デフィブロチドナトリウム

成分名

デフィブロチドナトリウム

適応症状

肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)

簡易説明

デフィブロチドナトリウムは「希少疾病用医薬品」の指定を受けた、肝類洞閉塞症候群治療剤になります。
その作用機序は明確にはされておりませんが、凝固・線溶系の各種因子に影響を及ぼす事によって血管内皮細胞保護作用を有すると考えられています。
欧米では唯一のSOS治療剤としてガイドライン等で推奨されており、第一選択薬として使用されています。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/消化器内科外科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

■病院で処方してもらう時の費用目安
診察料などの目安  :約10,000円~
薬代1瓶あたりの目安:200mg約54,100円/(薬価)
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

デフィブロチドナトリウムを主成分とする医薬品であるデファイテリオ静注200mgは2019年6月18日に製造販売が承認、承認後3ヶ月を経て2019年9月4日に薬価基準に収載され、同日2019年9月4日より販売が開始されました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

デファイテリオ静注200mg【製薬メーカー:日本新薬株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

米国ではJazz Pharmaceuticals(会社名)がDEFITELIO(販売名)を2016年に承認されました。
欧州ではJazz Pharmaceuticals(会社名)がDEFITELIO(販売名)を2013年に承認されました。

効果・作用

デフィブロチドナトリウムを主成分とする医薬品であるデファイテリオ静注200mgは肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)にたいして効果のある医薬品です。

その作用機序は明確ではありません。本剤は、血管内皮細胞を用いたin vitro試験の結果より、組織因子の発現抑制、プラスミン活性の増強作用及び組織因子を介した凝固活性の抑制作用、フォン・ヴィルブランド因子の抑制作用、組織因子経路インヒビターの遊離促進作用、トロンボモジュリンの発現促進作用を有することから、凝固・線溶系の各種因子に影響する事により、血管内皮細胞の保護に寄与すると推察されています。

肝類洞閉塞症候群の病態は、肝臓内の微細な静脈がふさがることによって起きる疾患です。この閉塞は大きな肝静脈や下大静脈には影響しません。静脈がふさがることにより、肝臓から出る血流が遮断され、血液は肝臓内にたまります。こうして血液がたまることにより肝臓に流入する血液の量が減少します。供給される血液が不足する事により肝臓の細胞に損傷が生じます。最終的には多臓器不全から脂肪に至る場合もあります。
デファイテリオ静注200mgの主成分であるデフィブロチドナトリウムは、肝類洞内皮細胞の障害や血栓形成を抑制する事で、肝類洞の線維化や狭小化を伴うSOSの悪化に対する抑制効果を示すと考えられています。

使用方法

効能又は効果に関する注意事項として、デフィブロチドナトリウムを主成分とするデファイテリオ静注200mgを用いる場合には、重症又は重症化する恐れのある肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)の治療に用いる事とされています。
用法及び用量としては、通常、デファイテリオ静注200mgの主成分であるデフィブロチドナトリウムを用いて治療を行う場合、体重あたり1回6.25mgを1日4回原則6時間毎に投与を行います。また投与時には2時間かけて一定の速度で静脈内投与を行います。
更に、デファイテリオ静注200mgの主成分であるデフィブロチドナトリウムの投与は、投与開始より3週間以上を目安として、肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)の症状及び徴候が回復するまで継続します。
重要な基本的注意事項として、デファイテリオ静注200mgを用いて治療を開始する場合、投与前24時間以内は血栓溶解剤を投与しない事、また同様に12時間以内はヘパリン製剤を投与しないことが望ましいとされています。そして、デファイテリオ静注200mgの主成分であるデフィブロチドナトリウムを投与した後も同様に、投与終了後から24時間以内はヘパリン製剤及び血栓溶解剤を投与しないことが望ましいとされています。

副作用

重大な副作用
1)ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
初期症状として、嘔吐、蕁麻疹、虚脱、血圧低下、意識消失等があります。
2)出血
重篤な出血(脳出血(1.7%)、頭蓋内出血(頻度不明)、くも膜下出血(0.8%)、肺出血(5.8%)、肺胞出血(5.8%)、胃腸出血(4.1%)、血胸(1.7%)等)、及び血腫(硬膜下血腫(頻度不明)、脊髄血腫(0.8%)等)が現れる事があります。
3)低血圧(5.8%)

