冬にむくみが起こりやすいのはなぜ?

「冬は太りやすい」と感じる方も多いかもしれませんが、その原因の一つにむくみが関係している可能性があります。
むくみとは、皮膚の下に余分な水分が溜まった状態のことで、医学的には「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれます。
特に冬場は、環境的な要因や生活習慣の変化により、むくみが起こりやすくなると考えられています。ここでは、冬にむくみが起こりやすくなる主な原因について解説します。
冷えによる血行不良
冬の寒さは、むくみの最大の原因と言えます。人間の体は、寒さを感じると体温を逃さないように血管を収縮させます。この血管の収縮が起こると、血液の流れが悪くなり、血行不良を引き起こします。
血液は、全身の細胞に酸素や栄養を運ぶだけでなく、細胞から出た老廃物や余分な水分を回収する役割も担っています。
血行が悪くなると、この老廃物や余分な水分をスムーズに回収できなくなり、特に重力の影響を受けやすい足などの末端部分に水分が溜まりやすくなり、むくみとなって現れます。
また、寒さによる冷えは、体内の水分の排出を担う腎臓の機能にも影響を与え、水分の代謝が悪くなることもむくみを助長する原因の一つです。
運動量の低下
冬は寒さのために外出を控えたり、億劫になったりして、夏場に比べて運動量が低下しがちです。
運動、特にふくらはぎの筋肉の動きは、足に溜まった血液を心臓へ送り返すポンプのような役割を果たしています。
この機能は「筋ポンプ作用」と呼ばれ、重力に逆らって血液を上へ押し上げるために非常に重要です。
運動量が減り、筋ポンプ作用が十分に働かなくなると、血液やリンパ液の流れが滞り、足の末端に水分が溜まりやすくなります。
デスクワークなどで長時間同じ姿勢で過ごすことが多い現代人は、冬場に限らずむくみやすい傾向にありますが、冬の活動量の低下はさらにそのリスクを高めます。
水分摂取量の減少
冬は汗をかく機会が減るため、喉の渇きを感じにくくなり、水分摂取量が無意識のうちに減少しがちです。「むくみを気にして水を飲まない」という方もいますが、これは逆効果になることがあります。
体内の水分が不足すると、体は危機を感じて、今ある水分をできるだけ体外に排出しないように溜め込もうとします。これがかえってむくみを引き起こすことがあります。
また、水分が不足すると血液がドロドロになり、血行がさらに悪化することもむくみの原因となります。
特に、コーヒーや紅茶などのカフェインを含む飲料ばかりを摂取している場合、利尿作用により一時的に水分が排出されますが、体内の水分バランスが崩れやすくなるため注意が必要です。
衣類による締め付け
冬場は寒さ対策のために、タイツ、ストッキング、ブーツ、厚手の靴下など、体を締め付ける衣類を着用する機会が増えます。
特に、ウエストや足首、ふくらはぎなどをきつく締め付ける衣類は、その部分の血流やリンパの流れを妨げ、むくみの原因となります。
弾性ストッキングなどは血行を促進する目的で使われるものもありますが、通常のファッションアイテムとしての締め付けの強い衣類は、血行不良を招き、むくみを悪化させる可能性があるため、注意が必要です。
すぐにできる!冬のむくみ対策
冬のむくみは、日々の少しの工夫や生活習慣の見直しによって、改善・軽減することが可能です。ここでは、今日からすぐに始められる具体的なむくみ対策をご紹介します。

体を温める習慣作り
冷えによる血行不良はむくみの最大の原因であるため、まずは日常生活に体を温める習慣を意識的に取り入れましょう。
例えば、忙しい日でもシャワーで済ませず、湯船にゆっくりと浸かることで、体の芯から温まり、全身の血行が促進されます。また、服装についても、首、手首、足首の「三首」を重点的に温める工夫が大切で、マフラーやレッグウォーマーなどを活用して冷たい外気から体を守りましょう。
さらに、食事や飲み物も、冷たいものは体を内側から冷やすため避け、温かいスープや、ショウガ、ネギなど体を温める食材を積極的に摂るように心がけます。
ストレッチや軽い運動を取り入れる
冬場の活動量の低下による筋ポンプ作用の衰えを防ぐため、ストレッチや軽い運動を日常生活に取り入れることが非常に有効です。
特に、長時間同じ姿勢で過ごすデスクワークの合間には、座りながらでもできる足首の曲げ伸ばしや回し運動を意識的に行いましょう。
これは、足に溜まった血液を心臓へ送り返すポンプの役割を助けます。また、寒い日でも近所を少しウォーキングするだけでも効果があり、大股でテキパキと歩くことを意識することでふくらはぎの筋肉が使われ、筋ポンプ作用を高めることができます。
立っている時などに手軽にできるかかと上げ運動も、継続して行うことでむくみ対策に繋がります。
塩分を控えたバランス良い食事を摂る
