ハルシオンは個人輸入できない?効果や副作用その他睡眠薬との違いを解説

ハルシオンは個人輸入できない?効果や副作用その他睡眠薬との違いを解説 睡眠

ハルシオンとは?

ハルシオンとは画像

今回は睡眠薬の一つ、ハルシオン(一般名:トリアゾラム)についてご紹介します。
古くからある睡眠薬なのでもしかしたら耳にしたことがあるかもしれませんね。
ハルシオンは日本アップジョン株式会社と住友化学工業株式会社の 2 社共同で開発し、1983年に販売が開始されたベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。
当時はハルシオン錠0.25mgのみの販売でしたが、1990年に入り半分の量つまりハルシオン錠0.125mgも発売されることになり、現在もこの2規格が広く使用されれています。
日本アップジョン株式会社はファイザー株式会社に社名を変更し、ハルシオンと言えばファイザーと呼ばれるほど有名になりました。
その剤形は青い錠剤が特徴的で、かつては「青玉」とも呼ばれていました。
現在では先発品のハルシオンだけでなく、同じ成分のジェネリック医薬品も多数販売され使用されています。

ハルシオンの最大の特徴は「早く効いて、朝までスッキリ」という点です。
飲んでから効き始めるまでの時間が短く、入眠をサポートする力が強いのが魅力です。
また、体内から消えるのも比較的早いため、翌朝の残眠感(薬の効果で朝も眠たい状態)が少ないとされています。
このため、「布団に入ってもなかなか眠れない」という入眠障害の方に特に役立ちます。

睡眠薬には色々な種類がありますが、大きく分けて2種類存在しています。
一つは脳の働きを鎮める「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」で、ハルシオンはこちらに含まれます。
もう一つは、比較的新しい「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」でマイスリー、アモバン、ルネスタが該当します。

ハルシオンは、「強制的に脳をオフにする」ような感じで眠りへと導きます。
効き目がはっきりしていてわかりやすいのが特徴です。
しかし強い効果がある分、注意点もあります。
ハルシオンは依存性が高く、長期間使用すると「ハルシオンがないと眠れない」状態になることがあります。
過去には乱用や犯罪に使われた歴史もあり、現在は処方する際には30日分までと一定の制限があります。
近年では、より安全性の高い非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が主流になってきていますが、効果の確かさから今でもハルシオンが選ばれることは少なくありません。
現在、睡眠薬は選択肢が数多く存在しているため、必ず医師と相談し、指示された用法・用量を守って使用することが大切です。
眠れないつらさを解消する手助けとして、正しく付き合っていきましょう。

ハルシオンの効果

ハルシオンの用法を見てみると、1日1回就寝直前に1錠服用することとなっています。
この1錠という用量はトリアゾラムとして0.125mgから0.25mgの範囲に相当します。
場合によっては0.125mg錠を半分にしても効果を感じる人はいるかもしれません。
ハルシオンはたった1錠服用することで脳の興奮を抑える働きがあり、自然な眠りへと導いてくれます。
そんなハルシオンですが実は大きく分けて3つの効果を持つ睡眠薬です。

①即効性がある

飲んでから比較的早く効果が現れます。

②作用時間が短い

体内での効果持続時間が短めに設計されています。
このため、翌朝になっても薬の効果による眠気が残りにくく、スッキリと目覚められる方が多いです。

③入眠効果が強い

寝つきの悪さ(入眠障害)に対して効果的です。

ハルシオンは主に、寝つきの悪さ(入眠障害)に悩む方に処方されます。
特に最近では、マイスリーやルネスタといった非ベンゾジアゼピン系と呼ばれる比較的新しいタイプの睡眠薬を試してみたけれど十分な効果が得られなかった場合に、次の選択肢として検討されることが多いようです。
ハルシオンは効果が分かりやすい睡眠薬ですが、副作用の面から第一選択薬としてはなかなか使いづらい一面もあるようです。
そもそも長期間使用すると効果が弱まることがあるため適切に使うことをおすすめします。

