トルテロジン酒石酸塩

成分名

トルテロジン酒石酸塩

適応症状

過活動膀胱における尿意切迫感/頻尿及び切迫性尿失禁 など

簡易説明

「トルテロジン酒石酸塩」は、神経伝達物質アセチルコリンの働きを阻害する作用(抗コリン作用)により膀胱の過剰な収縮を抑え、神経因性膀胱や過活動膀胱などによる尿意切迫感や頻尿などを改善する薬で、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁の治療に用いられます。
日本では、ヴィアトリス製薬がデトルシトールの商品名で販売しています。
「トルテロジン酒石酸塩」は、膀胱がむやみに収縮するのをおさえて、その容量を大きくし、たくさん尿がためられるようにして、尿意切迫感をはじめ、尿の回数が異常に多い頻尿、夜間頻尿、急な尿意のあとの尿漏れなどの治療に用います。

処方可能な診療科目

内科/泌尿器科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
デトルシトールカプセル2mg 69.2円/カプセル(薬価)
デトルシトールカプセル4mg 115.8円/カプセル(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2006年6月認可

国内のジェネリック認可

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関連製品(先発薬)

デトルシトールカプセル2mg 【製薬メーカー:ヴィアトリス製薬】
デトルシトールカプセル4mg 【製薬メーカー:ヴィアトリス製薬】

関連製品(ジェネリック)

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効果・作用

「トルテロジン酒石酸塩」は、神経伝達物質アセチルコリンの働きを阻害する作用(抗コリン作用)により膀胱の過剰な収縮を抑え、神経因性膀胱や過活動膀胱などによる尿意切迫感や頻尿などを改善する薬です。
過活動膀胱は膀胱が活動し過ぎる状態で、膀胱内に尿がそれほど溜まっていないのに排尿の筋肉が頑張りすぎて急に尿意をもよおす病気で、神経因性膀胱は尿を我慢したり出したりする機能が、脳の中の排尿を司る部分や自律神経の乱れなどにより調節できなくなる病気です。
膀胱が勝手に収縮することにより、急にトイレに行きたくなる尿意切迫感や、何回もトイレに行きたくなる頻尿などの症状があらわれますが、膀胱の収縮には神経伝達物質のアセチルコリンが関与しています。
アセチルコリンがムスカリン受容体というものに作用すると膀胱が収縮することから、ムスカリン受容体におけるアセチルコリンの働きを阻害することで、膀胱の収縮が抑えられます。
「トルテロジン酒石酸塩」は、膀胱のムスカリン受容体におけるアセチルコリンの働きを阻害する作用(抗コリン作用)により、膀胱の過剰な収縮を抑えて、過活動膀胱などによる尿意切迫感や頻尿などを改善します。

使用方法

▼用法用量
・成人にはトルテロジン酒石酸塩として4mgを1日1回経口投与します。なお、患者の忍容性に応じて減量します。

▼用法及び用量に関連する注意
・腎障害がある患者、肝障害がある患者、又はマクロライド系抗生物質及びアゾール系抗真菌薬等のチトクロムP450分子種(CYP3A4)阻害薬を併用している患者においては、トルテロジン酒石酸塩として2mgを1日1回経口投与します。

副作用

重大な副作用
▼アナフィラキシー(血管浮腫を含む)(頻度不明)
血管浮腫を含むアナフィラキシーがあらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

▼尿閉(0.3%)
尿閉があらわれることがあります。導尿を実施するなど適切な処置を行ってください。異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

その他の副作用
・口内乾燥
・便秘、消化不良、腹痛
・嘔気、鼓腸放屁、下痢、嘔吐
・腹部不快感、腹部膨満
・頭痛
・傾眠、めまい、知覚減退
・幻覚、健忘、失見当識
・心悸亢進、頻脈
・心電図QT延長
・排尿障害、排尿困難、尿失禁、膀胱違和感
・皮膚乾燥、発疹
・そう痒症
・眼球乾燥
・味覚倒錯、疲労、口渇、鼻炎、末梢浮腫、視力異常、霧視
・潮紅(ほてり、発赤等)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■尿閉(慢性尿閉に伴う溢流性尿失禁を含む)を有する患者
尿閉(慢性尿閉に伴う溢流性尿失禁を含む)を有する患者は、尿閉が更に悪化するおそれがあります。投与しないでください。

