成分名 |
プロピベリン塩酸塩 |
適応症状 |
神経因性膀胱における頻尿や尿失禁/神経性頻尿における頻尿や尿失禁/不安定膀胱における頻尿や尿失禁/膀胱刺激状態における頻尿や尿失禁(慢性膀胱炎、慢性前立腺炎)/過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁など |
簡易説明 |
プロピベリン塩酸塩は、神経伝達物質アセチルコリンの働きを阻害する作用(抗コリン作用)により膀胱の過剰な収縮を抑えて、神経因性膀胱や過活動膀胱などによる尿意切迫感や頻尿などを改善する薬です。日本では、大鵬薬品工業が先発薬としてバップフォーの商品名で販売しております。
「プロピベリン塩酸塩」は、抗コリン作用にもとづき、膀胱を収縮させる副交感神経をおさえて、またCa拮抗作用により膀胱の平滑筋を直接ゆるめます。
これらの作用により尿がためやすくなり、また膀胱のむやみな収縮がおさえられます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/泌尿器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:バップフォー錠10 36.3円/錠 (薬価)
バップフォー細粒2% 95.1円/g (薬価)
薬代後発薬1錠の目安:プロピベリン塩酸塩錠10mg約15円/錠 (薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1993年5月発売開始【バップフォー錠10/20】 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
バップフォー錠10 【製薬メーカー:大鵬薬品工業】
バップフォー錠20 【製薬メーカー:大鵬薬品工業】
バップフォー細粒2% 【製薬メーカー:大鵬薬品工業】 |
関連製品(ジェネリック) |
プロピベリン塩酸塩錠10mg/20mg「あすか」【あすか製薬】・「タナベ」【ニプロESファーマ】・「F」【富士製薬工業】・「タカタ」【高田製薬】・「日医工」【日医工】・「YD」【陽進堂】・「NS」【日新製薬-山形】・「JG」【長生堂製薬】・「杏林」【キョーリンリメディオ】・「トーワ」【東和薬品】・「MED」【メディサ新薬】・「武田テバ」【武田テバ薬品】・「TCK」【辰巳化学】・「NIG」【日医工岐阜工場】・「アメル」【共和薬品工業】・「SW」【沢井製薬】
▼OTC医薬品
バップフォーレディ【大鵬薬品】 |
海外での使用実績 | ・ドイツ
1982年にMictonormという商品がAPOGEPHAから初めて発売されました。
その後2007年にMictonorm Unoというカプセル剤の商品が発売されました。
・イギリス
1998年にDetrunormという商品がAmdipharmから初めて発売されました。
その後2006年にDetrunorm XLというカプセル剤の商品が発売されました。
・その他
アイルランド,イタリア共和国,スペイン,ポルトガル共和国,スロバキア共和国,ベルギー王国,チェコ共和国,クロアチア共和国,トルコ共和国,レバノン共和国,中華人民共和国,大韓民国,マレーシア,エジプト・アラブ共和国,南アフリカ共和国,カナダにてプロピベリン塩酸塩が特発性排尿筋過活動(過活動膀胱)又は神経因性排尿筋過活動(排尿筋過反射)による尿失禁,尿意切迫感及び頻尿の治療薬として販売されています。 |
効果・作用 |
プロピベリン塩酸塩は、神経伝達物質アセチルコリンの働きを阻害する作用(抗コリン作用)により膀胱の過剰な収縮を抑えて、神経因性膀胱や過活動膀胱などによる尿意切迫感や頻尿などを改善する薬です。
過活動膀胱は膀胱が活動し過ぎる状態で、膀胱内に尿がそれほど溜まっていないのに排尿の筋肉が頑張りすぎて急に尿意をもよおす病気で、神経因性膀胱は尿を我慢したり出したりする機能が、脳の中の排尿を司る部分や自律神経の乱れなどにより調節できなくなる病気です。
膀胱が勝手に収縮することにより、急にトイレに行きたくなる尿意切迫感や何回もトイレに行きたくなる頻尿などの症状がおこります。
膀胱の収縮には神経伝達物質のアセチルコリンが関与しており、アセチルコリンがムスカリン受容体に作用すると膀胱が収縮することから、ムスカリン受容体におけるアセチルコリンの働きを阻害することで、膀胱の収縮が抑えられます。
プロピベリン塩酸塩は、膀胱のムスカリン受容体におけるアセチルコリンの働きを阻害する作用(抗コリン作用)により、膀胱の過剰な収縮を抑え、過活動膀胱などによる尿意切迫感や頻尿などを改善します。 |
使用方法 |
▼用法用量
・成人にはプロピベリン塩酸塩として20mgを1日1回食後経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減しますが、効果不十分の場合は、20mgを1日2回まで増量できます。
▼用法及び用量に関連する注意
・20mgを1日1回投与で効果不十分であり、かつ安全性に問題がない場合に増量を検討してください。
▼重要な基本的注意
・眼調節障害、眠気、めまいがあらわれることがあります。本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分に注意してください。 |
副作用 |
重大な副作用
▼急性緑内障発作(頻度不明)
眼圧亢進、嘔気・頭痛を伴う眼痛、視力低下等があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼尿閉(0.62%)
前立腺肥大症等では排尿困難が更に悪化又は残尿が増加するおそれがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼麻痺性イレウス(頻度不明)
著しい便秘、腹部膨満等があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼幻覚・せん妄(0.25%)
幻覚・せん妄があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
▼腎機能障害(頻度不明)
