成分名 |
レノグラスチム(遺伝子組換え) |
適応症状 |
・造血幹細胞の末梢血中への動員
・造血幹細胞移植時の好中球数の増加促進
・がん化学療法における好中球減少症
・骨髄異形成症候群によって起こった好中球減少症
・再生不良性貧血によって起こった好中球減少症
・先天性・特発性好中球減少症
・ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の治療に支障をきたす好中球減少症
・免疫抑制療法(腎移植)に伴う好中球減少症
・再発もしくは難治性の急性骨髄性白血病に対する抗悪性腫瘍剤との併用療法 |
簡易説明 |
レノグラスチム(遺伝子組換え)は、好中球が減少してしまう症状を改善する薬剤です。好中球が減少すると死亡のリスクが上昇してしまいます。本剤は、好中球以外への影響を少なく保ったまま、症状を改善することができ、かつ、室内で保存することができます。日本で開発された遺伝子組換え型ヒト G-CSF製剤で、現在は中外製薬が販売しています。 |
処方可能な診療科目 |
血液内科/外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
この薬は処方薬ではありません。
ノイトロジン注50μg【製薬メーカー:中外製薬】50μg1瓶2648円(薬価)
ノイトロジン注100μg【製薬メーカー:中外製薬】100μg1瓶4615円(薬価)
ノイトロジン注250μg【製薬メーカー:中外製薬】250μg1瓶11130円(薬価) |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1991年12月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ノイトロジン注50μg/ノイトロジン注100μg/ノイトロジン注250μg【製薬メーカー:中外製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
イギリスなどで発売されています。 |
効果・作用 |
レノグラスチム(遺伝子組換え)はG-CSF製剤で、骨髄中の顆粒球系の前の細胞に作用し、好中球数を増加させる働きを持っています。好中球数が減少すると、命にもかかわることがあります。本剤は、顆粒球・マクロファージコロニー形成細胞には影響を与えますが、赤血球系、巨核球系にはコロニー形成する能力はありません。室温で保存することができる点も本剤の特徴です。本剤は中外製薬が販売しています。
がん化学療法によって起こる好中球減少症に対して国内臨床試験を実施しています。悪性リンパ腫、肺癌、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病)、尿路上皮癌、頭頸部癌、乳癌患者等に対して本剤を使用した結果、がん化学療法施行後の好中球数減少の回復促進が認められました。
また、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群等の各種好中球減少症患者を対象としたいくつかの試験においても、好中球数は速やかに増加し、本剤投与期間中高いレベルで好中球数が維持されておりました。
腎移植後の免疫抑制療法施行例を対象に国内臨床試験を実施しています。免疫抑制療法時の好中球(白血球)数減少に対し好中球(白血球)数を速やかに回復・維持させ、免疫抑制剤の使用が完了しました。 |
使用方法 |
<造血幹細胞の末梢血中への動員>
①がん化学療法終了後の動員の場合、がん化学療法が終わった翌日以降から1日1kgあたり5μg/kgを1日1回もしくは2回に分けてアフェレーシスが終了するまで皮下投与します。効果が不十分であれば、1日1kgあたり10μgに増量します。患者の状態に応じて、減量することが可能です。
②自家末梢血幹細胞移植を目的とした本剤単独での動員の場合、1日1kgあたり10μgを1日1回もしくは2回に分けて4~6日間、アフェレーシスが終了するまで皮下投与します。患者の状態に応じて、減量することが可能です。
③末梢血幹細胞移植ドナーに対する本剤単独での動員の場合、1日1kgあたり10μgを1日1回もしくは2回に分けて4~6日間、アフェレーシスが終了するまで皮下投与します。患者の状態に応じて、減量することが可能です。
いずれの場合も、アフェレーシスを終了する前に白血球数が50000/mm3以上に増加した場合は本剤を減量し、それでも白血球数が75000/mm3に達した場合は投与を中止してください。
<造血幹細胞移植時の好中球数の増加促進>
①成人、小児の場合、造血幹細胞移植施行翌日もしくは5日後から、1kgあたり5μgを1日1回点滴静注します。好中球数が5000/mm3以上に増加したら、患者の状態に合わせて投与を中止してください。
<がん化学療法による好中球減少症>
①急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病の場合、がん化学療法が終わった翌日から骨髄中の芽球が十分減少し、末梢血液中に芽球が認められなくなった時点から、1kgあたり5μgを1日1回静脈内投与します。出血傾向等の問題がなければ、1kgあたり2μgを1日1回皮下投与します。
②悪性リンパ腫、小細胞肺癌、胚細胞腫瘍(睾丸腫瘍、卵巣腫瘍など)、神経芽細胞腫、小児がんの場合、がん化学療法が終わった翌日から1kgあたり2μgを1日1回皮下投与します。出血傾向等により皮下投与が難しい場合、1kgあたり5μgを1日1回静脈内投与します。
③その他のがん腫の場合、がん化学療法により好中球数1000/mm3未満で38℃以上の発熱もしくは好中球数500/mm3未満が観察された時点から開始します。また、がん化学療法により好中球数
