メスナ

成分名

メスナ

適応症状

イホスファミドもしくはシクロホスファミド(造血幹細胞移植の前治療)投与によって起こる泌尿器系障害の発現抑制

簡易説明

メスナは、イホスファミドやシクロホスファミドを投与すると起こる泌尿器障害の症状を抑制する薬剤です。イホスファミドやシクロホスファミドの代謝物であるアクロレイン等が尿中に排泄される際に尿路粘膜を障害することが泌尿器系障害の要因とされています。本剤は、メスナを有効成分とし、尿中でオキサザホスフォリン系薬剤の尿路障害性代謝物と結合して無障害化し、泌尿器系障害を防止します。日本では、塩野義製薬が開発を行い、1994年に輸入承認および製造承認を得ました。

処方可能な診療科目

泌尿器科/血液内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
ウロミテキサン注100mg【製薬メーカー:塩野義製薬】1管307円(薬価)
ウロミテキサン注400mg【製薬メーカー:塩野義製薬】1管707円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

1994年12月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ウロミテキサン注100mg【製薬メーカー:塩野義製薬】
ウロミテキサン注400mg【製薬メーカー:塩野義製薬】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

適応は日本の文言と少し異なっている部分がありますが、ドイツやアメリカなどで発売されています。

効果・作用

メスナは、イホスファミドやシクロホスファミドを投与すると起こる泌尿器障害の症状を抑制する薬剤です。泌尿器障害は、イホスファミドとシクロホスファミドの代謝物であるアクロレインなどが尿中に排泄される時に尿路粘膜を障害することによって起こるとされています。症状を抑えるためには、これまで大量の水分補給や尿のアルカリ化などが試されてきましたが、実際のところ効果が不十分である状況でした。
本剤は、オキサザホスフォリン系薬剤の尿路障害性代謝物と結合して無障害化することによって、症状発現を抑制します。発見はドイツでされましたが、国内の開発は塩野義製薬が行っています。

イホスファミドによる泌尿器系障害に対する臨床効果を検討したプラセボ対照試験を実施しています。イホスファミドは体表面積として 1日2g/m2を5日間毎日点滴静注を行い、本剤はイホスファミドの 20%にあたる量(400mg/m2)を1日3回を5日間静注しました。投与タイミングはイホスファミド投与時、4 時間後、8 時間後です。なお,両群共に1日2Lの輸液を併用しました。メスナ群45名・プラセボ群46名中、メスナ群では中等度以上の排尿痛ならびに残尿感の発現が認められませんでしたが、プラセボ群ではそれぞれ9名(19.6)、7名(15.2%)で発現し,メスナ群の発現率は有意に低いことが示されました。
(排尿痛:p=0.0003,残尿感:p=0.0009)。また,中等度以上の血尿の発現率はメスナ群が 6.7%(3 例)で、プラセボ群の32.6%(15 例)よりも有意に低い結果でした。また、効果が「有用である」としたものがメスナ群では 80.0%(36例)であり,プラセボ群の 34.8%(16 例)に比べ有意に高い結果でした。

シクロホスファミド(造血幹細胞移植の前治療)による泌尿器系障害に対する試験を実施しています。急性白血病,慢性骨髄性白血病,骨髄異形成症候群そして重症再生不良性貧血の造血幹細胞移植の前治療におけるシクロホスファミド投与時の泌尿器系障害発現に対する本剤の有効性を検討しました。シクロホスファミド 40%相当量の本剤を1日3回それぞれ30分ほどかけて点滴静注した。投与タイミングはイホスファミド投与時、4 時間後、8 時間後です。なお,シクロホスファミド投与終了後 24時間経過するまで1日3~5Lの補液を施行しました。本剤の有効性評価対象 61例中「血尿なし」もしくは「顕微鏡的血尿」症例は 57例で、割合としては93.4%でした。排尿障害に対する抑制効果では「障害なし」もしくは「軽度障害あり」の症例は 59 例で、96.7%でした。
上記2つの結果を合わせた総合効果では有効 57 例とされ、率としては93.4%と高い値が示されました。

使用方法

・イホスファミド投与の場合、イホスファミド1日量の20%にあたる量を1回量とし,1日3回静脈内注射します。メスナ1日量としてイホスファミド1日量の最大 100%相当量まで投与することができます。投与タイミングはイホスファミド投与時,4 時間後,8 時間後としてください。なお、患者の年齢や状態によって増やしたり減らしたりすることが可能です。

・シクロホスファミド(造血幹細胞移植の前治療)投与の場合、シクロホスファミド 1 日量の
40%相当量を1回量とし,1日3 回30 分かけて点滴静注します。投与タイミングはイホスファミド投与時,4 時間後,8 時間後としてください。

副作用

主な副作用として、注射部位の疼痛や腫脹などがあげられます。
233名を対象とした試験のでは、本剤と慣例があるとされた副作用は1名(頭痛)でした。
項目別の発現頻度は以下の通りです。

血液・・白血球減少(0.1~2%未満)
過敏症・・発疹(0.1~2%未満)、そう痒/紅斑(0.1%未満)、水疱/蕁麻疹/粘膜疹(頻度不明)
消化器・・悪心・嘔吐(0.1~2%未満)、食欲不振(0.1%未満)、下痢/味覚異常(頻度不明)
肝臓・・AST(GOT)上昇/ALT(GPT)上昇(0.1~2%未満)
精神神経系・・頭痛(0.1~2%未満)
筋・骨格・・四肢疼痛(0.1~2%未満)
投与部位・・注射部疼痛/注射部腫脹(0.1~2%未満)
循環器・・血圧低下/頻脈(頻度不明)
その他・・倦怠感(0.1~2%未満)、脱力感/浮腫/発熱(頻度不明)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■メスナを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ウロミテキサンの有効成分
メスナ

▼代表薬の添加物
水酸化ナトリウム,注射用水

・以前、メスナを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、注意をしてください。イホスファドもしくはシクロホスファミドの減量に応じて、本剤も減量してください。

上記にあてはまる方は、メスナを使用する事が出来ない可能性があります。
メスナを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
<イホスファミド>
併用により脳症があらわれることがあるため、症状があらわれた際にはすぐに投与を中止医療機関を受診してください。機序は分かっていません。

上記を使用している方は、メスナを使用する事が出来ない可能性があります。
メスナを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

メスナに関する
よくある質問
臨床検査において気を付けることはありますか?

試験紙で尿中ケトン体検査を行うと、偽陽性が出てしまうケースがあります。しかし、偽陽性であった場合、試験紙に1滴の氷酢酸を垂らすことで、判別することが可能です。

臨床検査結果に及ぼす影響

【上記引用元:メスナ 医薬品インタビューフォーム】

薬剤を調製するときにきをつけることはありますか?

本剤とシスプラチンを混ぜるとシスプラチンの活性が低下してしまうため、配合はしないでください。また、併用する際は同じ投与経路ではなく、異なる経路から投与をしてください。

適用上の注意

【上記引用元:メスナ 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

ウロミテキサン 添付文書

ウロミテキサン 医薬品インタビューフォーム

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