バダデュスタット

成分名

バダデュスタット

適応症状

腎性貧血 など

簡易説明

「バダデュスタット」は、低酸素誘導因子ープロリン水酸化酵素(HIF-PH)という物質の働きを阻害することで、低酸素誘導因子(HIF)によるエリスロポエチン(EPO)産生を誘導し、赤血球産生を促進させることで慢性腎臓病(CKD)などによる貧血(腎性貧血)を改善する薬で、腎性貧血の治療に用いられます。
日本では、田辺三菱製薬がバフセオの商品名で販売しています。
「バダデュスタット」は、HIF-PHを阻害する作用により、内因性のEPO産生を誘導して、赤血球産生を促すことで貧血(腎性貧血)を改善します。

処方可能な診療科目

内科/循環器科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
バフセオ錠150mg 208.2円/錠(薬価)
バフセオ錠300mg 366円/錠(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2020年8月認可

国内のジェネリック認可

-

関連製品(先発薬)

バフセオ錠150mg 【製薬メーカー:田辺三菱製薬】
バフセオ錠300mg 【製薬メーカー:田辺三菱製薬】

関連製品(ジェネリック)

-

効果・作用

「バダデュスタット」は、低酸素誘導因子ープロリン水酸化酵素(HIF-PH)という物質の働きを阻害することで、低酸素誘導因子(HIF)によるエリスロポエチン(EPO)産生を誘導し、赤血球産生を促進させることで慢性腎臓病(CKD)などによる貧血(腎性貧血)を改善する薬です。
腎臓では赤血球の分化を促すエリスロポエチン(EPO)が産生されており、通常(健常状態)では、ヘモグロビン濃度の低下に見合った量のEPOが産生されます。
慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)は、なんらかの理由によって腎機能低下が続いている状態で、この状態では酸素濃度低下に応じたEPOが産生されなくなり、貧血(腎性貧血)が引き起こされます。
血液中には低酸素誘導因子(HIF:Hypoxia Inducible Factor)と呼ばれる酸素濃度の低下を感知する細胞内の酸素センサー的役割を果たしている物質がありますが、慢性腎臓病(CKD)の病態では、このHIFが関わるEPO産生誘導の仕組みがうまく働いていないため、EPO産生が低下します。
HIFは低酸素誘導因子ープロリン水酸化酵素(HIF-PH:Hypoxia Inducible Factor Prolyl Hydoxylase)と呼ばれる物質によって分解されるため、HIFーPHを阻害することができれば、EPO産生の誘導による造血(赤血球産生)が亢進され腎性貧血の改善が期待できます。
「バダデュスタット」は、HIF-PHを阻害する作用により、内因性のEPO産生を誘導し、赤血球産生を促すことで貧血(腎性貧血)を改善します。

使用方法

▼用法用量
・増量する場合は、増量幅は150mgとし、増量の間隔は4週間以上としてください。
・休薬した場合は、1段階低い用量で投与を再開してください。

副作用

重大な副作用
▼血栓塞栓症注)(4.2%)
脳梗塞(0.4%)、シャント閉塞(1.0%)等の血栓塞栓症があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

▼ 肝機能障害(頻度不明)
AST、ALT、総ビリルビンの上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあります。定期的に肝機能検査を行い、異常が認められた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。

その他の副作用
・睡眠障害、傾眠
・網膜出血
・回転性めまい
・高血圧
・動悸
・赤血球増加症
・下痢、悪心
・腹部不快感、嘔吐、軟便、胃炎、胃腸炎、口内炎
・発疹、そう痒症、湿疹、紅斑、脱毛症、冷汗
・頻尿
・血清フェリチン減少、トランスフェリン飽和度低下、血中クレアチニン増加
・倦怠感、胸部不快感、乳頭痛、末梢性浮腫

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の患者、又はそれらの既往歴のある患者
脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の患者、又はそれらの既往歴のある患者は、本剤投与により血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■高血圧症を合併する患者
高血圧症を合併する患者は、血圧が上昇するおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■悪性腫瘍を合併する患者
悪性腫瘍を合併する患者は、本剤の血管新生促進作用により悪性腫瘍を増悪させるおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■増殖糖尿病網膜症、黄斑浮腫、滲出性加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症等を合併する患者
増殖糖尿病網膜症、黄斑浮腫、滲出性加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症等を合併する患者は、本剤の血管新生促進作用により網膜出血があらわれるおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。

■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。動物実験(ラット)において本剤又はその代謝物の胎盤通過性が認められています。ラットにおいて本剤の最大臨床用量の1.7倍の曝露量で、母動物の体重増加抑制及び摂餌量の低値に伴う胎児体重の低値及び骨化不全が認められています。

■授乳婦
授乳しないことが望ましいです。動物実験(ラット)において、本剤又はその代謝物が乳汁中へ移行することが認められています。また、ラットの母動物において本剤の最大臨床用量の1.2倍の曝露量で、出生時から離乳後初期まで出生児体重の有意な低値が認められています。

■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。

上記にあてはまる方は、バダデュスタットを使用する事が出来ない可能性があります。
バダデュスタットを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・多価陽イオンを含有する経口薬剤(カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム等を含む製剤)
・プロベネシド
・BCRPの基質となる薬剤(ロスバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、サラゾスルファピリジンなど)
・OAT3の基質となる薬剤(フロセミド、メトトレキサートなど)

上記を使用している方は、バダデュスタットを使用する事が出来ない可能性があります。
バダデュスタットを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
「バダデュスタット」を使用するにあたって気をつけることはありますか?

「バダデュスタット」の投与中に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の重篤な血栓塞栓症があらわれて、死亡に至るおそれがあることから、投与開始前に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の合併症及び既往歴の有無等を含めた血栓塞栓症のリスクを評価した上で、医師の判断に従ってください。また、投与開始後は、ヘモグロビン濃度が目標範囲で安定するまでは、2週に1回程度ヘモグロビン濃度を確認してください。

「バダデュスタット」は子供にも使えますか?

子供への使用は控えてください。小児等を対象とした臨床試験は実施していません。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。