BUN、血中クレアチニンの上昇があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼血小板減少(0.12%)
血小板減少があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼QT延長(0.25%)、心室性頻拍(頻度不明)
QT延長、心室性頻拍、房室ブロック、徐脈等があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼肝機能障害(1.0%)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
その他の副作用
・口渇
・便秘、腹痛、嘔気・嘔吐、食欲不振、下痢、口内炎
・消化不良、舌炎
・排尿困難、残尿
・尿意消失
・めまい、頭痛、しびれ、眠気
・意識障害(見当識障害、一過性健忘)、パーキンソン症状(すくみ足、小刻み歩行等の歩行障害、振戦等)、ジスキネジア
・血圧上昇
・動悸、徐脈、期外収縮、胸部不快感
・そう痒、発疹、蕁麻疹
・調節障害、眼球乾燥
・AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
・BUN上昇、クレアチニン上昇
・白血球減少
・浮腫、脱力感、味覚異常
・倦怠感、咽頭部痛、腰痛、嗄声、痰のからみ
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■幽門、十二指腸又は腸管が閉塞している患者
幽門、十二指腸又は腸管が閉塞している患者は、胃腸の平滑筋の収縮及び運動が抑制され、症状が悪化するおそれがあります。投与しないでください。
■胃アトニー又は腸アトニーのある患者
胃アトニー又は腸アトニーのある患者は、抗コリン作用により症状が悪化するおそれがあります。投与しないでください。
■尿閉を有する患者
尿閉を有する患者は、抗コリン作用により排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化するおそれがあります。投与しないでください。
■閉塞隅角緑内障の患者
閉塞隅角緑内障の患者は、抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがあります。投与しないでください。
■重症筋無力症の患者
重症筋無力症の患者は、抗コリン作用により症状が悪化するおそれがあります。投与しないでください。
■重篤な心疾患の患者
重篤な心疾患の患者は、期外収縮等が報告されており、症状が悪化するおそれがあります。投与しないでください。
■プロピベリン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方バップフォー錠は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼バップフォー錠の有効成分
プロピベリン塩酸塩
▼代表薬の添加物
・乳糖水和物
・結晶セルロース
・ヒドロキシプロピルスターチ
・カルメロースカルシウム
・ヒプロメロース
・タルク
・マクロゴール6000
・酸化チタン
・ステアリン酸マグネシウム
・カルナウバロウ
使用に注意が必要な方 ■排尿困難のある患者
排尿困難のある患者は、前立腺肥大症等では排尿困難が更に悪化又は残尿が増加するおそれがあります。慎重に投与してください。
■緑内障の患者(閉塞隅角緑内障の患者を除く)
閉塞隅角緑内障以外でも抗コリン作用により眼圧が上昇して、症状が悪化するおそれがあります。慎重に投与してください。
■不整脈又はその既往歴のある患者
期外収縮等が報告されており、症状が悪化又は再発するおそれがあります。慎重に投与してください。
■パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者
症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがあります。慎重に投与してください。
■潰瘍性大腸炎のある患者
中毒性巨大結腸があらわれるおそれがあります。慎重に投与してください。
■甲状腺機能亢進症の患者
抗コリン作用により頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがあります。慎重に投与してください。
■腎障害又はその既往歴のある患者
腎排泄が減少して、副作用が発現しやすいおそれがあります。慎重に投与してください。
■肝障害又はその既往歴のある患者
主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすいおそれがあります。慎重に投与してください。
■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましいです。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されています。
■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。
■高齢者
高齢者は肝機能、腎機能が低下していることが多いことから、安全性を考慮して10mg/日より投与を開始するなど慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、プロピベリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 プロピベリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 抗コリン作用を有する薬剤(三環系抗うつ剤、フェノチアジン系薬剤、モノアミン酸化酵素阻害剤など)
上記を使用している方は、プロピベリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 プロピベリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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