成分名 |
チオペンタールナトリウム |
適応症状 |
チオペンタールナトリウムを主成分とするラボナール注射用0.3g/0.5gは麻酔剤としての適応を持ちます。その主な効能及び効果としては、①全身麻酔、②全身麻酔の導入、③局所麻酔薬、または吸入麻酔薬との併用療法、④精神神経科における電撃療法による治療の際の麻酔、⑤局所麻酔薬中毒・子癇・破傷風等に伴う痙攣、⑥精神神経科における診断に対する使用(麻酔インタビュー)、以上に対して適応症をもつ注射剤になります。 |
簡易説明 |
チオペンタールナトリウムを主成分とする医療用医薬品のラボナール注用0.3g/0.5gは、超短時間作用型バルビツール酸誘導体に分類される静注麻酔薬になります。静脈注射によって容易に即座に麻酔導入ができ、事実上すべての動物種で使用可能です。チオペンタールナトリウムは脂溶性が大きい事から、静脈内注射後脳に素早く入り、次いで体脂肪に再分布する事が、短時間作用型の全身麻酔薬である理由になります。
本剤は静脈内投与の他、直腸内注入、筋肉内注射も用法として承認されています。 |
処方可能な診療科目 |
歯科口腔外科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神神経科/麻酔科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
薬代1瓶あたりの目安:0.3g約770円/0.5g約940円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
【チオペンタールナトリウムを主成分とするラボナール注射用0.3g】
2001年12月12日に製造販売が承認(販売名変更に伴う再承認)、1952年5月1日に薬価基準に収載、その後1952年1月30日に販売が開始されました。
【チオペンタールナトリウムを主成分とするラボナール注射用0.5g】
2001年12月12日に製造販売が承認(販売名変更に伴う再承認)、1951年8月1日に薬価基準に収載、その後1951年5月1に販売が開始されました。 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ラボナール注射用0.3g/0.5g【製薬メーカー:ニプロESファーマ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
英国においてKyowa Kirin Ltd(会社名)がThiopental Sodium 500mg Powder for Solution for Injection(販売名)を1999年4月に承認され、発売しております。 |
効果・作用 |
チオペンタールナトリウムを主成分とするラボナール注射用0.3g/0.5gは麻酔剤としての適応を持ちます。その主な効能及び効果としては、①全身麻酔、②全身麻酔の導入、③局所麻酔薬、または吸入麻酔薬との併用療法、④精神神経科における電撃療法による治療の際の麻酔、⑤局所麻酔薬中毒・子癇・破傷風等に伴う痙攣、⑥精神神経科における診断に対する使用(麻酔インタビュー)にたいして効果のある医薬品です。
その作用機序は、超短時間作用型のバルビツール酸系静脈注射麻酔剤で、バルビツール酸誘導体としての共通の作用機序により鎮静、催眠作用を現します。
チオペンタールナトリウムはGABAA受容体に結合し、GABAの作用を増強させ、細胞に過分極を生じさせます。
脳幹の網様体賦活系を抑制する事により麻酔作用を現すと考えられています。
大脳半球や視床下部、及び延髄など、全中枢神経軸に広範に抑制作用を示すが、中でも特に大脳皮質の介在ニューロン及び脳幹網様体賦活系に対する作用が最も重視されています。
神経背にの伝導及び神経節の伝導を抑制します。
シナプスにおける伝導抑制作用は、後シナプス膜の安定化作用(刺激閾値上昇作用)とRefractory periodの延長によると考えられています。 |
使用方法 |
【ラボナール注射用0.3g/0.5gの調整】
・溶液の濃度は2.5%水溶液を使用します。(5%溶液を使用した場合、静脈炎を起こす事がある為調整する濃度には十分注意が必要です。)
・投与量及び投与法について:2.5%溶液に調整したラボナール注射用0.3g/0.5gを静脈内へ注入します。調整した溶液の用量や静注速度は患者の年齢及び体重とは関係が少ないとされており、また個人差がある事から、一定ではないが、大体の基準は次の通りとなります。
1)全身麻酔の導入として使用する場合
まず最初に2mLから4mL(2.5%溶液で50mgから100mg)を注入して患者の全身状態、並びに抑制状態等を観察します。その感受性から判断し、追加量を決定します。続いて患者が応答しなくなるまで追加しながら注入していき、応答が無くなった時点で使用した水溶液の投与量を就眠量とします。更にここで決定した就眠量の半量もしくは同量を追加注入した後、他の麻酔法へ移行する。
なお、麻酔剤使用時において、気管内に挿管する場合は筋弛緩剤を併用する事とされております。
2)短時間麻酔の場合
①ラボナール注射用0.3g/0.5gを用いて患者とコンタクトを保ちながら短時間麻酔を行う場合、最初に2mLから3mL(2.5%溶液で50mgから75mg)を用いて10秒から15秒ぐらいの速度で投与し、麻酔剤注入後30秒間投与したラボナール注射用0.3g/0.5gの麻酔の程度や、患者の全身状態を観察します。更に必要であれば2mLから3mを同速度で注入し、応答がなくなった時点で使用した水溶液の投与量を就眠量とします。なお、手術に先立ち、更に2mLから3mLを同速度で分割注入する事によって、更に10分から15分程度の麻酔効果が得られます。
②手術開始後、短時間で終了しない場合には、注射針を刺したままの状態で、呼吸及び脈拍、血圧、そして角膜反射や瞳孔対光反射などに注意しながら手術を維持継続できる麻酔の深度を保つように、1mLから4mL(2.5%溶液で25mgから100mg)を数回に分けて注入します。(分割投与した際、1回の投与量は最大1000mgまでとする)
