クアゼパム

成分名

クアゼパム

適応症状

不眠症/麻酔前投薬 など

簡易説明

「クアゼパム」は縮合したベンゼン環とジアゼピン環が中心となる化学構造をもつ向精神薬で、長時間作用型の睡眠薬になります。
日本では「ドラール」という商品名で田辺三菱製薬から販売されており、無臭・無味で水に溶けにくいですが、ジエチルエーテルやメタノールにやや溶けやすい特徴を持っています。
「クアゼパム」は連用により依存症になる恐れや、急激な量の減少により離脱症状を生じることがあり、向精神薬に関する条約のスケジュールⅣに指定され、また麻薬及び向精神薬取締法の第3種向精神薬に指定されています。

処方可能な診療科目

内科/心療内科/精神神経科/精神科/麻酔科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
ドラール錠15 62.3円/錠(薬価)
ドラール錠20 76.3円/錠(薬価)
*病院によって差が有り。初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1999年11月認可

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

ドラール錠

関連製品(ジェネリック)

クアゼパム錠15mg「MNP」【製薬メーカー:日新製薬】/クアゼパム錠20mg「MNP」【製薬メーカー:日新製薬】

効果・作用

「クアゼパム」は睡眠導入剤や麻酔前投薬として使用される薬で、不安や緊張をほぐして睡眠を促す効果があり、短期的な不眠症の治療に用いられ、日本では「ドラール」という商品名で田辺三菱製薬より発売されています。
入眠や催眠作用については、縮合したベンゼン環とジアゼピン環が中心となる化学構造をもつベンゾジアゼピン系の長時間作用の睡眠薬のひとつで、脳にあるGABAA受容体に親和性を示すことで、脳の神経をしずめる作用があり、気分をリラックスさせて自然に近い眠りに誘います。
厚生労働省は2017年3月に「クアゼパム」の重大な副作用の項目に、「連用により依存症を生じることがあるので用量と使用期間に注意して慎重に投与し、急激な量の減少によって離脱症状が生じるため徐々に減量する。」旨を追加して、周知徹底のため関係機関に通達しています。
また、薬物療法で本来予想されるはずの作用の逆の反応が生じることがあり、錯乱や興奮が生じる旨が記載されています。
「クアゼパム」は連用による依存症や、薬を減らした際に離脱症状を生じることがあるため、睡眠薬として使用する場合は、長期使用を避けて用量順守と類似薬の重複の確認して、早期に使用を取りやめることが推奨されています。

使用方法

・不眠症:成人にはクアゼパムとして1回20mgを就寝前に経口投与します。なお、年齢、症状、疾患により適宜増減しますが、1日最高量は30mgとします。
・麻酔前投薬:手術前夜は成人にはクアゼパムとして1回15~30mgを就寝前に経口投与します。なお、年齢、症状、疾患により適宜増減しますが、1日最高量は30mgとします。

副作用

副作用発現状況の概要について、臨床試験の安全性評価対象症例495例中52例(10.5%)の副作用が報告されています。
また、製造販売後調査の安全性評価対象症例3,925例中140例(3.6%)の副作用が報告されています。

重大な副作用
・依存性(頻度不明)
・刺激興奮、錯乱(頻度不明)
・呼吸抑制、炭酸ガスナルコーシス(頻度不明)
・一過性前向性健忘、もうろう状態(頻度不明)

【その他の副作用】
・眠気・傾眠、めまい、ふらつき、頭痛、頭重感、ぼんやり感
・抑うつ、神経過敏、健忘、不眠、昏迷、心悸亢進、尿失禁、歩行異常
・リビドー減退、感情鈍麻、魔夢、多幸感、不安、運動過多、知覚異常、味覚倒錯、口内乾燥
・肝機能障害(AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH等の上昇)
・黄疸
・悪心
・口渇、食欲不振、嘔気・嘔吐、消化不良、下痢、便秘、胃痛、腹痛
・口臭
・発疹
・倦怠感
・膝脱力等の筋緊張低下症状
・眼痛
・眼の異常、視力異常
・耳鳴
・そう痒
・無力
・眼瞼浮腫、発汗
・疲労、悪寒、排尿困難、尿閉、ほてり、潮紅

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・高齢者には副作用が発現しやすいので少量から投与を開始するなど慎重に投与してください。
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与してください。
・肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している場合は投与しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に投与してください。

使用に注意が必要な方
・乳児、幼児、小児に対する安全性は確立していません。
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
・急性閉塞隅角緑内障のある患者には投与しないでください。
・重症筋無力症のある患者には投与しないでください。
・睡眠時無呼吸症候群の患者には投与しないでください。
・リトナビル(HIVプロテアーゼ阻害剤)を投与中の患者には投与しないでください。

上記にあてはまる方は、クアゼパムを使用する事が出来ない可能性があります。
クアゼパムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
・リトナビル(HIVプロテアーゼ阻害剤)

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
「クアゼパム」について注意することはありますか?

連用により依存症になることや、アルコールとの併用では注意が必要です。

「クアゼパム」は子供にも使えますか?

使えません。乳児や幼児又は小児に対する安全性は確立されていません。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。