食事はむくみと密接に関わっており、特に塩分(ナトリウム)の過剰摂取は、体内の水分バランスを崩し、むくみを引き起こす大きな原因となるため、塩分を控えたバランス良い食事を摂ることが大切です。
ラーメンやインスタント食品、加工食品の摂取を控え、調理の際には減塩を心がけましょう。また、カリウムは体内の余分なナトリウムの排出を促し、水分バランスを整える働きがあるため、バナナ、アボカド、イモ類、海藻類など、カリウムを豊富に含む食品を積極的に食事に取り入れるようにしましょう。
さらに、良質なタンパク質を適量摂取することも、血液中の水分バランスを保つために重要です。
水分をこまめに摂取
むくみを恐れて水を飲まないのは逆効果であり、水分をこまめに摂取することがむくみ対策には不可欠です。体内の水分が不足すると、体は危機を感じて水分を溜め込もうとする作用が働くため、かえってむくみを引き起こすことがあります。
一日あたり1.5~2リットルを目安に、意識して水分を摂るように心がけましょう。飲むものとしては、利尿作用のあるお茶やコーヒーの飲みすぎは避け、基本的には水やノンカフェインの麦茶などを選びます。
特に、体温に近い温度の白湯(さゆ)は、内臓を冷やさず体を温める効果もあるためおすすめです。摂取の際は、一度に大量に飲むのではなく、コップ一杯程度の量を、時間を決めて少しずつ飲むようにすると良いでしょう。
体を締め付けない洋服を選ぶ
血液やリンパの流れを妨げないよう、体を締め付けない洋服を選ぶことも重要な対策の一つです。
特に、下着や靴下、タイツ、ガードルなどは、締め付けが強すぎていないかを確認し、ウエストや足首、ふくらはぎなどをきつく圧迫していないか注意しましょう。きついと感じる場合は、サイズを見直したり、ゆったりとしたものに替えたりする工夫が必要です。
長時間のデスクワークや立ち仕事でむくみを感じやすい場合は、適度な圧力がかかっている着圧ソックスの活用も効果的ですが、自分のサイズに合ったものを選び、血行不良を招かないよう適切に利用しましょう。
むくみを防ぐための生活習慣
一時的なむくみ対策だけでなく、日々の生活習慣を見直し、むくみが起こりにくい体作りをすることが、冬のむくみ予防に繋がります。ここでは、日常に取り入れたい予防のための習慣をご紹介します。

体を冷やさない
「冷えによる血行不良」はむくみの根本原因であるため、冬の間はもちろん、一年を通して体を冷やさない意識を持つことが重要です。冬場は厚着や温かい食事で対策を行いますが、夏場の冷房による冷えにも注意が必要です。
季節を問わず、腹巻きやカーディガン、ひざ掛けなどを活用して、特に冷えやすいお腹周りや足元を温める工夫をしましょう。
また、体を温める習慣を「温活」として意識的に生活に取り入れ、例えば定期的なウォーキングや足湯などを続けることが有効です。
睡眠をしっかりとる
質の良い睡眠を確保することは、自律神経のバランスを整えるために非常に重要です。
自律神経は血管の収縮や拡張をコントロールし、血流を調整する役割も担っているため、睡眠不足や質の悪い睡眠は自律神経の乱れを引き起こし、血管の調整がうまくいかなくなることでむくみやすくなります。
個人差はありますが、一般的に7〜8時間の睡眠を確保することを目標とし、寝る前のカフェインやアルコールの摂取を控える、寝室の環境を快適に保つなど、質の高い睡眠を得るための工夫をしましょう。
足を少し高くして寝る
寝ている間は活動量が少なく、特に足のむくみが解消されにくい時間帯です。このため、就寝時に足を心臓より少し高くして寝ることで、重力を利用して足に溜まった水分を心臓の方へスムーズに戻しやすくする効果が期待できます。
具体的には、タオルや座布団、クッションなどを膝から下に置き、足首が心臓より5〜10cm高くなるように調整するのが目安です。
ただし、あまり高くしすぎたり、膝の裏側を圧迫しすぎたりすると、かえって血流を妨げる可能性があるため、無理のない高さで足全体を支えるように工夫してください。
セルフマッサージを取り入れる
入浴後など体が温まり、血行が良くなっている時にセルフマッサージを取り入れると、リンパの流れが改善され、むくみの解消に役立ちます。マッサージを行う際は、リンパ液が流れる方向である「末端から心臓に向かって」行うのが鉄則です。
足首からひざへ、そしてひざから太ももを通って足の付け根(鼠径部)へと、手のひらでやさしく下から上へさすり上げましょう。特にひざの裏や足の付け根にあるリンパ節を軽く押すことも効果的です。
マッサージオイルやクリームを使うと、摩擦による肌への負担を減らし、気持ちいいと感じる程度の強さで行うことが大切です。
むくみに効果的なサプリメント・医薬品
むくみに効果的なサプリメント
<関連商品①>
●ウォーターアウト
