ダルナビルエタノール付加物

成分名

ダルナビルエタノール付加物

適応症状

HIV感染症

簡易説明

・HIVは標的となる細胞に感染しウイルス粒子を産生することで増殖し、ウイルス粒子産生に必要な機能タンパク質を作るためにはプロテアーゼという酵素が必要となります。ダルナビルエタノール付加物は、プロテアーゼを阻害し、リンパ球などに感染し、免疫系を徐々に破壊する「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)」の標的細胞でのウイルス粒子産生を防ぐことで感染拡大を抑えます。

処方可能な診療科目

内科、泌尿器科、など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1,000円~10,000円

【製薬メーカー:ヤンセンファーマ】
プリジスタ錠600mg 891.1円/錠
プリジスタナイーブ錠800mg1900.2円/錠

※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 2015年5月

国内のジェネリック認可

ありません(海外のみ)

関連製品(先発薬)

〈製薬メーカー:ヤンセンファーマ〉
プリジスタ錠600mg
プリジスタナイーブ錠800mg
プレジコビックス配合錠
シムツーザ配合錠

関連製品(ジェネリック)

〈製薬メーカー:Cipla Ltd.〉
ダルビル(プリジスタジェネリック)

効果・作用

▼ダルナビルエタノール付加物の作用▼
・HIVは標的細胞に吸着し細胞内に侵入すると、自身の遺伝子を宿主の染色体に組み込み感染を成立させます。その後、ウイルス粒子に必要な複合タンパク質が合成され、この複合タンパク質が機能するタンパク質になるには「プロテアーゼ」という酵素によって切断される必要があります。ダルナビルエタノール付加物は、エイズウイルスの「プロテアーゼ」という酵素の働きを妨害し、細胞に感染性をもつ成熟ウイルスへの移行を阻止する働きがあります。これにより、新たな細胞への感染がおこらず、エイズウイルスの増殖が抑えられます。このような作用から「プロテアーゼ阻害薬」とも呼ばれます。
また、抗HIV薬はその作用機序により、NRTI(核酸系逆転写酵素阻害薬)、NNRTI(非核酸系逆転転写酵素阻害薬)、PI(プロテアーゼ阻害薬)、INSTI(インテグラーゼ阻害薬)などに分かれる。
・抗ウイルス作用がとても強く、高い有効率が得ることが可能です。比較的安全性も高く、副作用も少ないほうです。初回治療の服薬回数が1日1回で簡便で、プロテアーゼ阻害薬ベースの治療をする場合、この薬が主要薬(キードラッグ)として推奨されております。
・既存薬が変異しやすいプロテアーゼの端(アミノ酸の側鎖)に結合するのに対し、ダルナビルエタノール付加物は中心部分(アミノ酸の主鎖)に結合するので、エイズウイルスが薬に対する抵抗性を持ちにくく、薬の効果が落ちることが少ないので薬剤耐性を生じにくくなっております。

▼エイズとエイズウイルス▼
エイズは、エイズウイルスの感染により起こる病気です。エイズウイルスは血液や精液を介して感染します。体内入ったエイズウイルスは、免疫系の細胞(白血球の一種のCD4リンパ球)を破壊し、徐々に増えていきます。すると体の免疫力がしだいに低下し、数年から十数年後に発症します。重い感染症にかかったり、リンパ腫などの悪性腫瘍に侵されやすくなり生命を脅かします。
ダルナビルエタノール付加物は、エイズウイルスの増殖をおさえる抗ウイルス薬となっており、エイズウイルスを完全に死滅させることは困難です。生涯にわたり治療を続けなければなりません。
※エイズ:後天性免疫不全症候群
※エイズウイルス:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)

使用方法

・成人にはダルナビルとして1回600mgとリトナビル1回100mgをそれぞれ1日2回食事中又は食直後に併用投与すること
※投与に関して、必ず他の抗HIV薬と併用してください。
(用法及び用量に関連する注意)
以下注意をし使用してください
1)抗HIV薬による治療経験がないHIV感染患者には、プリジスタナイーブ錠800mg1錠を1日1回投与してください
2)抗HIV薬による治療経験があり、ダルナビル耐性関連変異を持たない患者には、プリジスタナイーブ錠800mg1錠を1日1回投与してください
3)抗HIV薬による治療経験があり、少なくとも1つのダルナビル耐性関連変異を持つ患者には、プリジスタ錠600mg1錠を1日2回投与してください
※抗HIV薬による治療経験のある患者には「薬剤耐性遺伝子型検査の実施」が推奨されてますが、検査が行えない場合、プリジスタ錠600mg1錠を1日2回投与が推奨されております。
※使用に際しては、必ず薬物動態学的増強因子(ブースター)としてリトナビルを併用してください。
※ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、感染初期から多種多様な変異株が発生し、薬剤耐性を発現しやすいので、他の抗HIV薬と併用してください。
※他の抗HIV薬との併用療法で、因果関係が特定できない重篤な副作用があらわれ、治療の継続が困難であると判断された場合は、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて中止してください。

