成分名 |
トリアゾラム |
適応症状 |
・不眠症
・麻酔前投薬 |
簡易説明 |
トリアゾラムはベンゾジアゼピン(BZD)受容体を刺激し、隣り合っているGABAの作用を高めることで間接的に睡眠導入、鎮静作用をあらわします。脳の活動自体も抑えるので、不安を抑えたり、けいれんを抑えたりする作用なども持ち、睡眠障害以外に、けいれん発作の予防目的や麻酔前投与薬などとして使用されることもあります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/精神科/心療内科/麻酔科/外科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~2000円
薬代1錠あたりの目安:0.125mg 7.1円
薬代後発薬1錠の目安:0.125mg 5.7円
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はハルシオン0.125㎎錠の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1983年4月(ハルシオン0.25㎎)/1990年7月(ハルシオン0.125㎎) |
国内のジェネリック認可 |
国内ジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
ハルシオン0.125/0.25㎎錠【製薬メーカー:ファイザー】 |
関連製品(ジェネリック) |
トリアゾラム0.125/0.25㎎錠「JG」「TCK」「EMEC」「日医工」「テバ」「CH」「KN」「日新」「FY」 |
効果・作用 |
不眠症は睡眠状態に何かしらの問題がある状態で大きくは、寝つきの状態が悪い、寝ている途中で目が覚めてしまう、の2つのパターンがあります。多くの睡眠導入剤は脳の活発な活動を抑えることで、眠気を導き睡眠障害を改善する作用を持ちます。
脳内にはGABAとよばれる「抑制性」の神経伝達物質が存在します。GABAは「抑制性」なので、GABAの伝達が活性化すると寝つきが導かれたり、鎮静したりします。GABAはGABA受容体と呼ばれる部位に結合することで「抑制性」の効果を発揮しますがGABA受容体にはベンゾジアゼピン(BZD)受容体というもう一つの受容体と隣合わせの状態となっています。神経伝達物質によりベンゾジアゼピン(BZD)受容体が刺激されると、隣り合っているGABAに関わる効果も同時に活性化し、脳の活動が抑制され結果として眠気などがあらわれることになります。
トリアゾラムはベンゾジアゼピン(BZD)受容体を刺激し、隣り合っているGABAの作用を高めることで間接的に睡眠導入、鎮静作用をあらわします。脳の活動自体も抑えるので、不安を抑えたり、けいれんを抑えたりする作用なども持ち、睡眠障害以外に、けいれん発作の予防目的や麻酔前投与薬などとして使用されることもあります。 |
使用方法 |
■不眠症に使用する場合
15歳以上の成人には、トリアゾラムとして1回0.25ミリグラムを寝る直前に服用してください。不眠症がひどい場合には、0.5ミリグラムを服用することもできます。また、年齢や症状などを加味して適宜増量や減量が可能ですが、高齢者には1回0.125ミリグラム〜0.25ミリグラムまでの上限があります。
■麻酔前投薬に使用する場合
手術前夜:15歳以上の成人には、トリアゾラムとして1回0.25ミリグラムを寝る直前に服用してください。また、年齢や症状などを加味して必要に応じて0.5ミリグラムを投与することができます。
<服用上の注意点>
・トリアゾラムの効き目には個人差があります。また、めまい、ふらつき、ねむけ、および物忘れなどの副作用は服用量が増えるにつれてあらわれるので、トリアゾラムを服用する場合には必ず少量(1回0.125ミリグラム以下)から服用を開始してください。増量していく場合は、副作用が起きないよう十分に観察を行いながら慎重に行ってください。ただし、0.5ミリグラムの服用量を超えてはならず、症状の改善に伴って徐々に減量していってください。
・不眠症に使用する場合、寝る直前に服用していってください。また、トリアゾラムを服用して寝た後、起きて活動を開始するまでに十分な睡眠時間を確保できなかった場合、または寝ている途中に一時的に起きて作業等を行った場合などにおいて、物忘れがあらわれたとの報告があります。トリアゾラムの効果が消える前に活動を開始するおそれがあるときは服用しないでください。 |
副作用 |
重大な副作用
・離脱症状、薬物依存
トリアゾラムの連用により薬物依存を生じる可能性があります。
・精神神経系症状
錯乱、興奮、攻撃、妄想、幻覚などの精神症状があらわれる可能性があります。
・呼吸抑制