ハルシオンの特徴

ハルシオンの最大の魅力は、服用からわずか10分から30分程度で睡眠効果が得られる点です。
寝床に入ってもなかなか眠れない時に服用することで、薬を飲んだという安心感も相まって比較的早く睡眠へと導いてくれます。
他睡眠薬と比較した場合、ハルシオンの効果持続時間は約2~3時間と非常に短めです。
この「超短時間型」という特性により、就寝初期の「入眠困難」に対して特に効果を発揮します。
一方で、夜間に繰り返し目覚める方や早朝に目が覚めてしまう方にはハルシオンは不向きであり、効果が長く持続する別タイプの睡眠薬が推奨されます。

ハルシオンが最も適した使用とされるケースには、次のような状況が挙げられます。

ハルシオンが最も適した使用とされるケース

  • 突発的な不眠に悩まされている時
  • 国際線利用後の時差ボケ対策として
  • 一時的な精神的プレッシャーによる睡眠障害

作用が短時間で終わるため、朝になると薬の効果がほぼ消失していることが多いです。
そのため、起床時の頭の重さや日中の眠気といった問題が生じにくく、翌日に重要な予定がある場合でも比較的安心して使用できる特徴があります。

ハルシオンを使用する上で避けては通れない「禁忌」の項目にも特徴があります。
まず、緑内障の一種である「急性閉塞隅角緑内障(きゅうせいへいそくぐうかくりょくないしょう)」の方や、筋肉の病気「重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)」の方は使えません。
また、カビの薬(イトラコナゾールなど)やHIV治療薬との併用も禁止です。
また食品であるグレープフルーツジュースにより作用が増強されることから摂取を避ける必要があります。
とにかく併用禁忌(薬)が多いので使用する際は必ず自分が飲んでいる薬と一緒に飲んでも問題ないか確認した上で使用するようにしましょう。
特に気をつけたいのは「夢遊」のような症状です。眠っているのに歩き回ったり、変な行動をしたりすることがあります。このような症状が発現したことがある患者には禁忌となっています。

ハルシオンの副作用とリスク

ハルシオンの副作用画像

最も多くみられる副作用には「眠気(14.3%)」や「ふらつき(9.0%)」があります。
これらは薬の効果の延長とも言えますが、日中の活動に支障をきたすことがあります。
そのため車の運転など危険を伴う機械の操作には従事しないことが大切です。
また「倦怠感(7.1%)」「頭重感(5.1%)」「頭痛(4.2%)」「めまい(2.9%)」なども比較的よく見られます。
めまいなどで転倒し骨折するなど2次災害にも注意が必要です。

重大な副作用として最も気を付けなければならない副作用もいくつか存在します。

①依存性と離脱症状

ハルシオンを長期間使用すると、薬への依存が生じる可能性があります。
急に服用をやめると、不安感や焦燥、不眠の悪化、さらには痙攣やせん妄などの離脱症状が現れることがあります。
このため、やめる際には医師の指導のもと、少しずつ量を減らしていくことが大切なのです。

②前向性健忘(ぜんこうせいけんぼう)と睡眠随伴症状

「前向性健忘」とは、薬を飲んだ後の記憶がなくなる状態のことを言います。
ハルシオンを服用した後、完全に眠らないまま行動してしまい、翌朝には覚えていないという事例があります。
車の運転や食事をしたのに記憶がない、といった危険な状況も報告されています。

③精神症状

興奮や混乱、幻覚や妄想などの精神症状が現れることもあります。
これらの症状が出た場合は、すぐに医師に相談する必要があります。

その他の重大な副作用として呼吸が抑制されたり、肝機能に影響したりすることもあります。
呼吸が抑制された場合には非常に危険な状態ですので気道確保が必要になります。
また、まれにショックやアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることもあるため注意が必要です。

とくに、ハルシオンを服用する際は、以下の点に注意しましょう。

ハルシオンを服用する際の注意点

①アルコールとの併用は避ける。
②医師の処方した用量を守る。
③自己判断で急に中止しない。
④服用後の運転や危険を伴う作業は行わない。
⑤副作用の兆候があれば、すぐに医師に相談する。

ハルシオンは個人輸入できない?