3)精神神経科における電撃療法で使用する場合
通常ラボナール注射用0.3g/0.5gを、12mL(2.5%溶液で300mg)の溶液を用いて、おおよそ25秒から35秒くらいかけてゆっくりと注入した後、必要とされる麻酔の深度に達したことを確認後、直ちに電撃療法を行います。
4)併用して使用する場合
チオペンタールナトリウムは局所麻酔剤もしくは吸入麻酔剤と併用して使用する事が可能です。通常2mLから4mL(2.5%溶液で50mgから100mg)を一定の間隔を持ちながら静脈内へ注入します。
また、点滴しながら投与を行う場合には、静脈内点滴麻酔法に準ずる事とされております。
5)痙攣時に使用する場合
患者の全身状態をよく観察しながら、通常2mLから8mL(2.5%溶液で50mgから200mg)を痙攣が止まるまでゆっくりと注入していきます。
6)精神神経科で診断を目的として使用する場合
通常ラボナール注射用0.3g/0.5gを用い、およそ1mL/分の速度で3mLから4mL注入する事によって入眠させます。その後2分から10分で呼びかければ覚醒し、質問に答えるようになればインタビューを実施します。インタビュー後およそ1mL/分の速度で追加注入を行います。
場合により次のような方法を用います。
①直腸内注入にて麻酔を行う場合
使用する溶液の濃度は10%水溶液を用いて、体重kgあたり20mLから40mL(10%溶液で0.2mL/kgから0.4mL/kg)を基準とし、調整された水溶液を注射器に入れ、充填された注射器の先端に導尿用カテーテルを取り付け、肛門から直腸に挿入し、注腸します。注腸した場合には麻酔に15分程度で入り、その効果は約1時間持続します。
②筋肉内注射を行う場合
使用する溶液の濃度は2.0%から2.5%水溶液を用います。但し7歳以下の小児に筋肉内注射にて使用する場合には水溶液の濃度として2%溶液を使用します。注射使用部位としては上腕部筋肉、または大腿筋肉など筋肉の多い部位を選択します。体重換算で、20mg/kg(2%溶液で1mL/kg)を基準として使用します。但し一度に全量を筋肉内に注入してはならず、全量を2から3糖分して、5分毎に必要に応じて追加投与します。注入後5分から15分で麻酔に入り、約40分から50分手ぢ度持続します。 |
副作用 |
重大な副作用
1)ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)
2)呼吸停止、呼吸抑制(頻度不明)
その他の副作用
循環器、過敏症、その他、精神神経系の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)循環器
不整脈、頻脈(0.1~5%未満)
血圧低下(頻度不明)
2)過敏症
皮疹(頻度不明)
3)その他
術中運動不安、術中興奮、筋緊張、唾液・気道分泌増加(0.1~5%未満)
4)精神神経系
悪心、嘔吐、頭痛、眩暈、流涙、震え、痙攣、興奮、複視、尿閉、倦怠感、不快感(0.1~5%未満)
顔面潮紅、痺れ感(頻度不明)
過敏症の皮疹等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)ショック又は大出血による循環不全、重症心不全の患者
2)急性間欠性ポルフィリン症の患者
3)アジソン病の患者
4)重症気管支喘息の患者
5)バルビツール酸系薬物に対する過敏症の患者
6)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■チオペンタールナトリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ラボナール注射用0.3g/0.5gはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ラボナール注射用0.3g/0.5gの有効成分
チオペンタールナトリウム
▼代表薬の添加物
・乾燥炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、pH調節剤(水酸化ナトリウム)
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴等のある患者
①重症糖尿病の患者
②重症高血圧症、低血圧症、重症貧血、低蛋白血症の患者
③心筋障害、動脈硬化症の患者
④脳圧上昇時
⑤重症筋無力症、筋ジストロフィー、呼吸困難及び気道閉塞を呈する疾患の患者
⑥電解質アンバランス時(特にカリウム中毒)
⑦薬物過敏症の患者(使用できない方の患者を除く)
2)重症腎障害のある患者
3)重症肝障害のある患者
4)妊婦
5)授乳婦
6)小児等
7)高齢者
上記にあてはまる方は、チオペンタールナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 チオペンタールナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)中枢神経抑制剤
2)血圧降下剤
3)モノアミン酸化酵素阻害剤
4)中枢性筋弛緩剤(クロルフェネシンカルバミン酸エステル等)
5)スルホニル尿素系血糖降下剤
6)抗パーキンソン剤(レボドパ等)
7)三環系抗うつ剤
8)ジスルフィラム
9)クマリン系抗凝血剤(ワルファリンカリウム等)
上記を使用している方は、チオペンタールナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 チオペンタールナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
チオペンタールナトリウムに関する よくある質問 |
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