副作用

主な副作用
ダルナビルエタノール付加物には、副作用が起こる可能性があります。
服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

発疹、高トリグリセリド血症、頭痛、下痢、悪心、腹痛、嘔吐、皮膚そう痒症、疲労、無力症、毛包炎

重大な副作用
急性膵炎、中毒性表皮壊死融解症、Toxic Epidermal Necrolysis、TEN、急性汎発性発疹性膿疱症、重度発疹、肝機能障害、黄疸、AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、皮膚粘膜眼症候群、Stevens-Johnson症候群、多形紅斑

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
過敏症、免疫再構築症候群、食欲不振、高コレステロール血症、高脂血症、糖尿病、高血糖、脂質異常症、LDL増加、食欲減退、肥満、低ナトリウム血症、多飲症、異常な夢、錯乱状態、失見当識、易刺激性、気分変動、悪夢、不安、末梢性ニューロパシー、感覚鈍麻、記憶障害、錯感覚、傾眠、一過性脳虚血発作、回転性めまい、心筋梗塞、頻脈、高血圧、呼吸困難、咳嗽、しゃっくり、膵酵素増加、鼓腸、腹部膨満、消化不良、便秘、口内乾燥、肝酵素増加、急性肝炎、体脂肪再分布、体脂肪蓄積、血管浮腫、寝汗、アレルギー性皮膚炎、湿疹、中毒性皮疹、脱毛症、薬剤性皮膚炎、多汗症、皮膚炎症、斑状丘疹状皮疹、蕁麻疹、筋肉痛、関節痛、四肢痛、骨減少症、骨粗鬆症、骨壊死、急性腎障害、腎機能不全、腎結石症、多尿、女性化乳房、発熱、悪寒、高熱、末梢性浮腫、白血球数減少、好中球数減少、好中球絶対数減少、リンパ球数減少、部分トロンボプラスチン時間延長

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児
・妊婦/産婦
・過敏症/肝機能障害/腎機能障害/ピモジド投与中/トリアゾラム投与中/ミダゾラム投与中/アゼルニジピン投与中/ジヒドロエルゴタミン投与中/バルデナフィル投与中/ブロナンセリン投与中/シルデナフィル<レバチオ>投与中/エルゴメトリン投与中/メチルエルゴメトリン投与中/タダラフィル<アドシルカ>投与中/リバーロキサバン投与中/アスナプレビル投与中/エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン投与中/グラゾプレビル投与中/ダクラタスビル塩酸塩・アスナプレビル・ベクラブビル塩酸塩投与中/アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル投与中/ルラシドン投与中

使用に注意が必要な方
・過敏症/肝機能障害/血友病/著しい出血傾向/投与前に肝機能異常/慢性活動性B型及び/又はC型肝炎治療経験のある

上記にあてはまる方は、ダルナビルエタノール付加物を使用する事が出来ない可能性があります。
ダルナビルエタノール付加物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
・セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むもの
・コルヒチン/肝薬物代謝酵素<CYP3A4>の基質となる薬剤/レバチオ/タダラフィル<肺高血圧症を適応とする場合>/バイアグラ/シアリス/ザルティア/アミオダロン/ベプリジル/リドカイン<全身>/キニジン/シクロスポリン/タクロリムス水和物/Ca拮抗剤<アゼルニジピンは併用禁忌>/フェロジピン/ニフェジピン/ニカルジピン/フルチカゾン/ダサチニブ/エベロリムス/ボセンタン/アピキサバン/肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤/薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤/トリアゾラム/ミダゾラム/ピモジド/酒石酸エルゴタミン/無水カフェイン/イソプロピルアンチピリン/ジヒドロエルゴタミン/エルゴメトリン/メチルエルゴメトリン/バルデナフィル/ブロナンセリン/アゼルニジピン/アゼルニジピン/オルメサルタン/メドキソミル/ルラシドン/アスナプレビル/ダクラタスビル塩酸塩/アスナプレビル/ベクラブビル塩酸塩/リバーロキサバン/リファンピシン類/フェノバルビタール/フェニトイン/デキサメタゾン<全身投与>/リファブチン/シンバスタチン/アトルバスタチン/ロスバスタチン/プラバスタチン/サルメテロール/クラリスロマイシン/カルバマゼピン/ジゴキシン/グレカプレビル/ピブレンタスビル/経口避妊薬/エチニルエストラジオール/ノルエチステロン/セルトラリン/パロキセチン/メサドン/イトラコナゾール/ケトコナゾール/ボリコナゾール/ワルファリン/テノホビル製剤/エトラビリン/エファビレンツ/ネビラピン/リルピビリン/リトナビル/ロピナビル/リトナビル配合剤/サキナビル/インジナビル/ラルテグラビル/ドルテグラビル/マラビロク

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
高齢者は何歳からになりますでしょうか?

65歳以上の方は慎重投与に該当いたしておりますので、医師、薬剤師にご相談ください。

ED治療薬を使ってるのですが、大丈夫でしょうか?

シルデナフィルなのどED治療薬に使用されている成分は併用禁忌に記載がありますので一緒に利用はできません。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。