レンボレキサント

成分名

レンボレキサント

適応症状

不眠症など

簡易説明

「レンボレキサント」は、オレキシン受容体拮抗薬に分類される成人の入眠困難および睡眠維持困難を特徴とする不眠症の治療で用いる薬です。
日本では、エーザイがデエビゴ錠の商品名で2020年に発売を開始した新しい不眠症治療薬です。
経口投与して1時間から3時間で濃度がピークに達しますが、高脂肪・高カロリーの食事をとった場合は、ピークレベルに達する時間が2時間ほど遅れるといった報告があります。
依存性が極めて少なく、自然な眠気を強くすることや、中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害に有効で、入眠障害にも効果が期待できます。

処方可能な診療科目

内科/心療内科/精神神経科/精神科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:2.5mg55.4円円/5mg87.9円/10mg131.7円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2020年6月発売開始【Dayvigo2.5mg・Dayvigo5mg・Dayvigo10mg】
2020年7月発売開始【デエビゴ錠2.5mg・デエビゴ錠5mg・デエビゴ錠5mg】

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

デエビゴ錠2.5mg 【製薬メーカー:エーザイ】
デエビゴ錠5mg 【製薬メーカー:エーザイ】
デエビゴ錠10mg 【製薬メーカー:エーザイ】
Dayvigo2.5mg【製薬メーカー:エーザイ】
Dayvigo5mg【製薬メーカー:エーザイ】
Dayvigo10mg【製薬メーカー:エーザイ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

「レンボレキサント」は脳の覚醒を促すオレキシンの受容体を阻害することで、脳を睡眠の状態にさせるオレキシン受容体拮抗薬に分類される不眠症治療の薬です。
成人を対象とした不眠症治療について、2019年12月にアメリカ合衆国で承認されて、2020年1月に日本でも承認されました。
中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの治療に用いられることが多く、本来もっている眠気を強めることから、依存性(リバウンドや半跳性不眠)が極めて少ないという特徴があります。
ただ、強引な入眠作用がないことから、入眠障害に対しては、やや効果が不十分となる可能性があります。
しかし、臨床試験では海外で発売されているゾルピデムER6.25mgとの比較試験が行われて、1か月後に「レンボレキサント」が優位に改善しているという報告があり、入眠障害に対しても比較的よい臨床結果報告がありました。
また、今まではオレキシン受容体拮抗薬の高齢者に対する投与は用量を減量する必要がありましたが、高齢者でも同用量の投与ができる点がメリットです。
連用による依存症や、薬を減らした際に離脱症状を生じる場合があるため、睡眠薬として使用する場合は、長期使用を避けて用量順守と類似薬の重複の確認して、早期に使用を取りやめることが推奨されています。

使用方法

通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に服用してください。
なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないようにしてください。

※必ず就寝直前に服用してください。就寝した後、途中で一時的に起きて仕事などで活動する可能性があるときの服用はしないでください。
※効果の発現が遅くなる可能性があるため、食事と同時または食事のすぐ後に服用しないでください。
※服用を忘れた場合は翌朝起きるまで十分な時間があれば1回分服用してもかまいません。絶対に2回分を一度に服用しないでください。
※この薬の影響が次の朝以後におよび、眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こる場合があるので、自動車の運転などの危険を伴う機械の操作は避けるようにしてください。
※アルコール(飲酒)は薬の作用を増強するので、控えてください。
※誤って多く服用してしまった場合は医師または薬剤師に相談してください。
※医師の指示なしに、自己判断で服用を止めないでください。

副作用

主な副作用
傾眠/頭痛/倦怠感/浮動性めまい/睡眠時麻痺/注意力障害/異常な夢

重大な副作用
▼依存性・離脱症状
いらいら感/反跳性不眠など
▼精神症状・意識障害
せん妄/錯乱幻覚/興奮/意識レベルの低下など
▼一過性前向性健忘・朦朧状態
服薬後入眠までの出来事を覚えていない/途中覚醒時の出来事を覚えていない など

重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従うようにしてください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・小児の方
・妊娠中、授乳中の方
・重度の肝機能障害のある方など

■レンボレキサントを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(デエビゴ錠2.5mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼デエビゴ錠2.5mgの添加物
・ 酸化チタン
・ 三二酸化鉄
・ステアリン酸マグネシウム
・タルク
・低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
・乳糖水和物
・ヒドロキシプロピルセルロース
・ヒプロメロース
・マクロゴール6000

使用に注意が必要な方
・ナルコレプシー又はカタプレキシーのある方
・軽度及び中等度の肝機能障害のある方
・重度の腎機能障害のある方
・脳に器質的障害のある方
・中等度及び重度の呼吸機能障害を有する方
・高齢者の方など

上記にあてはまる方は、レンボレキサントを使用する事が出来ない可能性があります。
レンボレキサントを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
イトラコナゾール/クラリスロマイシン/エリスロマイシン/フルコナゾール/ベラパミル/リファンピシン/フェニトイン/フェノチアジン誘導体/バルビツール酸誘導体/中枢神経抑制剤 など

上記を使用している方は、レンボレキサントを使用する事が出来ない可能性があります。
レンボレキサントを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
中途覚醒したしたときに追加服用は可能ですか?

レンボレキサントの服用方法は「通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に服用してください。
なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないようにしてください。」と設定されています。
そのため服用後に中途覚醒した場合、追加服用することはお勧めできません。
一般的に睡眠薬は常用量を就寝前に服用することとされているため、夜間の追加服用によってオーバードーズ・効果増強につながるリスクがある他、起床後に効果が持続する(持ち越し効果となる)可能性があります。

他の睡眠薬との併用は可能ですか?

現在では他の不眠症治療薬と併用した場合の有効性及び安全性は確立されていません。
中枢神経抑制剤は「併用注意」に設定されており、他の不眠症治療薬は中枢神経抑制剤に該当します。
本剤及び中枢神経抑制剤は中枢神経系に対する抑制作用を有しているので、作用を増強させるおそれがあります。
他の睡眠薬との併用を希望の場合は必ず医師の方に相談をするようにしてください。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。