成分名 |
プラゾシン塩酸塩 |
適応症状 |
本態性高血圧症、腎性高血圧症/前立腺肥大症に伴う排尿障害 など |
簡易説明 |
プラゾシン塩酸塩は、体内の血管収縮に関わる作用を抑えて、血管を広げて血圧を下げる薬で、本態性高血圧症、腎性高血圧症、前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療に用いられます。
血管にある交感神経のα受容体を遮断することで血管を広げて、結果、血液の抵抗が減り血圧が下がるという効果から、高血圧の治療に用います。
血圧を適切に保つことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぐことにつながります。
また、尿道平滑筋にあるα受容体を遮断することで、尿道をゆるめることから、尿の出がスムーズになります。
日本では、ファイザーがミニプレスの商品名で販売しています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器科/泌尿器科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:ミニプレス錠0.5mg 5.9円/錠(薬価)
ミニプレス錠1mg 10.5円/錠(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1981年9月【ミニプレス錠0.5mg/1mg】 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ミニプレス錠0.5mg/1mg【製薬メーカー:ファイザー】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 | ・アメリカ
1976年6月23日に初めてプラゾシン塩酸塩としてFDAから承認されました。
ファーマ社がMinipress capsuleとして1/2/5mgの販売をしています。その他A-S Medication Solutions、Mylan Pharmaceuticals Inc.、Bryant Ranch Prepackなど多くの製薬会社がPrazosin Hydrochloride capsuleの販売をしています。
・イギリス
ファーマ社がMinipress capsuleとして500μg錠と1mg錠の販売をしています。 |
効果・作用 |
プラゾシン塩酸塩は、体内の血管収縮に関わる作用を抑え、血管を広げて血圧を下げる薬です。主に高血圧症の治療として用いられ、血圧を適切にすることで、将来的に起こりうる心臓病や脳卒中、腎臓病など重篤な病気の予防となります。研究によると、プラゾシン塩酸塩の吸収へ食事からの影響は少ないと報告されています。
降圧薬の種類ではα1遮断薬に分類されます。現在ではあまり降圧薬として第一選択されませんが、糖尿病や脂質代謝異常のある場合に適しているとされています。
◆α1遮断薬の詳細
プラゾシン塩酸塩は最初に開発されたα遮断薬です。交換神経が関係するα1受容体が刺激されることによって血管収縮が起き、血圧が上昇します。α遮断薬はそのα1受容体を名の通り遮断することで作用を阻害し、血管収縮を抑え血圧を下げる効果を発揮します。α1受容体は尿道や前立腺にも存在しており、阻害すると排尿をスムーズにできるため、種類によっては高血圧だけではなく排尿障害に対しても用いられることがあります。
日本ではあまり使用されませんが、海外ではPTSDやパニック障害などの治療にも適用されています。この場合は降圧薬として使用される投与量よりも少量での使用となります。 |
使用方法 |
▼用法用量
[本態性高血圧症、腎性高血圧症]
・プラゾシンとして通常、成人1日1~1.5mg(1回0.5mg1日2~3回)より投与を始めて、効果が不十分な場合は1~2週間の間隔をおいて1.5~6mgまで漸増して、1日2~3回に分割経口投与します。まれに1日15mgまで漸増することもあります。なお、年齢や症状により適宜増減します。
[前立腺肥大症に伴う排尿障害]
・プラゾシンとして通常、成人1日1~1.5mg(1回0.5mg1日2~3回)より投与を始めて、効果が不十分な場合は1~2週間の間隔をおいて1.5~6mgまで漸増して、1日2~3回に分割経口投与します。なお、症状により適宜増減します。
▼重要な基本的注意
・起立性低血圧があらわれることがあります。臥位のみならず立位又は座位で血圧測定を行い、体位変換による血圧変化を考慮して、座位にて血圧をコントロールしてください。
・本剤の投与初期又は用量の急増時などに、ときに急激な血圧低下によると考えられる失神・意識喪失を起こすことがあります。一般に本症状は、本剤投与後短時間で起こります。めまい、脱力感、発汗、動悸等の前駆症状を伴うのでその際は仰臥位をとらせるなどの適切な措置を講じてください。また、必要に応じて対症療法を行ってください。
・本剤の投与初期又は用量の急増時等に、起立性低血圧に基づくめまい等があらわれることがあります。高所作業や自動車の運転等危険を伴う作業などに従事する場合には注意してください。
▼効能または効果に関連する注意
[前立腺肥大症に伴う排尿障害]
・本剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合には手術療法等、他の適切な処置を考慮してください。 |
副作用 |
重大な副作用
▼失神・意識喪失(0.11%)
一過性の血圧低下に伴う失神・意識喪失があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。一般に本症状は、本剤投与後短時間で起こります。めまい、脱力感、発汗、動悸等の前駆症状を伴うのでその際は仰臥位をとらせるなどの適切な措置を講じることや、必要に応じて対症療法を行ってください。
▼狭心症(頻度不明)
狭心症があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
その他の副作用
・ALT、ASTの上昇、肝機能異常
・動悸・心悸亢進、頻脈、起立性めまい、起立性低血圧、低血圧、ほてり
・潮紅
・徐脈
・めまい、頭痛・頭重
・眠気、眩暈
・不眠、耳鳴、四肢のしびれ
・抑うつ、幻覚、神経過敏(症)
・食欲不振、下痢、便秘、腹痛、口渇、悪心・嘔吐
・膵炎
・頻尿、陰萎、尿失禁
・持続勃起、女性化乳房
・発疹
・蕁麻疹、そう痒感
・扁平苔癬、血管炎
・鼻閉
・息苦しさ
・呼吸困難、鼻出血、鼻充血
・かすみ目
・強膜変色、眼痛、術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)
・浮腫、胸痛、倦怠感、脱力感
・発汗、疲労
・脱毛、発熱、疼痛、関節痛、異常感覚、抗核因子試験陽性
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
■プラゾシン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ミニプレス錠は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ミニプレス錠の有効成分
プラゾシン塩酸塩
▼代表薬の添加物
・無水リン酸水素カルシウム
・結晶セルロース
・トウモロコシデンプン
・ラウリル硫酸ナトリウム
・ステアリン酸マグネシウム
・黄色5号
使用に注意が必要な方 ■肝機能障害患者
肝機能障害患者は、主として肝臓で代謝されるため血中濃度が上昇するおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。ヒト母乳中へ移行することが報告されています。
■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。
■高齢者
高齢者は低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。一般に過度の降圧は脳梗塞等が起こるおそれがあります。
上記にあてはまる方は、プラゾシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 プラゾシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ▼以下は相互に作用を増強することがあります。減量するなど注意必要です。また、相互に作用を増強することがあります。
・利尿剤、他の降圧剤
・ニフェジピン等
▼以下は併用によりめまい等の自覚症状を伴う症候性低血圧を来したとの報告があります。また、血管拡張作用による降圧作用を有するため、本剤の降圧作用を増強することがあります。
・ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
・バルデナフィル塩酸塩水和物
・タダラフィル
・シルデナフィルクエン酸塩
上記を使用している方は、プラゾシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 プラゾシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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