成分名 |
ラタモキセフナトリウム |
適応症状 |
〈適応菌種〉
ラタモキセフに感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、バクテロイデス属、プレボテラ・ビビアを除くプレボテラ属
〈適応症〉
敗血症、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎 |
簡易説明 |
ラタモキセフナトリウムは、1976年に塩野義製薬により開発され、1982年に日本で発売されたオキサセフェム系抗生物質です。感染症に使用されます。本剤は、これまでのセフェム系とは異なる化学構造を持ち、特にグラム陰性菌と嫌気性菌に対して強い抗菌力を示します。また、β-ラクタマーゼに対する安定性や、体内での代謝が少なく尿中に未変化体で排泄されるという特徴を持っています。 |
処方可能な診療科目 |
総合内科/消化器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
本剤は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:1g約1168円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1982年1月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
シオマリン静注用1g【製薬メーカー:塩野義製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
中国で発売されています。 |
効果・作用 |
ラタモキセフナトリウムは、1976年に塩野義製薬によって開発された薬剤です。作用機序としては、細菌の細胞壁の合成を阻害することで抗菌作用を発揮するとされています。これまでのセフェム系抗生物質とは化学構造が異なっており、 グラム陰性菌や嫌気性菌に広い抗菌スペクトルと強い抗菌力を示し、殺菌的に作用します。グラム陰性菌と嫌気性菌が産生するβ-lactamase に安定的な作用を占めることが特徴です。また、各体液内や組織内への移行がしやすく、体内で代謝されずに未変化体のまま主として尿中に排泄されます。1978年から日本で臨床研究が行われ、1982年から発売されています。
臨床試験としては、1294名を対象に有効性を検討しており、有効率は1058名に認められ、81.8%でした。
疾患別の結果としては、敗血症患者32名に本剤を投与したところ25名が改善し、有効率は78.1%でした。急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染に対しては481名中391名に症状改善が認められ、有効率81.3%でした。
子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎に対する有効率は92.6%と高く、94名中87名に症状改善が示されております。 |
使用方法 |
成人には 1日 1~2gを 2回に分割して静脈内注射もしくは点滴静注します。
小児には 1日 40~80mg/kgを 2~4回に分割して静脈内注射又は点滴静注します。
なお、年齢、症状に合わせて増減しますが、難治性もしくは重症感染症には、成人では 1日 4g、小児では 1日 150mg/kgまで増量し、2~4回に分割投与してください。 |
副作用 |
主な副作用
BUN上昇や、発熱、発疹、好酸球増多、悪心や下痢、頭痛や全身倦怠感などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。
過敏症・・発疹/発熱(0.1~5%未満)、そう痒(0.1%未満)、蕁麻疹/発赤(頻度不明)
血液・・好酸球増多/貧血(赤血球減少/ヘモグロビン減少/ヘマトクリット減少)(0.1~5%未満)、血小板減少/プロトロンビン時間延長(0.1%未満)、顆粒球減少(頻度不明)
腎臓・・BUN上昇(0.1~5%未満)、クレアチニン上昇/蛋白尿(0.1%未満)、乏尿(頻度不明)
肝臓・・AST上昇/ALT上昇/Al-P上昇(0.1~5%未満)、ビリルビン上昇(0.1%未満)
消化器・・悪心/下痢(0.1~5%未満)、嘔吐/食欲不振(0.1%未満)
菌交代症・・口内炎/カンジダ症(頻度不明)
ビタミン欠乏症・・ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症/出血傾向等)/ビタミンB群欠乏症状(舌炎/口内炎/食欲不振/神経炎等)(頻度不明)
その他・・頭痛/全身倦怠感(0.1~5%未満)
重大な副作用
ショックやアナフィラキシー、急性腎障害、スティーブンジョンソン症候群、間質性肺炎、PIE症候群や痙攣などに注意をしてください。
間質性肺炎に関しては、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部 X線異常、好酸球増多等を伴う症状があらわれることがありますので、異常が認められた場合には副腎皮質ホルモン剤の投与などを検討してください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ラタモキセフナトリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼シオマリンの有効成分
ラタモキセフナトリウム
▼代表薬の添加物
D-マンニトール
・以前、ラタモキセフナトリウムを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
使用に注意が必要な方 ・セフェム系もしくはペニシリン系抗生物質に対し過敏症となったことのある方は、使用には注意をしてください。
・本人もしくは両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質のある方
・経口摂取ができない方もしくは非経口栄養の方、全身状態の悪い方は、ビタミンK欠乏症状があらわれるリスクがあります。
・高度の腎障害のある方は、投与量を減らすか、投与間隔をあけて使用してください。高い血中濃度が持続する恐れがあります。
・腎不全の方は、大量投与すると痙攣等の神経症状を起こすリスクがあります。
・妊婦もしくは妊娠している可能性のある女性には、投与するメリットが上回るとされる場合にのみ投与を検討してください。
・低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施しておりません。
・高齢者は生理機能が低下しているため、副作用が発現しやすいとされています。また、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれるリスクがあります。
上記にあてはまる方は、ラタモキセフナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 ラタモキセフナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <利尿剤(フロセミド等)>
機序は不明ですが、腎障害が発現、増悪する可能性があります。
<アルコール>
顔面潮紅、心悸亢進、めまい、頭痛、嘔気などのジスルフィラム様作用があらわれるおそれがあるので、投与期間中や投与後少なくとも1週間は飲酒を避けるようご指導ください。
上記を使用している方は、ラタモキセフナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 ラタモキセフナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ラタモキセフナトリウムに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
シオマリン静注用1g 添付文書 |
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