ハルシオン個人輸入の画像

強力な睡眠薬「ハルシオン(トリアゾラム)」は、その効果の強さゆえに依存性や副作用のリスクが高く、日本では向精神薬(第3種)に指定されています。
そのため、個人輸入には厚生労働省の許可と医師の処方箋が必要とされ、一般の人が自由に海外から取り寄せることはできません。
違反すれば薬機法や向精神薬取締法に抵触し、罰則を受ける可能性もあるため、注意が必要です。日本国内では代替薬も多く、医師の診断を通じて適切な処方を受けるのが安全な方法と言えるでしょう。

参考ページ

医薬品等の個人輸入について

「知らなかった」は通用しない世界です。
もし睡眠薬を探しているなら、向精神薬に指定されていないルネスタやベルソムラ、ザレプロンなどを検討する方が安全かもしれません。
ハルシオンとの違いについては当サイトメデマートの下記コラムで紹介されておりますのでご覧ください。

ただし、これらも適切な手続きが必要です。
医薬品の個人輸入を検討される際は、必ず厚生労働省や各地方厚生局の最新情報を確認し、法令を遵守するようにしましょう。
自己判断による医薬品の使用は、思わぬ副作用や健康被害を招くことがあります。
思わぬ副作用や健康被害を避けるためにも、まずは国内の病院での相談を第一選択にしましょう。
あなたの健康を守るためにも、手軽さより安全性を優先する選択が大切です。

ハルシオンと他の睡眠薬の違い

ハルシオン他の睡眠薬との違い画像

ハルシオンは向精神薬に分類されているため個人輸入はできませんでしたが、個人輸入できる睡眠薬なんてものは実際に存在するのでしょうか?
そこで紹介したいのが当サイトメデマートで個人輸入可能な睡眠薬3選です。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬であるルネスタのジェネリック医薬品である「ハイプナイト」、同じく非ベンゾジアゼピン系ですが日本未発売であるソナタのジェネリック医薬品である「ザイプロン」、比較的新しい睡眠薬オレキシン受容体拮抗薬である「ベルソムラ」が販売されています。

商品名ハイプナイトベルソムラザイプロン
画像ハイプナイトベルソムラザイプロン
有効成分エスゾピクロン1mg/2mg/3mgスボレキサント15mg/20mgザレプロン10mg/20mg
メーカーConsern Pharma(コンサーンファーマ)MSD(メルク・アンド・カンパニー)WIN LIFE PHARMA(ウィンライフファーマ)
購入ページハイプナイトの購入はこちらベルソムラの購入はこちらザイプロンの購入はこちら

作用機序の面から見た違いはどうでしょうか。
ハルシオンは、ベンゾジアゼピン系と呼ばれる古くからある睡眠薬です。
脳内のGABA受容体に作用して、神経の興奮を抑えます。

一方、ハイプナイトやザイプロンは非ベンゾジアゼピン系に分類され、同じGABA受容体に作用しますが、より選択的に働くのが特徴です。
ベルソムラは最も新しいタイプで、覚醒を促すオレキシンという物質の働きを抑える、まったく異なる仕組みを持っています。
働きが違うということは効果が違うということです。
ではどのくらい効果が異なるのでしょうか?
ハルシオンは即効性が高く、服用後10~30分で効果が現れます。
でも作用時間が短いため、朝方に目が覚めてしまうことも珍しくはありません。
ハイプナイトやザイプロンもまた超短時間型睡眠薬に分類されており即効性と作用時間はハルシオンに引けを取りません。

