フルニトラゼパム

成分名

フルニトラゼパム

適応症状

不眠症/麻酔前投薬 など

簡易説明

フルニトラゼパムは縮合したベンゼン環とジアゼピン環が中心となる化学構造をもつ向精神薬で、投与量ベースでは効果が非常に高い睡眠薬になります。
そのためフルニトラゼパムは他の催眠薬に反応しない慢性的な重度の不眠症の入院患者に対して処方するもので、短期的または頓服的に限って使用することが奨励されています。
連用により依存症になる恐れや、急激な量の減少により離脱症状を生じることがあり、日本の麻薬及び向精神薬取締法の第2種向精神薬に指定されています。

処方可能な診療科目

内科/心療内科/精神神経科/精神科/麻酔科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:サイレース錠1mg 10.3円/2mg11.8円/錠(薬価)
薬代後発薬1錠の目安:フルニトラゼパム錠1mg5.7円/錠(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始:1984年3月【サイレース錠】

国内のジェネリック認可

国内のジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

サイレース錠1mg/2mg【製薬メーカー:エーザイ】
サイレース静注2mg【製薬メーカー:エーザイ】

関連製品(ジェネリック)

フルニトラゼパム錠1mg/2mg「アメル」「JG」「TCK」

効果・作用

フルニトラゼパムは睡眠導入剤や麻酔前投薬として使用される薬で、鎮静・抗不安・抗痙攣および筋弛緩作用があります。
入眠や催眠作用については縮合したベンゼン環とジアゼピン環が中心となる化学構造をもつ向精神薬の中では効果が高く、「ジアゼパム」と比較すると同じ投薬量でもおよそ10倍の効力があるなど、投与量ベースでは効果が非常に高い睡眠薬になります。
フルニトラゼパムは他の睡眠薬と比べて比較的即効性に優れていることや、経口投与時の効果発現はおよそ15分から20分で眠気を感じ始めて、1時間から2時間程度で血中濃度が最大になり、投与後12時間目までの半減期はおよそ7時間で、消失半減期はおよそ20時間となっています。
日本でもフルニトラゼパムは厚生労働省による認可を受けていますが、精神症状・薬物依存・離脱症状などの重大な副作用や、健忘・早朝不眠・反跳性不眠・日中の不安といったの副作用が報告されています。
フルニトラゼパムは連用による依存症や、薬を減らした際に離脱症状を生じることがあるため、睡眠薬として使用する場合は、長期使用せずに生活を改善しながらできるだけ早期に使用を取りやめることが推奨されています。

使用方法

通常、成人1回につきフルニトラゼパムとして0.5~2mgを就寝前または手術前に経口で服用します。年齢や症状によって適宜増減しますが、高齢者に対しては1回1mgまでとします。

▼使用上の注意
不眠症に使用する場合は、就寝の直前に服用して下さい。服用して就寝した後、睡眠途中で一時的に起床し仕事をする可能性が高い際は服用を避けて下さい。

副作用

重大な副作用
・依存性(頻度不明)
・刺激興奮、錯乱(頻度不明)
・呼吸抑制、炭酸ガスナルコーシス
・肝機能障害、黄疸(頻度不明)
・横紋筋融解症(頻度不明)
・悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
・意識障害(頻度不明)
・一過性前向性健忘、もうろう状態(頻度不明)

その他の副作用
・ふらつき、眠気
・頭痛、めまい、頭がボーッとする、運動失調、頭重
・失調性歩行、不快感、焦躁感、不安感、しびれ感、耳鳴り、動作緩慢、酩酊感、振戦、構音障害、記憶力の低下
・AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇
・Al-P、LDHの上昇
・BUNの上昇
・白血球減少、血小板減少、貧血
・動悸、血圧低下
・口渇
・食欲不振、胃不快感、下痢、便秘、腹痛、嘔吐、舌のあれ、胸やけ、流涎、口の苦味
・発疹
・倦怠感
・脱力感、尿失禁
・発汗、いびき、顔面潮紅、顔面浮腫、頻尿、排尿困難

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■フルニトラゼパムに対して過敏症の既往歴がある方
■急性閉塞隅角緑内障の方
抗コリン作用によって眼圧が上昇し、症状が悪化する恐れがあります。
■重症筋無力症の方
症状を悪化させる恐れがあります。
■フルニトラゼパムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方サイレースは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼サイレース錠の有効成分
フルニトラゼパム
▼代表薬の添加物
・青色1号
・カルメロースカルシウム
・ケイ酸カルシウム
・結晶セルロース
・酸化チタン
・ステアリン酸マグネシウム
・タルク
・乳糖水和物
・ヒプロメロース

使用に注意が必要な方
・肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している方
・衰弱患者
・高齢者
・心障害の患者
・肝障害または腎障害の患者
・脳に器質的障害の患者
・妊婦または妊娠している可能性のある方
・小児等

上記にあてはまる方は、フルニトラゼパムを使用する事が出来ない可能性があります。
フルニトラゼパムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・アルコール(飲酒)
・中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体)
・鎮痛薬(麻酔薬 等)
・モノアミン酸化酵素阻害薬
・シメチジン

上記を使用している方は、フルニトラゼパムを使用する事が出来ない可能性があります。
フルニトラゼパムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
フルニトラゼパムはどれくらい作用持続時間がありますか?

作用持続時間は6時間から8時間になります。同類薬の中では中間型です。

この薬の危険性や気をつける点は何ですか?

同類薬の中では比較的安全性が高いとされています。人によっては翌朝の眠気やふらつき脱力感が残る可能性がある為、特に高齢者は転倒に注意して下さい。

過量服用が認められた場合はどのような処置が施されますか?

胃洗浄や活性炭による成分の吸着、そのほかにフルマゼニルというベンゾジアゼピン受容体拮抗剤と投与するなどの処置があります。昏睡等の中枢神経抑制作用に基づく症状に対応します。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。