その他の副作用
循環器、血液凝固系、耳、眼、消化器、肝臓、代謝異常、筋骨格系、精神神経系、腎臓及び尿路系、呼吸器、皮膚、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)1%以上
凝血以上、結膜出血、悪心、嘔吐、下痢、頭痛、血尿、鼻出血(8.3%)、呼吸不全、血胸、発疹、掻痒症、処置後出血(5.0%)、カテーテル留置部位出血
2)1%未満
潮紅、INR増加、血便排泄、メレナ、嗜眠、硬膜下ヒグローマ、紫斑、全身性掻痒症、熱感、月経過多
3)頻度不明
心不全、心房粗動、頻脈、うっ血性心不全、心房細動、心嚢液貯留、洞性徐脈、心筋症、静脈閉塞性疾患、出血性梗塞、播種性血管内凝固(DIC)、プロトロンビン時間延長、APTT延長・短縮、霧視、口腔障害、耳閉、複視、鼓膜充血、腹部不快感、腹痛、出血性食道炎、便潜血陽性、口内乾燥、静脈閉塞性肝疾患、血中ビリルビン異常、肝不全、アシドーシス、四肢痛、筋攣縮、脳症、可逆性後白質脳症、痙攣、肝性脳症、浮動性眩暈、平衡障害、不安、協調運動異常、出血性膀胱炎、激越、急性腎障害、不眠症、呼吸窮迫、腎不全、喀血、咳嗽、鼻漏、鼻閉、呼吸音異常、低酸素症、剥脱性発疹、紅斑性皮疹、皮膚乾燥、水疱、斑状皮疹、末梢性浮腫、全身性浮腫、発熱、血小板減少症、多臓器不全、肺感染、挫傷、悪寒、疼痛、胸痛、粘膜の炎症、注射部位反応

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■デフィブロチドナトリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、デファイテリオ静注200mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼デファイテリオ静注200mgの有効成分
デフィブロチドナトリウム
▼代表薬の添加物
・クエン酸ナトリウム水和物、pH調整剤(塩酸、水酸化ナトリウム)
2)出血している患者(脳出血、肺出血、血胸、胃腸出血、吐血、重度の血尿等)
出血を助長する恐れがある為投与できません。
3)血栓溶解剤(ウロキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)製剤(アルテプラーゼ(遺伝子組換え)、モンテプラーゼ(遺伝子組換え)))を投与中の患者

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①出血素因、凝血異常のある患者
副作用が強く現れる恐れがある為使用には注意が必要です。
②血行動態が不安定な患者
複数の昇圧剤を使用している等の血行動態が不安定な患者への使用には注意が必要です。
2)重度の樹陰機能障害患者
血中濃度が上昇する恐れがある為使用には注意が必要です。
3)肝機能障害患者
本剤投与後に肝機能が悪化し、肝不全等の重篤な肝機能障害を起こした症例が報告されている為使用には注意が必要です。
4)生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は、適切な避妊を行輪なければなりません。
5)妊婦
6)授乳婦
7)小児等

上記にあてはまる方は、デフィブロチドナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
デフィブロチドナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)血液凝固阻止作用を有する薬剤:未分画ヘパリン製剤、低分子量ヘパリン製剤(エノキサパリンナトリウム等)、ワルファリンカリウム、直接トロンビン阻害剤(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等)、第Xa因子直接阻害剤(リバーロキサバン、アピキサバン等)
2)トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)、乾燥濃縮人活性化プロテインC、乾燥濃縮人アンチトロンビンⅢ
3)血小板凝集抑制作用を有する薬剤:抗血小板剤(アスピリン、チクロピジン塩酸塩、クロピドグレル硫酸塩等)、非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤(ジクロフェナクナトリウム等)
出血傾向が増大する恐れがある為使用には注意が必要です。

上記を使用している方は、デフィブロチドナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
デフィブロチドナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
1)血栓溶解剤:ウロキナーゼ、ウロナーゼ)
2)t-PA製剤:アルテプラーゼ(遺伝子組換え)(グルトパ、アクチバシン)、モンテプラーゼ(遺伝子組換え)(クリアクター)
出血の危険性が増大する恐れがある為使用できません。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

デフィブロチドナトリウムに関する
よくある質問
デフィブロチドナトリウムは投与後の時間持続はどの位になりますか?

デフィブロチドナトリウムの半減期は非常に短く0.47時間ですので、投与終了した1時間後には全て消失してしまいます。
インタビューホーム 【日本新薬株式会社】

デフィブロチドナトリウムはどの様に精製されたものですか?

ブタ腸粘膜から単離したDNAを、脱重合したポリデオキシリボヌクレオチドナトリウムです。
デファイテリオ静注200mgのよくあるご質問 【日本新薬 医療関係者向けサイト】

参考元一覧

インタビューホーム 【日本新薬株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】
デファイテリオ静注200mgのよくあるご質問 【日本新薬 医療関係者向けサイト】

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