成分名 |
エトレチナート |
適応症状 |
○諸治療が無効かつ重症な下記疾患
乾癬群(尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、関節症性乾癬)
魚鱗癬群(尋常性魚鱗癬、水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症、非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症)
掌蹠角化症
ダリエー病
掌蹠膿疱症
毛孔性紅色粃糠疹及び紅斑性角化症
口腔白板症
口腔乳頭腫及び口腔扁平苔癬 |
簡易説明 |
エトレチナートの薬は2022年8月現在チガソンカプセル10、チガソンカプセル25の2種類のみ販売されています。この記事では以降、チガソンカプセルと統一して記載します。
チガソンカプセルは劇薬に指定されています。副作用の頻度が高いことや、服用する上での注意点が多く存在します。必ず、副作用、使用に注意が必要な方の項目をご確認ください。
チガソンカプセルは皮膚や口腔粘膜の異常に固くなった部分(角化)をはがし易くし、正常な表皮や粘膜を再形成します。通常、重症の乾癬や魚鱗癬などの治療に用いられます。 |
処方可能な診療科目 |
皮膚科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~2,000円
薬代1錠あたりの目安:チガソンカプセル10約344円/チガソンカプセル25約796円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
製造販売承認年月日:1985 年 1 月 31 日
薬価基準収載年月日:1985 年 12 月 10 日
発 売 年 月 日:1985 年 12 月 10 日 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックは存在しません。 |
関連製品(先発薬) |
太陽ファルマ株式会社
チガソンカプセル10
チガソンカプセル25 |
関連製品(ジェネリック) |
ジェネリックは存在しません。
※海外では胎児への危険性から多くの国で販売禁止となっています。
現在は多くの国でacitretin(商品名:NeotigasonまたはSoriatane)に置き換わっています。 |
効果・作用 |
●乾癬とは
この薬の適応症状のひとつである乾癬は、皮膚の炎症を伴う病気です。人に移ることはありません。皮膚が少し盛り上がったり、赤い発疹が出たり、銀白色のふけのようなものがくっついてポロポロと剥がれ落ちます。
原因ははっきりとわかっていませんが遺伝的要因や食生活の乱れ、ストレス、糖尿病などが関係しているのではないかと考えられています。
●チガソンカプセルの作用機序
チガソンカプセルは通常、外用薬を使用しても効果が表れなかった場合に使用します。作用機序ははっきりとわかっていませんが、皮膚のターンオーバーを促進することで古い皮膚を落として、新しく正常な上皮の再形成(増殖および分化)に関与しているのではないかと考えられています。
●チガソンカプセルの効果について
臨床試験の結果を紹介します。有効率を%で示しています。
《皮膚科領域》
○乾癬群
・尋常性乾癬 73.1%
・膿胞性乾癬 92.9%
・乾癬性紅皮症 96.3%
・関節症性乾癬 100.0%(症例数が6件と少ないです)
○魚鱗癬群
・尋常性魚鱗癬 75.0%
・水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症 75.0%
・非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症 96.2%
○掌蹠角化症 82.1%
○ダリエー病 88.6%
○掌蹠膿疱症 67.4%
○毛孔性紅色粃糠疹 70.3%
○紅斑性角化症 70.0%
《口腔外科領域》
○口腔白板症 60.0%
○口腔乳頭腫 80.0%
○口腔扁平苔癬 71.6% |
使用方法 |
《注意!》必ず薬局から指示された服用量を確認して、その指示に従って服用してください。
・通常、成人は寛解導入に主成分として 1 日 40~50mg を 2~3 回に分けて 2~4 週間服用します。1 日最高
用量は 75mg までです。その後、症状に応じて寛解維持に 1 日 10~30mg を 1~3 回に分けて服用します。