アメリカの有名ヘルスケアメーカーNow Foods社による、体内の水分バランスを整えてむくみを改善するサプリメントです。また、泌尿器系のトラブルを改善したい方にもおすすめです。
むくみやすい方・水太りタイプの方・頻尿・尿漏れ・残尿感などの泌尿器系のトラブルを抱えている方におすすめです。利尿剤のフロセミドやトラセミドほどの強力な作用はありませんが、天然由来成分のため副作用が少なく、長期間服用も問題ありません。
天然由来成分であるため安全性が高く、むくみ改善効果や泌尿器トラブル改善効果の他にも、美肌効果やアンチエイジング効果も期待できます。
| 商品名 | ウォーターアウト |
|---|---|
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| 有効成分 | 2粒あたり:ビタミンB6・25mg/カリウム99mg/ウワウルシ葉エキス200mg/ダンデライオン(西洋タンポポ)葉150mg/ジュニパー果実120mg/ブチュ(ブッコノキ)葉120mg/ブラダーラック(ヒバマタ)葉状体 50mg |
| メーカー | NOW Foods(ナウフーズ) |
| 販売サイト | ウォーターアウトの購入はこちら |
<関連商品②>
●カリウム
アメリカの有名なサプリメントメーカーNow Foodsが製造販売している健康サプリメントです。むくみ解消や高血圧予防に効果的なカリウムを補充できる人気のサプリメントです。
有効成分としてクエン酸カリウム99mgを含有しています。体内の水分バランスを調整する働きを持つカリウムは、むくみを予防改善する効果、高血圧を予防する効果、筋肉を正常に保つ効果が期待できます。
| 商品名 | カリウム |
|---|---|
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| 有効成分 | 1粒あたり:カリウム(クエン酸カリウム由来) 99mg |
| メーカー | NOW Foods(ナウフーズ) |
| 販売サイト | カリウムの購入はこちら |
<関連商品③>
●イージーボディ・スキニーウォーターレス
QNT社が販売しているイージーボディ・スキニーウォーターレスは、天然の利尿作用成分を配合した、女性向けのサプリメントになっています。
含有成分であるタンポポ抽出物は天然の利尿作用があり、セイヨウネズには腎臓の水分排出を促進させる作用があります。この2種類の天然成分が高濃度で含まれています。
また、体の適切な機能に不可欠なミネラルであるマグネシウムや体の水分バランスに大きな役割を果たしているビタミンB6も豊富に含まれています。
このようにイージーボディ・スキニーウォーターレスには天然の利尿作用成分が豊富に含有されているので、身体に蓄積された余分な水分を排出しむくみを軽減させます。
余分な水分が排出されることで、水分太りで増加してしまった体重も落ちダイエット効果も期待できます。
| 商品名 | イージーボディ・スキニーウォーターレス |
|---|---|
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| 有効成分 | 3粒あたり:セイヨウイラクサエキス 600mg/セイヨウネズエキス 600mg/セイヨウタンポポエキス 300mg/ビタミンB6(ピリドキシンHCI)3.75mg |
| メーカー | QNT |
| 購入ページ | イージーボディ・スキニーウォーターレスの購入はこちら |
むくみに効果的な医薬品
<関連商品①>
●トーシミド
トーシミドは、有効成分トラセミドを配合したループ利尿剤になります。
ループ利尿剤の中でも強力な利尿作用があり、体内に蓄積された余分な水分を尿として排出する作用があるため、むくみの改善させる効果があります。
また、体内の余分な水分が排出されると水分を含んでいる血液量も減るため、血圧を下げる効果や心臓の負担を減らす効果も期待できます。トラセミドの効果によって、体外へ余分な老廃物を尿と共に排出する事で、むくみをスッキリと解消し、体重減少効果もあります。
トーシミドについて詳しく知りたい方は下記のコラムをお読みください。
| 商品名 | トーシミド |
|---|---|
| 画像 | ![]() |
| 有効成分 | トラセミド5mg/10mg/20mg/40mg/100mg |
| 価格 | 5mg:1錠あたり27円~ 10mg:1錠あたり28円~ 20mg:1錠あたり32円~ 40mg:1錠あたり47円~ 100mg:1錠あたり98円~ |
| メーカー | John Lee Pharma(ジョンリーファーマ) |
| 購入ページ | トーシミドの購入はこちら |
<関連商品②>
●トール
トールは、有効成分トラセミドを配合したループ利尿薬です。