呼吸機能が低下する可能性があります。
・一時的な物忘れ、もうろう状態、夢遊症状
・肝機能の障害、肝炎、黄疸
・アナフィラキシー、ショック
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・トリアゾラムに対して過敏症の経験のある方
・急性閉塞隅角緑内障を治療中の方
※副作用により眼圧が上昇し、急性閉塞隅角緑内障を悪化させる可能性があります。
・重症筋無力症を治療中の方
※筋肉が緩む作用により、重症筋無力症を悪化させる可能性があります。
使用に注意が必要な方 ・肺気腫、気管支喘息、脳血管障害の急性期、肺性心などで呼吸の機能が重度に低下している方
※呼吸の抑制により炭酸ガスナルコーシスという症状を起こしやすいので併用しないこととされています。やむを得ずトリアゾラムの服用が必要な場合、少量から服用を開始し、呼吸の状態を良く観察しながら服用量を慎重に調整してください。
・心臓に障害のある方
・肝臓に障害、またはその経験のある方
※肝臓の障害が悪化または再発してしまう可能性があります。また、トリアゾラムは肝臓で分解されるため、トリアゾラムの体外への排出が遅延する可能性があります。
・腎臓に障害のある方
・脳に障害のある方
※トリアゾラムの作用が強くあらわれる可能性があります。
・衰弱している方
※トリアゾラムの副作用があらわれやすい状態です。
・高齢者
※運動失調などの副作用が発現しやすいため、少量から服用してください。
・妊娠している方
※妊娠3ヵ月以内、または妊娠している可能性のある方には、治療上の有メリットがデメリットを上回ると判断される場合に限って服用してください。
※妊娠中にトリアゾラムと同類の薬を服用した方の中で、奇形を持つ障害児を出産した例が有意に多いとのデータがあります。
※妊娠後期の方には治療上のメリットがデメリットを上回ると判断される場合に限って服用してください。
※トリアゾラムと同類の薬で、新生児に哺乳困難、頻脈、活動低下、低体温筋、、嗜眠、傾眠、易刺激性、呼吸抑制・無呼吸、、過緊張、神経過敏、振戦、緊張低下、嘔吐、チアノーゼ等を起こすというデータがあります。また、分娩前にトリアゾラムを連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれるというデータがあります。
・授乳している方
※授乳している方の服用は避けることが望ましいとされています。やむを得ず服用する場合には授乳を避ける必要があります。母乳中へトリアゾラムが移行し、新生児に体重減少などを引き起こすことがトリアゾラムと同類の薬で報告されていて、さらに黄疸を増強する可能性もあります。
・小児など
※小児などに対する安全性は確立していません(使用経験が少なくデータが乏しい)。
上記にあてはまる方は、トリアゾラムを使用する事が出来ない可能性があります。 トリアゾラムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 (日用品も含む)
・アルコール/中枢神経抑制薬/
※精神系の副作用があらわれる可能性があります。
・エリスロマイシン/クラリスロマイシン/ジョサマイシン/シメチジン/ジルチアゼム/イマチニブメシル酸塩/キヌプリスチン/ダルホプリスチン/グレープフルーツジュース
※トリアゾラムの効果が強くあらわれすぎる可能性があります。
・強いCYP3A誘導剤(フェノバルビタール/カルバマゼピン/リファンピシン)
※トリアゾラムの効果が弱くあらわれすぎる可能性があります。
上記を使用している方は、トリアゾラムを使用する事が出来ない可能性があります。 トリアゾラムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・ロピナビル・リトナビル(カレトラ)/ダルナビル(プリジスタ)/ホスアンプレナビルカルシウム水和物(レクシヴァ)/リトナビル(ノービア)/アタザナビル硫酸塩(レイアタッツ)/ニルマトレルビル・リトナビル(パキロビッド)/ミコナゾール(フロリード)/イトラコナゾール(イトリゾール)/フルコナゾール(ジフルカン)/ホスフルコナゾール(プロジフ)/ポサコナゾール(ノクサフィル)/コビシスタット含有製剤(ゲンボイヤ、スタリビルド、シムツーザ、プレジコビックス)/エファビレンツ(ストックリン)ボリコナゾール(ブイフェンド)/
※トリアゾラムの血液中の濃度が上昇し、効き目の増強および作用発現時間の延長が起こる可能性があります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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