フルラゼパム

成分名

フルラゼパム塩酸塩

適応症状

不眠症/麻酔前投薬 など

簡易説明

フルラゼパム塩酸塩は、不眠症治療薬の一つであり、脳が興奮している状態を鎮静し、寝つきを良く安定させる働きがあります。主に麻酔前投薬や不眠症の治療に用いられます。縮合したベンゼン環とジアゼピン環が中心となる化学構造を持っており、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の一つです。連用により依存症になる恐れや、急激な量の減少により離脱症状を生じることがあり、向精神薬に関する条約のスケジュールⅣに指定され、また麻薬及び向精神薬取締法の第3種向精神薬に指定されています。

処方可能な診療科目

内科/心療内科/精神神経科/精神科/麻酔科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:ダルメートカプセル15 8.8円/カプセル(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2002年2月【ダルメートカプセル15】

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ダルメートカプセル15【製薬メーカー:共和薬品工業】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

・アメリカ
1970年にFDAにてフルラゼパム塩酸塩として承認されました。
Mylan IRE Healthcare LtdがDALMANE CAPSULEという商品名で取り扱っていました。2019年1月に製造を中止した際は、米国で一時的に入手できなくなっていましたが、現在は再び購入が可能になっています。

効果・作用

フルラゼパムは睡眠導入剤として使用され、縮合したベンゼン環とジアゼピン環が中心となる化学構造をもつ向精神薬となっており、長時間作用型の不眠症や睡眠が必要な状態に用いる薬です。
厚生労働省は2017年3月にフルラゼパムの重大な副作用の項目に、「連用により依存症を生じることがあるので用量と使用期間に注意して慎重に投与し、急激な量の減少によって離脱症状が生じるため徐々に減量する。」旨を追加して、周知徹底のため関係機関に通達しています。
フルラゼパムは連用による依存症や、薬を減らした際に離脱症状を生じることがあるため、睡眠薬として使用する場合は、長期使用せずに生活を改善しながらできるだけ早期に使用を取りやめることが推奨されています。

◆ベンゾジアゼピン系の詳しい作用
抑制性のGABAニューロンのシナプス後膜に存在するベンゾジアゼピン受容体に作用することで、主にGABAの神経伝達が亢進され睡眠作用や鎮静の効果を現します。
睡眠薬は一般的にぞれぞれの症状に適した作用持続時間によって選択されますが、フルラゼパム塩酸塩は長時間型で分類されます。
ベンゾジアゼピン系が出る以前に開発されたバルビツール酸系睡眠薬などと比較すると、安全性や有用性が高いとされており、幅広く不眠症などに現在は良く使用されています。

使用方法

成人は1回、1~2カプセルを就寝前または手術前に経口投与します。ただし、フルラゼパム塩酸塩として、10~30mgとします。なお、年齢、症状により適宜増減します。
※不眠症に対して使用する場合は、就寝の直前に服用して下さい。服用して就寝した後、睡眠途中で一時的に起床し仕事等をする可能性が高い場合は使用を避けて下さい。

副作用

主な副作用
・昼間の眠気
・ふらつき
・倦怠感
・頭重
・口渇

重大な副作用
・依存性(頻度不明)
・呼吸抑制、炭酸ガスナルコーシス(頻度不明)
・一過性前向性健忘、もうろう状態(頻度不明)

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
・肝障害
・眩暈、頭痛、不安感、焦躁感
・悪心、下痢、腹痛、食欲不振、口の苦み、嘔吐、唾液分泌過多
・発疹
・発汗

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ベンゾジアゼピン系薬剤に過敏症の既往歴がある方
■急性閉塞隅角緑内障の患者の方
抗コリン作用によって眼圧が上昇、症状が悪化する恐れがあります。
■重症筋無力症の患者の方
重症筋無力症の症状を悪化させる恐れがあります。
■リトナビルを服用中の方
■フルラゼパム塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ダルメートは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ダルメートの有効成分
フルラゼパム塩酸塩
▼代表薬の添加物
・D-マンニトール
・ステアリン酸マグネシウム
・酸化チタン
・青色1号
・赤色3号
・ゼラチン
・ラウリル硫酸ナトリウム

使用に注意が必要な方
■肺性心、肺気腫、気管支喘息、脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している方
炭酸ガスナルコーシスを起こしやすくなる恐れがあります。
■高齢者、衰弱患者、心障害のある患者、肝障害又は腎障害のある患者、脳に器質的障害のある患者、小児等

上記にあてはまる方は、フルラゼパム塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
フルラゼパム塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・アルコール(飲酒)
・中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体)
・鎮痛薬等(麻酔薬など)
・モノアミン酸化酵素阻害剤
・シメチジン

上記を使用している方は、フルラゼパム塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
フルラゼパム塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
・リトナビル(ノービア)

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
過量摂取が明白である、疑われた場合はどのような処置を取りますか?

ベンゾジアゼピン系であるフルラゼパム塩酸塩にはフルマゼニルという解毒剤があります。重篤な状態から回復させる効果が持っていますが、長時間ベンゾジアゼピン系薬剤を使用している場合、けいれん発作などの離脱症状を起こす危険性もあります。使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず確認して下さい。

薬を服用する上で、気をつける点は何ですか?

翌日まで薬の影響が残ってしまい、ふらつきや転倒のリスクがあります。車の運転や高所での作業など危険な状況になることは極力避けて下さい。
また特に高齢者の方は転倒時の危険性も高いため十分注意しましょう。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。