ラスブリカーゼ(遺伝子組換え)

成分名

ラスブリカーゼ(遺伝子組換え)

適応症状

がん化学療法にともなって起こる高尿酸血症

簡易説明

ラスブリカーゼ(遺伝子組換え)はがん化学療法を行った時に併発する高尿酸血症に使用される薬剤です。体内の尿酸を直接分解して、尿酸値を下げます。尿酸を酸化させる本剤の作用機序は新しく、現在50か国以上で販売されております。日本ではサノフィが販売しています。投与後4時間ほどで尿酸を減少させる効果をもっており、高い有効性と速やかな作用が期待されています。

処方可能な診療科目

血液内科/腫瘍内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
ラスリテック点滴静注用1.5mg【製薬メーカー:サノフィ】1.5㎎1瓶12290円(薬価)
ラスリテック点滴静注用7.5mg【製薬メーカー:サノフィ】7.5㎎1瓶51084円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2010年4月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ラスリテック点滴静注用1.5mg/7.5mg【製薬メーカー:サノフィ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

現在世界50か国以上で販売されています。

効果・作用

ラスブリカーゼ(遺伝子組換え)は、がん化学療法を行った時に併発する高尿酸血症に使用される薬剤です。遺伝子組換え型の尿酸オキシダーゼとなっており、作用機序としては尿酸を酸化して、アラントインと過酸化水素に分解することで、尿酸値を低下させることが認められています。

成人の白血病もしくは悪性リンパ腫患者を対象とした国内臨床試験を実施しています。本剤1kgあたり0.15mg、0.2mgがそれぞれ25例に投与された結果、有効率はそれぞれ100%と96%であり高い値を示しました。
小児を対象として試験も実施しており、造血器腫瘍患者において本剤1kgあたり0.15mg、0.2mgがそれぞれ15例に投与されました。結果、有効率はそれぞ93.3%、100%でした。
なお、有効例は、血漿中尿酸値が本剤初回投与開始48時間経過するまでにエンドポイントに達し、そのうえで5日目の最終投与開始後24時間まで維持することと定義しました。

また、アロプリノールを対照とした海外第Ⅲ相試験を実施しています。小児の白血病もしくは悪性リンパ腫の方を対象に、27名に本剤、25名にアロプリノールを投与しました。投与後96時間までの尿酸AUCを比較したところ、本剤投与群は128±70mg・h/dLで あ り、アロプリノール投与群 の329±129mg・h/dLに比べて有意に低いことが認められました。なお、本試験では、アロプリノールは1回あたり25~210mgの用量で、平均15.5回、6.3日間投与されていました。この試験から、アロプリノールと比べて、本剤は有効性と即効性が期待される薬剤であることが示されました。

成人患者を対象としたすべての試験において、始めて投与してから4時間後の尿酸減少した割合は、1kgあたり0.20mgを投与した群のほうが、0.15㎎投与した群よりも少し高い傾向がありました。また、小児患者を対象とした試験ではすべての試験で有効率は90%以上とされていましたが、無効であった例が1人確認されています。日本で行われた試験では成人と同様、、1kgあたり0.20mgを投与した群のほうが、0.15㎎投与した群よりも効果が高い傾向がありましたが、海外での試験では2つの投与量の間に差はみられませんでした。

使用方法

1kgあたり0.2mgを1日1回30分以上かけて点滴静注します。投与期間は最大7日間としてください。

副作用

主な副作用
主に、肝機能障害(AST上昇)、アレルギー反応、電解質異常(ナトリウム、カリウム、リンの異常)、悪心・嘔吐、注射部位反応(紅斑、硬結等)があげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。

血液・・白血球減少/貧血/溶血/血小板減少/ヘモグロビン減少/APTT延長(5%未満)、
消化器・・便秘/悪心・嘔吐/食欲不振/心窩部不快感/咽喉頭不快感(5%未満)、下痢/腹痛/口内炎(頻度不明)
肝臓・・肝機能障害(AST(GOT)/ALT(GPT)/Al-P/総ビリルビンの上昇等)(5%以上~10%未満)、LDH上昇/γ-GTP上昇(5%未満)
腎臓・・尿蛋白/排尿困難/血尿(5%未満)
泌尿器・・BUN上昇/尿潜血陽性(5%未満)
精神神経系・・頭痛/めまい(5%未満)
皮膚・・発疹/そう痒/脱毛/蕁麻疹(5%未満)
呼吸器・・低酸素症/胸膜炎(5%未満)、呼吸困難/気管支痙攣/鼻炎(頻度不明)
筋・骨格・・四肢痛(5%以上~10%未満)、背部痛/顎痛(5%未満)
代謝及び栄養・・電解質異常(Na/K/Pの異常)(5%以上~10%未満)、血糖上昇/総蛋白減少/アミラーゼ上昇/アルブミン低下(5%未満)、電解質異常(Ca/Mgの異常)(頻度不明)
その他・・アレルギー反応(5%以上~10%未満)、注射部位反応(硬結/紅斑等)/発熱/倦怠感/ほてり(5%未満)、高血圧/徐脈/低血圧/感染(肺炎/敗血症等を含む)/粘膜の炎症/浮腫/疲労感/疼痛/カテーテル留置部位反応

重大な副作用
<ショック・アナフィラキシー>
頻度不明ですが、症状があらわれた場合にはすぐに投与を中止し医療機関を受診してください。
<溶血性貧血>
頻度不明ですが、貧血の症状があらわれた場合には投与を中止してください。
<メトヘモグロビン血症>
頻度不明ですが、チアノーゼなどの症状があらわれた場合には本剤の投与を中止してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ラスブリカーゼを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ラスリテックの有効成分
ラスブリカーゼ
▼代表薬の添加物
D‐マンニトール、L‐アラニン、リン酸水素ナトリウム水和物、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール

・以前、ラスブリカーゼを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損の方、もしくはその他の溶血性貧血を引き起こすことがある赤血球酵素異常のある方は、溶血性貧血を引き起こす可能性があるため使用できません。

使用に注意が必要な方
・アレルギーを起こしやすい体質のある方は、重症の即時型アレルギー反応があらわれる恐れがありますので注意をしてください。

上記にあてはまる方は、ラスブリカーゼ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ラスブリカーゼ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ラスブリカーゼ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
本剤使用するときに注意することはありますか?

ほかの併用薬とは別の点滴ラインを使用することと、本剤希釈する際には、ブドウ糖液を使用しないようご注意をしてください。また、本剤は2~8℃で保管し、希釈してから24時間以内には投与しきってください。

適用上の注意

【ラスリテック点滴静注 医薬品インタビューフォーム】

過量投与するとどのような症状が考えられますか?

過量投与によって、血漿中尿酸濃度の低下や、過酸化水素濃度の増加が考えられています。結果、溶血性貧血を起こす可能性がありますので、注意をしてください。過量投与をしてしまった際に使用できる薬剤はありません。

過量投与

【ラスリテック点滴静注 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

ラスリテック点滴静注 添付文書

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。