成分名 |
ナルフラフィン塩酸塩 |
適応症状 |
透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)/慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)など |
簡易説明 |
「ナルフラフィン塩酸塩」は、体内のオピオイドκ受容体に作用することで、透析や慢性肝疾患などを起因とする強い痒みを改善する薬で、透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)、慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)に用いられます。
日本では、東レがレミッチの商品名で販売しており、また日本薬品工業がナルフラフィン塩酸塩の商品名で販売しています。
「ナルフラフィン塩酸塩」は、難治なそう痒症の治療に用いられ、痒みを感じる神経をおさえることで効果をあらわします。
このため、「ナルフラフィン塩酸塩」は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服、外用ステロイド薬の塗布など一般的な治療で効果不十分なときに用いられます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
レミッチカプセル2.5μg 812.8円/カプセル(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2009年3月認可 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックあり |
関連製品(先発薬) |
レミッチカプセル2.5μg 【製薬メーカー:東レ】
レミッチOD錠2.5μg【製薬メーカー:東レ】 |
関連製品(ジェネリック) |
ナルフラフィン塩酸塩カプセル2.5μg「ケミファ」【製薬メーカー:日本薬品工業】
ナルフラフィン塩酸塩OD錠2.5μg「フソー」【製薬メーカー:扶桑薬品工業】 |
効果・作用 |
「ナルフラフィン塩酸塩」は、体内のオピオイドκ受容体に作用することで、透析や慢性肝疾患などを起因とする強い痒みを改善する薬です。
皮膚掻痒症は何らかの原因によって明らかな皮膚病変がないにもかかわらず痒み(かゆみ)が出る病気で、掻痒(かゆい所を引っ掻くこと)により皮膚を傷つけてしまうなど二次的な病変を引き起こすことがあります。
透析などによって起こる掻痒症は一般的に炎症などを伴わない全身性の強い痒みがあらわれることがありますが、原因がハッキリとは解明されていません。
中枢神経や末梢神経にあるオピオイド受容体は疼痛、鎮静、鎮咳、消化管運動抑制などに関わり、そのサブタイプとしてμ(ミュー)、δ(デルタ)、κ(カッパ)の種類があり、この中でもκ受容体は透析による痒みなどに対して深く関わるとされています。
「ナルフラフィン塩酸塩」は、オピオイドκ受容体に選択的に作用することで、透析や慢性肝疾患などによって引き起こされる掻痒症の改善効果が期待できて、特に抗ヒスタミン薬などによる治療によっても効果が十分に得られないような病態などに対して有用性が考えられます。 |
使用方法 |
▼用法用量
[血液透析患者におけるそう痒症の改善の場合]
・本剤の投与から血液透析開始までは十分な間隔をあけてください。本剤は血液透析により除去されることから、本剤服用から血液透析までの時間が短い場合、本剤の血中濃度が低下する可能性があります。
[腹膜透析患者におけるそう痒症の改善の場合]
・本剤の投与から透析液交換までは十分な間隔をあけてください。本剤服用から透析液交換までの時間が短い場合、本剤の血中濃度が低下する可能性があります。
[慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合]
・本剤の投与は1日1回2.5μgから開始して、効果不十分な場合に1日1回5μgへの増量を検討してください。
▼重要な基本的注意
・重度(Child-Pugh分類グレードC)の肝障害のある患者に対する本剤の投与にあたっては、リスク・ベネフィットを勘案し、投与中は患者の状態を十分に観察してください。
・眠気、めまい等があらわれることがあります。本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意してください。
・本剤の使用により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意してください。
・本剤の投与により、プロラクチン値上昇等の内分泌機能異常があらわれることがあります。適宜検査を実施することが望ましいです。 |
副作用 |
重大な副作用
▼肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、Al-P、γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。
その他の副作用
・不眠
・眠気、浮動性めまい、頭痛
・いらいら感、幻覚、構語障害、レストレスレッグス症候群、振戦、しびれ
・不穏、せん妄、易怒性
・口渇、悪心、下痢
・嘔吐、食欲不振、腹部不快感、胃炎、口内炎
・そう痒の悪化、湿疹、発疹
・蕁麻疹、紅斑、丘疹
・色素沈着
・総胆汁酸上昇
・AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇
・LDH上昇
・頻尿
・多尿
・動悸、ほてり、血圧上昇
・プロラクチン上昇
・テストステロン低下、甲状腺刺激ホルモン低下、甲状腺刺激ホルモン上昇、抗利尿ホルモン上昇
・女性化乳房
・好酸球増多、貧血
・尿中血陽性、尿中蛋白陽性
・倦怠感
・胸部不快感、脱力感、回転性めまい、異常感、浮腫、血中リン低下
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■腎機能障害患者(慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合)
慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善が目的の腎機能障害患者では、血中濃度が上昇するおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■重度(Child-Pugh分類グレードC)の肝障害のある患者
重度(Child-Pugh分類グレードC)の肝障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していません。リスク・ベネフィットを勘案して、投与中は患者の状態を十分に観察して、慎重に投与してください。
■中等度(Child-Pugh分類グレードB)の肝障害のある患者
中等度(Child-Pugh分類グレードB)の肝障害のある患者は、血中濃度が上昇するおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましいです。動物実験(ラット)において、胎盤通過、生存胎児数の減少、出産率の低下及び出生児体重の減少が報告されています。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。動物実験(ラット)において、乳汁中へ移行することが報告されています。
■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。
■高齢者
高齢者は一般に生理機能が低下していることが多いことから、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、ナルフラフィン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ナルフラフィン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・CYP3A4阻害作用のある薬剤等(アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール等)、ミデカマイシン、リトナビル、シクロスポリン、ニフェジピン、シメチジン、グレープフルーツジュースなど)
・睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬、抗てんかん薬
・オピオイド系薬剤
上記を使用している方は、ナルフラフィン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ナルフラフィン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 報告なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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