です。

エピビル錠

【上記引用元:ヴィーブヘルスケア】

腎機能障害患者が使用する場合の注意点はありますか?

高い血中濃度が持続するおそれがあるので、Ccr を測定し、減量するか投与間隔を延長してください。

エピビル錠

【上記引用元:ヴィーブヘルスケア】

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