ニチシノン

成分名

ニチシノン

適応症状

高チロシン血症I型 など

簡易説明

「ニチシノン」は、チロシンを分解する経路において、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼを阻害することで、毒性代謝物の生成を抑制して、病態を改善させる薬で、高チロシン血症I型の治療に用いられます。
日本では、アステラス製薬がオーファディンの商品名で販売しています。
フマリルアセト酢酸ヒドラーゼという酵素の異常により、アミノ酸の一つであるチロシンを代謝する過程が障害されることで、血中チロシンが増加しますが、「ニチシノン」は、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼを阻害することにより、FAA、MAA、SA及びSAAの産生及び蓄積を抑制すると考えられています。

処方可能な診療科目

内科/循環器科/泌尿器科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
オーファディンカプセル2mg 4033.3円/カプセル(薬価)
オーファディンカプセル5mg 8809.2円/カプセル(薬価)
オーファディンカプセル10mg 16060.2円/カプセル(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2015年4月認可

国内のジェネリック認可

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関連製品(先発薬)

オーファディンカプセル2mg 【製薬メーカー:アステラス製薬】
オーファディンカプセル5mg 【製薬メーカー:アステラス製薬】
オーファディンカプセル10mg 【製薬メーカー:アステラス製薬】

関連製品(ジェネリック)

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効果・作用

「ニチシノン」は、チロシンを分解する経路において、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼを阻害することで、毒性代謝物の生成を抑制して、病態を改善させる薬です。
遺伝性高チロシン血症Ⅰ型は、フマリルアセト酢酸ヒドラーゼという酵素の異常によってひきおこされる病気で、アミノ酸の一つであるチロシンを代謝する過程が障害されて、血中チロシンが増加することで、低血糖、アミノ酸やその他の代謝障害、凝固因子の低下、若年性肝臓癌、肝不全が進行します。
近位尿細管においても細胞障害が出現して、アミノ酸尿、糖尿、代謝性アシドーシスなどのFanconi症候群が発症します。
「ニチシノン」は、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼを阻害することにより、FAA、MAA、SA及びSAAの産生及び蓄積を抑制すると考えられています。
「ニチシノン」による高チロシン血症I型の治療は、高チロシン血症I型により死亡、肝障害、肝がん、腎疾患が発生することが報告されています。可能な限り早期に治療を行ってください。
また、「ニチシノン」の投与により血漿中チロシン濃度が上昇し、眼障害があらわれることがあるため、治療開始前には、眼の細隙灯顕微鏡検査を行うことや、眼障害の初期症状を説明して、それらの症状が認められた場合には、直ちに主治医等に相談するよう指導が必要になります。

使用方法

▼用法用量
・ニチシノンとして1日1mg/kgを2回に分割して経口投与します。なお、患者の状態に応じて適宜増減しますが、1日2mg/kgを上限とします。

副作用

重大な副作用
▼眼障害
結膜炎、角膜混濁、角膜炎、羞明、眼痛(各1~10%未満)、眼瞼炎(0.1~1%未満)などの眼障害があらわれることがあります。食事療法の順守を確認し、適切な処置を行ってください。
「ニチシノン」により血漿中チロシン濃度が上昇して、眼障害があらわれることがあることから、次の点に留意してください。
・「ニチシノン」による治療開始前には、眼の細隙灯顕微鏡検査を行うことが望ましいです。
・自動車の運転といった危険を伴う機械の操作を行う際は、注意するよう患者に十分説明してください。
・患者に対して、眼障害の初期症状を説明し、それらの症状が認められた場合には、直ちに主治医に相談するよう指導してください。
・眼障害の初期症状が認められた場合には、眼科医を受診させるなど適切な処置を行ってください。また、食事療法の順守を確認し、血漿中チロシン濃度を測定してください。
・患者に自覚症状がない場合があることから、血漿中チロシン濃度のコントロールが不良な場合等、患者の状態に応じて治療開始後も定期的に、眼の細隙灯顕微鏡検査を行ってください。

▼血小板減少症、白血球減少症、顆粒球減少症(各1~10%未満)
血小板減少症、白血球減少症、顆粒球減少症があらわれることがあります。本剤の投与中は血小板数及び白血球数の定期的な検査を行ってください。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

その他の副作用
・白血球増加症
・剥脱性皮膚炎、紅斑性皮疹、そう痒症

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性に投与する場合には、本剤による催奇形性について十分に説明してください。

■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。投与する場合には、本剤による催奇形性について十分に説明してください。ヒトで胎盤を通過することが報告されています。動物実験(ウサギ)において、ヒトの臨床用量を下回る用量で催奇形作用(骨格異常、臍ヘルニア、腹壁破裂)が報告されています。また、動物実験(マウス)では、ヒトの臨床用量を下回る用量で胎児毒性(骨化遅延)が報告されています。

■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。動物実験(ラット)において、母乳を介した毒性として角膜混濁及び体重減少が報告されています。

上記にあてはまる方は、ニチシノンを使用する事が出来ない可能性があります。
ニチシノンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・CYP2C9の基質となる薬剤(ワルファリン、フェニトインなど)
・OAT1/OAT3の基質となる薬剤(フロセミド、メトトレキサート、バリシチニブなど)

上記を使用している方は、ニチシノンを使用する事が出来ない可能性があります。
ニチシノンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
「ニチシノン」にはどんな副作用がありますか?

「ニチシノン」の主な副作用として、剥脱性皮膚炎、紅斑性皮疹、かゆみなどが報告されています。このような症状に気づいた場合は、担当の医師または薬剤師に相談してください。また、目のかすみ、充血、異物感、まぶしさ、目の痛み、まぶたのかゆみ、鼻血、歯ぐきからの出血、皮下の出血、のどの痛み、発熱の症状に気づいたら、すぐに使用をやめて、医師の診療を受けてください。これら以外でも気になる症状が出た場合は、すみやかに医師または薬剤師に相談してください。

「ニチシノン」を飲み忘れた場合は、どうすればよいですか?

飲み忘れた場合は、できるだけ早く1回分を飲むようにしてください。ただし、次の通常飲む時刻が近い場合は次の服用時に1回分を飲むようにしてください。

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