■眼圧が調節できない閉塞隅角緑内障の患者
眼圧が調節できない閉塞隅角緑内障の患者は、眼圧の上昇を招き、症状を悪化させるおそれがあります。投与しないでください。

■重篤な心疾患のある患者
重篤な心疾患のある患者は、抗コリン作用により、症状を増悪させるおそれがあります。また、過量投与にてQT間隔の延長がみられます。投与しないでください。

■麻痺性イレウスのある患者
麻痺性イレウスのある患者は、抗コリン作用により胃腸管の緊張、運動性は抑制され、胃腸管内容物の移動は遅延するため、麻痺性イレウスの患者では、胃腸管内容物の停滞により閉塞状態が強められるおそれがあります。投与しないでください。

■胃アトニー又は腸アトニーのある患者
胃アトニー又は腸アトニーのある患者は、抗コリン作用により症状が悪化するおそれがあります。投与しないでください。

■重症筋無力症の患者
重症筋無力症の患者は、抗コリン作用により症状が悪化するおそれがあります。投与しないでください。

■本剤の成分あるいはフェソテロジンフマル酸塩に対して過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分あるいはフェソテロジンフマル酸塩に対して過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■尿閉を発症するおそれのある患者
尿閉を発症するおそれのある患者は、尿閉の症状があらわれることがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■排尿困難のある前立腺肥大の患者
排尿困難のある前立腺肥大の患者は、排尿困難又は残尿が更に悪化するおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■胃腸管運動が低下するおそれのある患者
胃腸管運動が低下するおそれのある患者は、腸管の閉塞を招くおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■潰瘍性大腸炎の患者
潰瘍性大腸炎の患者は、中毒性巨大結腸があらわれるおそれがあります。慎重に投与してください。

■眼圧が調節可能な閉塞隅角緑内障の患者
眼圧が調節可能な閉塞隅角緑内障の患者は、眼圧の上昇を招き、症状を悪化させるおそれがあります。慎重に投与してください。

■狭心症等の虚血性心疾患のある患者
狭心症等の虚血性心疾患のある患者は、抗コリン作用により頻脈が生じ、症状を増悪させるおそれがあります。慎重に投与してください。

■クラスIA(キニジン、プロカインアミド等)又はクラスIII(アミオダロン、ソタロール等)の抗不整脈薬を投与中の患者を含むQT延長症候群患者
クラスIA(キニジン、プロカインアミド等)又はクラスIII(アミオダロン、ソタロール等)の抗不整脈薬を投与中の患者を含むQT延長症候群患者は、必要に応じて心電図を測定することが望ましいです。QT間隔の更なる延長がみられるおそれがあります。慎重に投与してください。

■甲状腺機能亢進症の患者
甲状腺機能亢進症の患者は、頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがあります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■認知症、認知機能障害のある患者
認知症、認知機能障害のある患者は、抗コリン作用により、症状を悪化させるおそれがあります。慎重に投与してください。

■パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者
パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者は、症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがあります。慎重に投与してください。

■腎機能障害患者
腎機能障害患者は、トルテロジン及びDD01(薬理活性を有するトルテロジン水酸化代謝物)の血清中濃度が増加する可能性があります。このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■肝機能障害患者
肝機能障害患者は、トルテロジン及びDD01の血清中濃度が増加する可能性があります。慎重に投与してください。

■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。動物実験(マウス)において、臨床曝露量を超える高い血清中濃度(AUCで50倍、Cmaxで80倍)において胎児致死作用と催奇形性を示しています。

■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。ヒト母乳中への移行の有無は不明ですが、動物実験(マウス)で乳汁中への移行がわずかに認められていることが報告されています。また授乳期投与試験(マウス)で産児に軽度の体重増加抑制が報告されています。

■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。

上記にあてはまる方は、トルテロジン酒石酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
トルテロジン酒石酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・抗コリン作用を有する薬剤(抗パーキンソン剤)
・消化性潰瘍治療剤等
・CYP3A4阻害薬
 -マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど)
 -アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール、ミコナゾールなど)
 -シクロスポリン(ビンブラスチンなど)

上記を使用している方は、トルテロジン酒石酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
トルテロジン酒石酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

よくある質問
「トルテロジン酒石酸塩」はどういった薬ですが?

「トルテロジン酒石酸塩」は頻尿や尿失禁の治療に用いる膀胱の収縮をおさえる薬です。

「トルテロジン酒石酸塩」を服用するにあたって注意することはありますか?

症状、体質、年齢により飲む量が異なるので、医師の指示に従いお飲みください。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。