幼・小児は寛解導入に 1 日体重 1kg あたり 1.0mg を 1~3 回に分けて 2~4 週間服用します。その後、症状
に応じて寛解維持に 1 日体重 1kg あたり 0.6~0.8mg を 1~3 回に分けて服用します。
いずれも、年齢・体重・症状により適宜増減されます。本剤は 1 カプセル中に主成分 10mg を含有します。
必ず指示された用方法に従ってください。
・多量の牛乳や脂肪分の多い食事と一緒に飲むことは避けてください。 |
副作用 |
主な副作用
落屑 、 皮膚菲薄化 、 皮膚そう痒 、 脱毛 、 爪囲炎 、 発汗 、 口唇炎 、口内乾燥 、 鼻腔乾燥 、 口角炎 、 頭痛
重大な副作用
中毒性表皮壊死症 、TEN 、 多形紅斑 、 血管炎
その他の副作用
Al−P上昇 、 皮膚水疱 、 BUN上昇 、 耳漏 、 骨端早期閉鎖 、 浮腫 、 口内炎 、 骨異常 、 脱力感 、 毛髪縮れ 、 関節痛 、 血清コレステロール値上昇 、 眼脂 、 発熱 、 中耳炎 、 耐糖能異常 、 LDH上昇 、 筋肉痛、 皮膚亀裂 、 悪心 、 嘔気 、 頭重 、 眼痛 、 黄疸 、 ALT上昇 、 悪寒 、 皮膚色素沈着 、 骨痛 、 毛髪変色 、 しびれ感 、 皮下出血 、 咽頭痛 、 頭蓋内圧亢進 、 夜間視力低下 、 肉芽腫 、 ほてり 、 下痢 、 眼瞼乾燥 、 食欲不振 、 眼精疲労 、 嘔吐 、 過骨症 、 不眠 、 白血球減少 、 爪脆弱化 、 目のかすみ 、 腹痛 、 貧血 、 体重減少 、 発疹 、 毛髪異常 、 倦怠感 、 うっ血乳頭 、 味覚異常 、 白血球増多 、 めまい 、 クレアチニン値上昇 、 舌痛 、 トリグリセライド値上昇 、 眼瞼腫脹 、 耳鳴 、結膜炎 、 AST上昇 、 ざ瘡 、 口腔内びらん 、 頻尿 、 皮膚乾燥 、 紅斑 、 視覚異常 、 眼瞼そう痒
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
《全員共通》同意書について
チガソンカプセルを使用する際は同意書を書く必要があります。使用者または代諾者の氏名、住所、処方医師名の3つの項目にそれぞれサインをする必要があります。
●内容(一部抜粋)
○女性使用者:胎児に障害が起きるとの報告がある。
・妊娠していないことを確認し、服用の開始や再開をします。
・この薬の服用中および服用中止後少なくとも2年間は避妊をします。
・私が避妊期間中に妊娠した可能性がある場合は直ちに主治医に報告します。
○男性使用者:精子形成異常が認められている。
・この薬を服用中および服用中止後少なくとも6ヵ月間は避妊します。
・私のパートナーが避妊期間中に妊娠した可能性がある場合は直ちに主治医に報告します。
○副作用:副作用が起こることがあります。(詳しくは副作用の項目をご確認ください)
・副作用の症状や気になる症状が起きたときは、ただちに主治医に相談します。
・定期的に診察を受け、副作用が起きていないことを確認します。
○その他の注意
・このお薬は催奇形性があり副作用の頻度も高いため、この薬を服用中および服用中止後少なくとも2年間は献血を行いません。
・ビタミンAを含んでいるサプリメント等は飲んでいません。
●妊娠を希望する女性の方とそのパートナーの方
どちらか片方が薬を服用している(していた)場合、赤ちゃんが障害、奇形をもって生まれることや、流産、死産の可能性が通常に比べて非常に高くなっています。妊活等の計画をする際は主治医によくご相談の上、慎重に行ってください。
上記にあてはまる方は、エトレチナートを使用する事が出来ない可能性があります。 エトレチナートを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 フェニトイン
メトトレキサート製剤
●飲食物
これらの食品と一緒にならないように注意してください。
・牛乳
・脂肪が多い食事
・ビタミンAを含むもの(レバー、あんこう、うなぎ、あゆ、海苔 など)
上記を使用している方は、エトレチナートを使用する事が出来ない可能性があります。 エトレチナートを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ビタミンA製剤(チョコラAなど)
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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