1000/mm3未満で38℃以上の発熱や好中球数500/mm3未満が観察され、引き続き同一のがん化学療法を施行する症例に対しては、次回以降のがん化学療法施行時には好中球数1000/mm3未満が観察された時点から開始します。用量は、1kgあたり2μgを1日1回皮下投与します。出血傾向等により皮下投与が難しい場合、1kgあたり5μgを1日1回静脈内投与します。
いずれの場合においても、好中球数が最低値を示す時期が経過したにもかかわらず5000/mm3に達した場合は投与を中止してください。
<骨髄異形成症候群に伴う好中球減少症>
①好中球数1000/mm3未満となった時点から、1kgあたり5μgを1日1回静脈内投与します。好中球数が5000/mm3以上に増加したら、患者の状態をみながら減量、もしくは投与を中止します。
<再生不良性貧血に伴う好中球減少症>
①成人の場合、好中球数1000/mm3未満となった時点から、1kgあたり5μgを1日1回静脈内投与します。
②小児の場合、好中球数1000/mm3未満となった時点から、1kgあたり5μgを1日1回静脈内投与もしくは皮下投与します。
いずれの場合も、好中球数が5000/mm3以上に増加したら、患者の状態をみながら減量、もしくは投与を中止します。
<先天性・特発性好中球減少症>
①好中球数1000/mm3未満となった時点から、1kgあたり2μgを1日1回静脈内投与もしくは皮下投与します。好中球数が5000/mm3以上に増加したら、患者の状態をみながら減量、もしくは投与を中止します。
<ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の治療に支障を来す好中球減少症>
①好中球数1000/mm3未満となった時点から、1kgあたり5μgを1日1回静脈内投与します。
投与期間は2週間を目安としてください。ただし、好中球数が3000/mm3以上に増加したら、患者の状態をみながら減量、もしくは投与を中止してください。
<免疫抑制療法(腎移植)に伴う好中球減少症>
①好中球数1500/mm3(白血球数3,000/mm3)未満となった時点から、1kgあたり2μgを1日1回静脈内投与もしくは皮下投与します。好中球数が5000/mm3以上に増加したら、患者の状態をみながら減量、もしくは投与を中止します。
<再発又は難治性の急性骨髄性白血病に対する抗悪性腫瘍剤との併用療法>
フルダラビン、シタラビンなどの抗悪性腫瘍剤併用化学療法を開始する前の日から併用化学療法終了する日まで(通常5~6日間)毎日、1日1回1kgあたり5μg皮下投与又は静脈内投与します。 |
副作用 |
主な副作用
主に、LDH上昇、Al-P上昇などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。
皮膚・・皮疹・発疹/蕁麻疹/そう痒感(2%未満)、好中球浸潤・有性紅斑・発熱を伴う皮膚障害(Sweet症候群等)(頻度不明)
肝臓・・肝機能異常/ALT上昇/AST上昇/γ-GTP上昇/ビリルビン上昇(2%未満)
消化器・・嘔気・嘔吐/食欲不振/下痢/腹痛(2%未満)
筋・骨格系・・背部痛/骨痛/関節痛/胸痛(2%未満)、筋肉痛/四肢痛(頻度不明)
呼吸器・・肺水腫/呼吸困難/低酸素血症(2%未満)、胸水(頻度不明)
腎臓・・糸球体腎炎(頻度不明)
血液・・血小板減少(2%未満)
その他・・LDH上昇/Al-P上昇(2%以上)、発熱/CRPの上昇/尿酸上昇/頭痛/倦怠感/浮腫(2%未満)、動悸(頻度不明)
重大な副作用
間質性肺炎や、芽球の増加、毛細血管漏出症候群に注意をしてください。
いずれも頻度不明のため、もし症状が現れた場合には投与を中止し医療機関を受診してください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■レノグラスチム(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ノイトロジンの有効成分
レノグラスチム(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
L-アルギニン、L-フェニルアラニン、L-メチオニン、ポリソルベート20、D-マンニトール、希塩酸
・以前、レノグラスチム(遺伝子組換え)を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・骨髄中の芽球が十分減少していない骨髄性白血病患者もしくは末梢血液中に芽球の認められる骨髄性白血病の方
※再発もしくは難治性の急性骨髄性白血病に対する抗悪性腫瘍剤との併用療法として投与する場合は除きます。
使用に注意が必要な方 ・心肺機能に高度な障害のある方
・高度な腎機能障害のある方
・高度な肝機能障害のある方
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性
・小児
・高齢者
上記にあてはまる方は、レノグラスチム(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。 レノグラスチム(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
レノグラスチム(遺伝子組換え)に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ノイトロジン添付文書
ノイトロジンインタビューフォーム |
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |