ビベグロン

成分名

ビベグロン

適応症状

過活動膀胱における尿意切迫感/頻尿及び切迫性尿失禁など

簡易説明

ビベグロンは、膀胱を広げ尿道を縮めることで、尿を蓄えやすくし過活動膀胱による尿意の切迫感や頻尿などを改善する薬で、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁の治療に用いられます。
日本では、杏林製薬がベオーバの商品名で販売しています。
ビベグロンは、膀胱の平滑筋にあるβ3アドレナリン受容体を選択的に刺激して、膀胱の弛緩を促進し、その結果、膀胱容量を増大して、蓄尿機能を高めます。
膀胱に選択的に作用するので、心血管系への影響は比較的少ないと考えられており、このような作用から、選択的β3アドレナリン受容体作動薬と呼ばれています。

処方可能な診療科目

内科/泌尿器科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:50mg約169円/(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2018年11月発売開始【ベオーバ錠50mg】

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ベオーバ錠50mg【製薬メーカー:杏林製薬】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

・東南アジア諸国連合(ASEAN)
2021年3月、東南アジア諸国連合(ASEAN)のタイ、フィリピン、マレーシアおよびブルネイにおける開発・販売に関するライセンス契約を締結しました。

過活動膀胱治療剤ビベグロンのASEAN 4カ国における開発・販売に関するライセンス契約締結について

【上記引用元:エーザイ株式会社】

効果・作用

ビベグロンは、膀胱平滑筋を弛緩させ、容量を大きくし、尿を溜めやすくします。過活動膀胱による尿意切迫感や頻尿、切迫性尿失禁などの症状に有効です。

膀胱の平滑筋にあるβ3アドレナリン受容体を選択的に刺激することで、膀胱の弛緩を促進します。膀胱に対し、選択的に作用するため心血管系への影響は比較的少ないとされています。この作用から選択的β3アドレナリン受容体作動薬と呼ばれています。

▼過活動膀胱の原因
蓄尿期というのが交感神経終末より放出されたノルアドレナリンが膀胱β3受容体に結合することで膀胱が弛緩します。そして排尿期になると副交感神経終末からアセチルコリンが放出されムスカリンM3受容体に結合し膀胱が収縮するのが通常です。
過活動膀胱の場合、蓄尿期にノルアドレナリンではなく、アセチルコリンが放出されてしまい膀胱の収縮が起き、十分に尿を溜めることができなくなってしまいます。

使用方法

成人には通常ビベグロンとして50mgを1日1回食後に経口投与します。

▼効能または効果に関連する注意
・本剤を適用する際、十分な問診により臨床症状を確認するとともに、類似の症状を呈する疾患(尿路感染症、尿路結石、膀胱癌や前立腺癌などの下部尿路における新生物等)があることに留意して、尿検査等により除外診断を実施してください。なお、必要に応じて専門的な検査も考慮してください。
・下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者では、それに対する治療を優先させてください。

▼薬剤交付時の注意
・PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用します。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがあります。

副作用

主な副作用
ビベグロンには、副作用が起こる可能性があります。
ビベグロンを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

重大な副作用
▼尿閉(頻度不明)
尿閉があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止して、適切な処置を行ってください。

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
・頭痛、めまい、不眠症、傾眠
・口内乾燥、便秘
・悪心、腹部膨満、消化不良、胃炎、胃食道逆流性疾患、下痢、腹痛
・QT延長、動悸
・尿路感染(膀胱炎等)、残尿量増加
・排尿躊躇、膀胱痛、遺尿、排尿困難
・発疹、多汗症、そう痒症
・羞明
・眼乾燥、霧視
・AST上昇、ALT上昇
・肝機能異常、γ-GTP上昇、Al-P上昇
・疲労、ほてり、高脂血症、体液貯留、筋肉痛、浮腫、CK上昇、口渇

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

■ビベグロンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ベオーバは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ベオーバの有効成分
ビベグロン
▼代表薬の添加物
・D-マンニトール
・結晶セルロース
・クロスカルメロースナトリウム
・ヒドロキシプロピルセルロース
・ステアリン酸マグネシウム
・乳糖水和物
・ヒプロメロース
・酸化チタン
・トリアセチン
・黄色三二酸化鉄
・青色2号アルミニウムレーキ
・カルナウバロウ

使用に注意が必要な方
■重篤な心疾患のある患者
重篤な心疾患のある患者は、心拍数増加等により、症状が悪化するおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■高度の肝機能障害のある患者
高度の肝機能障害のある患者は、血中濃度が上昇するおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
ビベグロン100mgを単回経口投与したときのCmax及びAUCinfを健康成人と比べると、中等度の肝機能障害者(Child-Pughスコア7~9)ではそれぞれ1.35及び1.27倍でした(外国人データ)。

■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。動物実験(ラット)において胎児への移行が報告されています。

■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されています。

■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。

■高齢者
高齢者は一般に生理機能が低下していることから、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与してください。
健康高齢男性(65~74歳、6例)にビベグロン100mgを1日1回14日間反復経口投与したときのCmax及びAUC0-24は、健康成人男性(23~39歳、5例)と比べて、それぞれ1.88及び1.45倍でした。

上記にあてはまる方は、ビベグロンを使用する事が出来ない可能性があります。
ビベグロンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
以下はケトコナゾールと併用したとき、ビベグロンの血中濃度が上昇したとの報告があります。また、CYP3A4及びP-gpを阻害する薬物と併用することにより、ビベグロンの血中濃度が上昇する可能性があります。健康成人10例にビベグロン100mgと強いCYP3A4及びP-gpの阻害剤であるケトコナゾール200mgを併用投与したとき、ビベグロンのCmax及びAUCinfはそれぞれ2.22及び2.08倍でした(外国人データ)。

・アゾール系抗真菌剤
 イトラコナゾール等
・HIVプロテアーゼ阻害剤
 リトナビル等

以下はビベグロンの作用が減弱する可能性があります。また、CYP3A4及びP-gpを誘導する薬物と併用することにより、ビベグロンの血中濃度が低下する可能性があります。
・リファンピシン
・フェニトイン
・カルバマゼピン

上記を使用している方は、ビベグロンを使用する事が出来ない可能性があります。
ビベグロンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ベオーバを服用していますが、中止するとまた頻尿などの症状が戻ってしまいますか?

服用して改善した場合は、中止した後また症状が戻ってしまう可能性はあります。ですが、主治医にご相談して減量や中止などをお決め頂くか、継続するかを判断することになります。

類似薬としてベオーバより以前から発売されているベタニスとの違いを教えて下さい。

ベタニスは高血圧や脈拍増加などの心血管系の副作用が懸念されているため、重篤な心疾患を持つ場合は投与禁忌となります。そして生殖可能な年齢への投与はできるだけ避けるべきとされています。またCYP代謝・阻害やP-糖タンパク阻害作用があるため、使用禁忌薬や注意薬が数種類挙げられます。
しかしビベグロンを成分としたベオーバはCYPの誘導や阻害の性質を示さなかったという報告もあり、併用薬などの制限が比較して少ないとされ、年齢や状況などの投与可能な幅が広いという特徴があります。
ただし、ベオーバはP-糖タンパクの基質であるとされているため、これらに関わる薬剤との併用注意があります。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。