成分名 |
ダプロデュスタット |
適応症状 |
腎性貧血 |
簡易説明 |
ダプロデュスタット(ダーブロック錠)は腎性貧血治療薬です。透析を受けている患者さんだけでなく、透析に至っていない慢性腎臓病の患者さんにも使用できることが大きな特徴です。同じような効果を示す薬の中でダプロデュスタット錠が一番使いやすいようで、医師を対象とした調査で最も処方頻度が高い薬に選ばれています。慢性腎臓病の患者さんと透析患者さんで飲み方が変わるのでご注意ください。
低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素(HIF-PH)という物質の働きを阻害し低酸素誘導因子(HIF)によるエリスロポエチン(EPO)産生を促し赤血球の産生を促進することで慢性腎臓病などによる腎性貧血を改善します。
この薬は作用が強いことや、重篤な副作用の可能性があることから劇薬に指定されています。医師、薬剤師の指示を必ず守って服用するようにしてください。 |
処方可能な診療科目 |
腎臓内科、泌尿器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
腎臓の検査・診察・薬の処方
腎臓内科 3割負担の場合
診察料約1,000円+検査料約3,500円+薬剤料約1,000円=約5,500円
※あくまでも目安です。実際とは異なる場合があります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
製造販売承認年月日:2020年6月29日
薬価基準収載年月日:2020年8月26日
販売開始年月日:2020年8月26日 |
国内のジェネリック認可 |
- |
関連製品(先発薬) |
協和キリン株式会社
ダーブロック錠 1mg
ダーブロック錠 2mg
ダーブロック錠 4mg
ダーブロック錠 6mg |
関連製品(ジェネリック) |
- |
効果・作用 |
●腎性貧血とは
この薬の効果である腎性貧血は慢性腎臓病によって引き起こされるものです。腎臓は様々なホルモンを分泌しており、その中のひとつに赤血球を作る働きを促進するエリスロポエチンというホルモンがあります。健康な腎臓では必要な量のエリスロポエチンが生成され、必要な量の赤血球が作られますが、腎機能が低下している腎臓では必要な量のエリスロポエチンが生成できないため、赤血球が十分に作られず、赤血球が足りなくなり腎性貧血になります。腎性貧血の症状は疲れやすい、動悸、息切れ、めまいなどです。
●作用機序
赤血球の生成は赤血球の生成を促すエリスロポエチンを作り出すもとになる低酸素誘導因子という酵素の働きによって行われます。この薬はその低酸素誘導因子の分解にかかわる低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素の働きを阻害することにより赤血球の生成を行いやすくします。ダプロデュスタットと同じHIF-PH(低酸素誘導因子ープロリン水酸化酵素)阻害薬に分類される他の薬(同効薬)はエベレンゾ、バフセオ、エナロイ、マスーレッドなどがあります。また、HIFが関わる細胞の低酸素応答の仕組みの解明は2019年のノーベル医学生理学賞を受賞しています。
●ダプロデュスタット錠の特徴
ダプロデュスタット錠は他の薬とは異なり、副作用が比較的少ないことや、細かく量を調整できることから、処方頻度の高い薬となっています。ダプロデュスタット錠の1mg、2mg、4mg、6mgでそれぞれ灰色、黄色、白色、帯赤白色(見た目はピンク色に近いです。)と色分けされており、どの薬をどれだけ飲めばよいのか、わかりやすくなっています。
「ダプロデュスタット錠による腎性貧血の治療を受けられるみなさまへ」というパンフレットがgsk、東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科の南学先生より発行されています。わかりやすく必要な情報を手に入れたいときにぜひご利用ください。 |
使用方法 |
●保存期慢性腎臓病患者
〇赤血球造血剤刺激因子製剤で未治療の場合
成人の場合は1回2mgまたは4mgを投与開始量として1日1回服用してください。以後は医師、薬剤師の指示のもと量を増減します。1日24mgが上限とされています。
投与開始量は投与開始時のヘモグロビン濃度に応じて調整します。
ヘモグロビン濃度が9.0g/dL未満・・・開始用量1回4mg
ヘモグロビン濃度が9.0g/dL以上・・・開始用量1回2mg
〇赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合
成人の場合は1回2mgまたは4mgを投与開始量として1日1回服用してください。以後は医師、薬剤師の指示のもと量を増減します。1日24mgが上限とされています。
●透析患者
成人の場合は1回4mgを投与開始量として1日1回服用してください。以後は医師、薬剤師の指示のもと量を増減します。1日24mgが上限とされています。
※休薬した時なども再開するときに服用方法の指定があります。医師、薬剤師からの指示をよく聞いて必ず従ってください。ご不明な点があれば必ず聞いてください。 |
副作用 |
主な副作用
網膜出血、過敏症、発疹、皮膚炎、蕁麻疹、高血圧
副作用とその症状
●脳梗塞(脳の血管が詰まる)の症状
・突然頭がもうろうとする、意識が低下する、意識がなくなる
・突然しゃべりにくくなる、言葉が出にくくなる
・突然片方の手足が動かしにくくなる
・突然の頭痛
・突然の嘔吐など
●心筋梗塞(心臓発作)の症状
・締め付けられるような胸の痛み
・息苦しい
・冷や汗が出るなど
●肺塞栓(肺の血管が詰まる)
・息苦しい
・胸の痛み
・血の混じった痰など
●網膜静脈閉塞(目の奥の血管が詰まる)の症状
・急に視力が低下する
・目がかすんで見える
・見えない部分があるなど
●深部静脈血栓症(皮膚から深いところにある静脈に血栓ができる)の症状
・脚の痛み
・脚のむくみ
・皮膚が青紫~暗紫色になるなど
●シャント閉塞(透析患者のみ)の症状
・シャント血管が硬くなる
・シャント血管が痛くなる
・シャント音が聞こえない
重大な副作用
血栓塞栓症、脳梗塞、肺塞栓症、網膜静脈閉塞、深部静脈血栓症、バスキュラーアクセス血栓症、シャント閉塞
いずれの副作用も1%に満たないほどの低い確率です。
その他の副作用
・網膜からの出血
・発疹、皮膚炎、じんましんなどのアレルギー症状
・血圧の上昇
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 《警告》
ダプロデュスタット錠の服用中に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の重篤な血栓塞栓症が発生して死亡に至ることがあります。脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の合併症及び既往歴がある方は必ず医師、薬剤師に伝えて下さい。また、上記の症状やその徴候が見られた場合はすぐに医療機関を受診してください。
・ダプロデュスタット錠の成分(ダプロデュスタット)に対して過敏症の既往歴のある方
使用に注意が必要な方 ・合併症、既往歴のある方
・脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓の患者の方、またその既往歴のある方
・高血圧症を合併されている方
・悪性腫瘍を合併されている方
・増殖糖尿病網膜症、黄斑浮腫、滲出性加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症等を合併されている方
・妊娠中の方
・授乳中の方
・小児の方
上記にあてはまる方は、ダプロデュスタットを使用する事が出来ない可能性があります。 ダプロデュスタットを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 CYP2C8 阻害剤
クロピドグレル錠
プラビックス錠
ロレアス配合錠
コンプラビン配合錠
リファジンカプセル
リファンピシンカプセル
ダイフェン配合錠
ダイフェン配合顆粒
バクタ配合錠
バクタミニ配合錠
バクタ配合顆粒
バクトラミン配合錠
バクトラミン配合顆粒
バクトラミン注
上記を使用している方は、ダプロデュスタットを使用する事が出来ない可能性があります。 ダプロデュスタットを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 該当する薬剤はありません
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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