体内に蓄積された余分な水分を尿として排出することで、むくみの改善が期待できます。
体内の水分が減ることで血圧を下げ、心臓への負担も軽減されます。一時的に体重が減ることもありますが、これは水分排出によるもので、ダイエット効果とは異なります。
| 商品名 | トール【ルプラックジェネリック】 |
|---|---|
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| 有効成分 | トラセミド5mg/10mg/20mg |
| 価格 | 5mg:1錠あたり27円~ 10mg:1錠あたり29円~ 20mg:1錠あたり33円~ |
| メーカー | Intas Pharmaceuticals(インタスファーマ) |
| 購入ページ | トール20の購入はこちら |
<関連商品③>
●スピロノラクトン
「スピロノラクトン」は、長い間高血圧の治療薬として使用されてきた薬剤で、高い利尿作用を持つため心不全の方の治療薬としても処方されます。利尿剤・ホルモン抑制剤として使われており、ジヒドロテストステロン(DHT)を抑えることによって抜け毛予防の効果もあります。
| 商品名 | スピロノラクトン |
|---|---|
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| 有効成分 | スピロノラクトン100mg |
| 価格 | 100㎎:1錠87円~ |
| メーカー | Haupt Pharma(ハウプトファーマ) |
| 購入ページ | スピロノラクトンの購入はこちら |
<関連商品④>
●アクアザイド
ヒドロクロロチアジド・ジェネリックはシプラ社が開発した、むくみに効果のある医薬品です。他にも高血圧の改善にも有効のあるお薬です。
主成分のヒドロクロロチアジドが、体内に溜まった余分な水分や塩分、老廃物を尿と一緒に排出することで、体のむくみが解消されます。また、血圧を下げる効果も期待できるお薬です。
| 商品名 | アクアザイド |
|---|---|
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| 有効成分 | ヒドロクロロチアジド25mg |
| 価格 | 25㎎:1錠22円~ |
| メーカー | Sun Pharma (サンファーマ社) |
| 販売サイト | アクアザイドの購入ページ |
むくみに関するよくある質問

- Q冬のむくみを放置するとどうなりますか?
- A
一時的なむくみであれば、翌日には解消されることが多いですが、慢性的にむくみを放置すると、セルライトができやすくなったり、冷え性や疲労感が強くなったりすることがあります。
また、むくみは老廃物が溜まっている状態なので、肌荒れや体調不良の原因にもなりえます。
何より注意すべきは、むくみが心臓、腎臓、肝臓など、重大な病気のサインである可能性があることです。
対策をしても改善しない、片足だけむくむ、急にむくみが現れた、その他の症状(息切れ、体重増加など)を伴う場合は、必ず医療機関を受診してください。
- Qお酒を飲むとむくみやすいのはなぜですか?冬場は特に注意が必要ですか?
- A
お酒(アルコール)を飲むと、体内でアルコールを分解するために水分が必要となり、脱水傾向になります。同時に、アルコールは抗利尿ホルモンの分泌を抑制するため、尿量が増え、さらに脱水が進みます。
この結果、体は水分を溜め込もうとする作用が働き、むくみやすくなります。また、アルコールには血管を拡張させる作用があり、一時的に血流が増えますが、その後に水分が血管外に漏れやすくなることもむくみの原因です。
冬場は、忘年会や新年会などで飲酒の機会が増える傾向にあります。飲酒をする際は、アルコールと同量以上の水やノンカフェインの飲料を一緒に飲む、塩辛いおつまみを控えるなどの工夫で、むくみの予防に努めましょう。
最後に
冬にむくみやすくなるのは、寒さによる血行不良、活動量の低下による筋ポンプ作用の低下、無意識の水分不足など、複数の要因が絡み合っているからです。
むくみを解消し、予防するためには、体を温めて血行を促す「温活」の習慣、ストレッチやウォーキングなどの「軽い運動」、塩分を控えた「バランスの良い食事」、そして「こまめな水分補給」が基本となります。
今日からできる小さな工夫の積み重ねが、冬のむくみを防ぎ、快適な毎日を送るための鍵となります。日々の生活習慣を見直し、むくみ知らずの健康的な冬を過ごしましょう。ただし、むくみが続く、またはその他の症状を伴う場合は、必ず医療機関で相談し、体のサインを見逃さないようにしてください。
出典
スギ薬局 冬はむくみやすいって本当?原因や対処法をご紹介!
FANCL ONLINE 冬にむくみが起こりやすいのは、なぜ?











