ブテナフィン塩酸塩

成分名

ブテナフィン塩酸塩

適応症状

白癬(足部白癬、股部白癬、体部白癬)、癜風の皮膚真菌症の治療

簡易説明

皮膚真菌症とは真菌、いわゆるカビが原因となりヒトや動物の皮膚に感染する疾患を言います。真菌が起こす最も知名度の高い疾患が足の水虫です。白癬という真菌が原因となって起こりますが、白癬は足だけに限らず体中どこにでも感染します。また、癜風も癜風菌と呼ばれる真菌による感染症で主に体幹、頸部や腹部、時に顔面などに感染すると言われております。ブテナフィン塩酸塩はこの皮膚真菌症に対して効果を示します。

処方可能な診療科目

内科/皮膚科/外科/整形外科/小児科/産婦人科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1g/mLあたりの目安:クリーム約30円/外用液約30円/スプレー約55円
薬代後発薬1g/mLの目安:クリーム約20円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

メンタックスクリーム1%、メンタックス外用液1%
1992年1月21日製造販売承認(旧販売名;メンタックスクリーム、メンタックス液)
2008年2月28日製造販売承認(販売名変更による)
1992年4月17日薬価基準収載(旧販売名;メンタックスクリーム、メンタックス液)
2008年6月20日薬価基準収載(販売名変更による)
1992年4月17日発売

メンタックススプレー1%
2004年2月25日製造販売承認(旧販売名;メンタックススプレー)
2008年2月28日製造販売承認(販売名変更による)
2004年7月9日薬価基準収載(旧販売名;メンタックススプレー)
2008年6月20日薬価基準収載(販売名変更による)
2004年7月9日発売

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

メンタックスクリーム1%/メンタックス外用液1%/メンタックススプレー1%【製薬メーカー:科研製薬株式会社】
ボレークリーム1%/ボレー外用液1%/ボレースプレー1%【久光製薬株式会社】

関連製品(ジェネリック)

ブテナフィン塩酸塩クリーム1%「VTRS」【製薬メーカー:マイランEPD合同会社】
ブテナフィン塩酸塩クリーム1%「トーワ」/ブテナフィン塩酸塩液1%「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品株式会社】

海外での使用実績

韓国において永進薬品工業㈱(会社名)がMENTAX Cream、MENTAX Lotion(商品名)を販売
米国においてマイラン(会社名)がMENTAX(商品名)を販売
台湾において杏輝薬品工業(会社名)がMENTAX(商品名)を販売
フィリピンにおいてユナイテッドラボラトリー(会社名)がFUNCID(商品名)を販売

効果・作用

その作用機序は、真菌細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成を阻害する事になりますが、その作用部位はイミダゾール系薬剤と異なり、スクワレンのエポキシ化反応阻害に基づいています。
イミダゾール系薬剤は例えばミコナゾール硝酸塩やビホナゾール、ケトコナゾール、ルリコナゾール等がありますが作用機序としては、ラノステロール14α脱メチル酵素を阻害する事で2,4-メチレンジヒドロラノステロール以降の反応が止められ結果エルゴステロールの合成を阻害します。しかしベンジルアミン系薬剤であるブテナフィン塩酸塩はイミダゾール系薬剤とは作用部位が異なり、ラノステロール14α脱メチル酵素より下流におけるスクワレンエポキシダーゼを阻害する事により、スクワレン以降の反応が進まず結果エルゴステロールの合成を阻害します。結果のみ見ればエルゴステロールの合成阻害としてまとめられますがそのアプローチの違いから治療における選択肢の違いとして考慮されます。また有効率を剤形によって比較した場合においてはクリームの剤形がより吸収率が高く効果的であるとされております。

使用方法

メンタックスクリーム1%及びメンタックス外用液1%は1日1回患部に塗布する事とされております。また、メンタックススプレー1%も同様に1日1回患部に噴霧する事とされております。
3種類と剤形が多く患者の状態や治療部位などに応じて使用する剤形を選択する事が可能です。特にメンタックススプレー1%は手を汚す事無く使用でき、更に手指や容器が患部に直接触れない為衛生的に使用出来る事が特徴です。

副作用

皮膚における副作用が認められます。

発生頻度は以下の通りです。
クリーム剤
安全性評価対象例として9,517例中副作用が認められたのは131例(206件)
局所の発赤・紅斑54件(0.57%)、接触性皮膚炎39件(0.41%)、そう痒39件(0.41%)、刺激感22件(0.23%)
外用液
安全性評価対象例として1,922例中副作用が認められたのは16例(23件)
局所の発赤・紅斑7件(0.36%)、そう痒6件(0.31%)、刺激感4件(0.21%)

水泡も0.1~5%未満の頻度で認められております。
また0.1%未満の副作用として糜爛、落屑、亀裂が認められております。

外用抗真菌剤の為どの剤形においても全身性の副作用は認められておりません。使用部位のみにおける副作用ではありますが糜爛、落屑、亀裂のように発生頻度が低い副作用でも異常が認められた場合には速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

■ブテナフィン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、メンタックスクリーム1%/メンタックス外用液1%/メンタックススプレー1%はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼メンタックスクリーム1%/メンタックス外用液1%/メンタックススプレー1%の有効成分
ブテナフィン塩酸塩
▼代表薬の添加物
クリーム
・白色ワセリン、セタノール、ステアリン酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン、ジエタノールアミン、安息香酸ナトリウム、その他2成分
外用液/スプレー
マクロゴール400、エタノール

使用に注意が必要な方
1)妊婦、産婦、授乳婦等
妊娠中の投与に関する安全性は確立しておりません。その為妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には使用に注意が必要です。
2)小児等
低出生体重児又は新生児に対する安全性は使用経験がない為確立しておりません。また乳児及び3歳以下の幼児では、刺激感、発赤等が現れやすいので使用には注意が必要です。

上記にあてはまる方は、ブテナフィン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ブテナフィン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

相互作用の記載はありませんので併用を気にすることはありません。しかし真菌症は抵抗力が落ちる事で症状が悪化します。免疫抑制剤など使用している方は健常人よりも治療が遅くなることが考えらえます。また感染部位に炎症が起こっている場合炎症を抑える目的でステロイドの軟膏を併用する場合があります。但しステロイドの軟膏は添付文書上、白癬菌感染症への投与が禁忌になっておりますので必ず主治医に確認の上使用するようにしましょう。

よくある質問
どのくらいの期間使用したら治りますか?

白癬菌は症状にもよりますがおおむね1~2か月で見た目が改善します。しかしまだ内部に残っていることもある為見た目が良くなっても更に1~2か月間は使用する必要があります。主治医からやめてよいと言われるまで塗り続けるようにしましょう。

外用抗真菌薬の塗り方指導

【上記引用元:マルホ 医療関係者向けサイト】

足の指の間に水虫があると言われたので薬は指の間のみの使用で大丈夫か?

水虫菌は症状がなくても存在します。両足の裏を中心に広く隙間なく塗るのが理想的です。足の指の間・背面、爪の周り、足の側面、アキレス腱の周囲なども忘れずに主治医の指示に従って正しく塗るようにしましょう。

外用抗真菌薬の塗り方指導

【上記引用元:マルホ 医療関係者向けサイト】

水虫は感染しますか?

白癬菌は感染します。子供への感染も起こります。スリッパや足ふきマットを共有しないようにしましょう。

外用抗真菌薬の塗り方指導

【上記引用元:マルホ 医療関係者向けサイト】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。