一方、ベルソムラは自然な眠りに近い形で睡眠を促し、翌朝の持ち越し効果(ボーっとする感じ)が少ないのが魅力です。
いわゆる頭の中の睡眠と覚醒のスイッチを入れ替える働きをします。
そのため効果発現時間や効果持続時間で比較できませんが朝までしっかり効いている点がハルシオンとの大きな違いと言えます。
副作用のリスクも見逃すことはできませんね。
ハルシオンは依存性や耐性ができやすく、長期使用には注意が必要です。
ハイプナイトやザイプロンはそれよりリスクは低いですが注意が必要です。
ベルソムラは傾眠、頭痛、浮動性めまいに加え、悪夢の副作用が報告されています。
このようにどの睡眠薬もそれぞれ特徴があります。
それぞれの特徴を理解することがまず第一歩であり、あなたの睡眠の悩みに合った薬を選ぶことが良い睡眠を得るための重要な要素であると言えます。

ハルシオンに関するよくある質問

Q
ハルシオンを服用すると記憶がなくなることがありますが副作用なのですか?
A

「前向性健忘」という副作用で服用後の記憶や行動を覚えていないことがあります。
有効成分「トリアゾラム」は中枢神経系の活動を抑制することで睡眠作用を発揮します。
この作用により服用後の新しい記憶の形成が一時的に阻害されることにより記憶がなくなることがあります。
特に「高用量の服用」「アルコールとの併用」「睡眠時間が不十分」な場合に前向性健忘のリスクが高まるとされています。

Q
ハルシオンをやめたいのですが、離脱症状はありますか?
A

有効成分トリアゾラムは依存性のある医薬品です。
長期間の使用や高用量の使用後に急に服用を中止すると離脱症状(不眠、焦燥感、不安、けいれん)がでる可能性があります。
したがって、減薬や服用の中止を検討する場合は医師の指示に従ってください。

Q
ハルシオンを病院で処方してもらえなかったのですがなぜですか?
A

ハルシオンは依存性・副作用のリスクが高いため医師の診断で慎重に処方されています。医師は、服用する方の「年齢」「健康状態」「生活リズム」「既存の服用している医薬品」などを考慮して、医薬品を処方します。
そのため、希望した医薬品ではなく、より安全性が高く服用する方に適した医薬品が提案されます。

まとめ

ハルシオンは、不眠症状に対して即効性の高い睡眠薬として知られています。
寝つきの悪さに特に効果を発揮し、短時間で作用するという特徴があります。
しかし、薬の効果の裏には必ず注意すべき副作用があることも忘れてはいけません。
眠気やふらつき、めまいや頭痛といった比較的軽い症状から、依存性や耐性形成といったより深刻な問題まで、様々なリスクが存在します。
特に強調したいのは、ハルシオンが日本の「向精神薬取締法」により個人輸入が禁止されているという点です。

安全に使用するためには、必ず医師の診察を受け、指示に従って服用することが大切です。
他の睡眠薬と比較した場合、ハルシオンはベンゾジアゼピン系という種類に属し、ベルソムラやハイプナイト、ザレプロンとは作用機序や効果の現れ方が異なります。
それぞれの薬には特性があり、あなたの不眠のタイプや生活習慣に合った選択が必要になるでしょう。
睡眠薬に頼る前に、規則正しい生活習慣や寝る前のリラックス法も試してみる価値があります。
もし睡眠の問題でお悩みなら、自己判断せず、まずは最寄りの病院を受診してみるところからはじめてみてはいかがでしょうか。
良質な睡眠は健康の基本ですから、あなたに合った方法で安心して眠れる日々を取り戻してください。

出典

ハルシオン錠0.125mg/0.25mg添付文書
ハルシオン錠0.125mg/0.25mgインタビューフォーム
厚生労働省(ハルシオンは個人輸入できない?)
ルネスタ錠1mg/2mg/3mg添付文書
ベルソムラ錠10mg/15mg添付文書
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