リルマザホン塩酸塩水和物

成分名

リルマザホン塩酸塩水和物

適応症状

不眠症/麻酔前投薬 など

簡易説明

「リルマザホン塩酸塩水和物」は、縮合したジアゼピン環とベンゼン環が中心となった化学構造の向精神薬で、投与すると生体による代謝作用が起こり活性代謝物へと変化することで薬効を示す、短時間~中間型作用型の睡眠が必要な状態や不眠症で使用されているお薬です。
日本では、リスミーの商品名で共和薬品工業が製造・販売しています。
「リルマザホン塩酸塩水和物」は連用により依存症になる恐れや、急に薬の量を減らすことで離脱症状が生じることがあり、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律における習慣性医薬品に指定されています。

処方可能な診療科目

内科/心療内科/精神神経科/精神科/麻酔科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1本あたりの目安:1mg13.1円/2mg21.2円(薬価)
薬代後発薬1錠の目安:1mg7.7円/2mg12.3円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1989年6月発売開始【リスミー錠1mg・リスミー錠2mg】

国内のジェネリック認可

国内のジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

リスミー錠1mg【製薬メーカー:共和薬品工業】
リスミー錠2mg【製薬メーカー:共和薬品工業】

リスミー錠添付文書

【上記引用元:共和薬品工業株式会社】

関連製品(ジェネリック)

リルマザホン塩酸塩錠1mg「MEEK」小林化工/塩酸リルマザホン錠1「MEEK」1mg小林化工/リルマザホン塩酸塩錠2mg「MEEK」小林化工/塩酸リルマザホン錠2「MEEK」2mg小林化工/
リルマザホン塩酸塩錠1mg「MEEK」Meiji Seika ファルマ株式会社/リルマザホン塩酸塩錠2mg「MEEK」Meiji Seika ファルマ株式会社

効果・作用

睡眠導入剤や麻酔前投薬などに使用される「リルマザホン塩酸塩水和物」は、縮合したジアゼピン環とベンゼン環が中心の化学構造を持つ向精神薬となっており、短時間~中間型作用型の睡眠が必要な状態や不眠症で用いる薬です。
服用後平均3時間程度で最高血中濃度になり、その後約7~8時間半程効果が持続します。
睡眠薬としては短時間~中間型作用型であることから、入眠しやすくするだけではなく、中途覚醒などの夜中に目が覚める症状でも処方されます。
不眠症の治療には「リルマザホン塩酸塩水和物」を就寝前に服用しますが、服用して入眠した後、一時的に起床して仕事等を行う可能性がある場合は服用しないように注意が必要となります。
また、服用後の影響が翌朝以後にも及ぶ為、反射運動能力・注意力・集中力等の低下が起こる可能性があり、危険を伴う機械の操作や自動車の運転などは行わないようにしてください。
「リルマザホン塩酸塩水和物」の重大な副作用の項目について、2017年3月に厚生労働省は「連用により依存症を生じることがあるので用量と使用期間に注意して慎重に投与し、急激な量の減少によって離脱症状が生じるため徐々に減量する。」旨を追加しました。そして、関係機関に通達を行い、周知徹底を進めています。
その他、薬物療法で本来予想される作用と逆の反応を示すことがある為、興奮や錯乱といったものが生じるとの記載があります。
医薬品医療機器総合機構の調査結果には、日本の学術雑誌8誌と診療ガイドライン5つによる要旨が記載されています。
連用服用による依存症を生じることや、薬を減らした際に離脱症状を生じることがあり、睡眠薬として使用する際は、長期使用を避けることや用量順守と類似薬の重複の確認して、早期に使用を取りやめることが推奨されています。

不眠の薬と分類

【上記引用元:北九州総合病院薬剤科】

使用方法

【不眠症に使用する場合】
通常、成人は1回1~2錠(主成分として1~2mg)を就寝前に服用してください。

【麻酔前に使用する場合】
通常、成人は1回2錠(主成分として2mg)を就寝前または手術前に服用ください。

※いずれの場合も、治療を受ける疾患や年齢・症状により適宜増減されますが、高齢者では1回2錠(2mg)までとされています。必ず指示された服用方法に従ってください。
※不眠症に使用する場合、就寝の直前に服用してください。就寝後一時的に起きて仕事などをする可能性がある場合の服用は避けてください。
※服用を忘れた場合は、不眠症に使用する場合、次の飲む時間(次の日の就寝前)に1回分を服用してください。ただし、起床予定時間までに7時間以上あれば、気がついたときにすぐに服用してもかまいません。絶対に2回分を一度に服用しないでください。
※誤って多く服用してしまった場合は医師または薬剤師に相談してください。
※自己判断での減薬や断薬はしないようにしてください。中止するときは、医師の指示のもと徐々に減量するようにしましょう。

睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン

【上記引用元:厚生労働科学研究班・日本睡眠学会ワーキンググループ】

副作用

主な副作用
眠気/倦怠感/脱力感/頭痛/ふらつき/眩暈/口腔内乾燥/長期連用で薬の効き目が悪くなる/頭がぼんやりする/呂律が回らない/食欲不振/下痢/便秘/ALT(GPT)上昇/AST(GOT)上昇/動悸/不整脈など

重大な副作用
▼呼吸抑制
呼吸抑制があらわれることがある。また、呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合、炭酸ガスナルコーシスを起こすことがあるので、このような場合には気道を確保し、換気を図るなど適切な処置を行うようにしてください。

▼依存性
連用により薬物依存(0.1%未満)を生じる場合があるため、観察を十分に行い用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。
また、連用中における投与量の急激な減少及び投与の中止により、痙攣発作(0.1%未満)、譫妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状(0.1~5%未満)があらわれる場合あるので、投与を中止する際には徐々に減量するなど慎重に行うこと。

▼刺激興奮、錯乱
刺激興奮、錯乱等があらわれることがある。

▼一過性前向性健忘、もうろう状態
一過性前向性健忘、また、もうろう状態があらわれることがあるため、本剤を投与する場合には少量から開始するなど、慎重に行うこと。
また、十分に覚醒しないまま車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告がある。異常が認められた場合には投与を中止すること。

重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従うようにしてください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・妊娠中、授乳中の方
・新生児の方
・急性閉塞隅角緑内障の方
・重症筋無力症の方
・気管支喘息の方
・呼吸機能が高度に低下している方
・脳血管障害の急性期の方
・肺気腫の方
・肺性心の方など

■リルマザホン塩酸塩水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(リスミー錠1mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼リスミー錠1mgの添加物
・D-マンニトール
・トウモロコシデンプン
・結晶セルロース
・含水二酸化ケイ素
・ステアリン酸マグネシウム

使用に注意が必要な方
・高齢者の方
・心障害のある方
・肝障害のある方
・腎障害のある方
・腎不全の方
・脳器質的障害の方など

上記にあてはまる方は、リルマザホン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
リルマザホン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・フェノチアジン系薬剤
・バルビツール酸誘導体
・モノアミン酸化酵素阻害剤など
【併用注意食品】
アルコールなど

上記を使用している方は、リルマザホン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
リルマザホン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬の報告はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
就寝前に服用とは何分前ぐらいに服用すればいいですか?

就寝約30分前に服用して頂くことを推奨しています。
服用の際はコップ1杯程度の水またはぬるま湯で服用をしてください。

高齢者が現在1mgを服用しています。効果が弱い場合は増量することは可能ですか?

基本的に成人の場合は、2mgまで服用することが可能です。
しかし高齢者の場合は増量する前に必ず医師や薬剤師の支持を受けてから増量をするようにしてください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。